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2021年発行

五輪関係者の入院が優先?ナイジェリア選手団の1人が感染し入院・・・ってバブル方式は?

続々と入国してくる五輪関係者や選手団。その中のナイジェリア選手団の1人が感染確認、そして都内の医療機関に入院したとのこと。来日した大会関係者の入院は初めてとみられます。

感染したのは選手ではない60代後半の人とのこと。チームスタッフや何かの競技の監督でしょうか。軽症ではありますが高齢な上に基礎疾患があるとのことで入院という措置が取られたようです。

この報道に対して、

  • 五輪関係者の入院が国民より優先されるのか!
  • 都内の医療機関って、バブル方式は機能していないの?

など不満や疑問が爆発。

この記事ではその辺りの背景に迫ってみたいと思います。

五輪関係者の入院が優先?

第5波の危険性も高まる中、医療体制の逼迫は相変わらずの懸念材料です。日本国民ですら入院やまともな治療がなされず自宅療養となっている中、“五輪関係者だから”という理由で入院が優先されているのでしょうか?

東京都が要請

今年4月末の報道によると、五輪関係者が新型コロナウイルスに感染した場合、優先的に入院できる病床を確保するよう、東京都が大会協力病院に求めていることが明らかになっています。

さらに、大会に動員する医療スタッフのうち医師約100人、看護師約100人を新型コロナの対応にあてることも判明しています。

「大会指定病院」の確保

政府、東京都、五輪組織委員会によると、選手らが感染した場合に医療を提供する「大会指定病院」を都内外で確保するよう調整。その数は都内に10、都外に20としています。

病院名は明らかにされていませんが、発表によると都内9箇所の病院からおおむね内諾を得たとしており、五輪関係者の入院および治療が優先されるという状況はたしかに存在するようです。

もちろんその分、一般の新型コロナ患者の受け入れには支障をきたすことになります。

反発した県も

こうした要請に対し、茨城県の大井川知事↑が反発。

新型コロナに感染した選手らを受け入れる専用病床を県内に確保するよう求められたと明かし、これを断ったといいます。

大井川知事は

県民と選手を分け隔てする必要性を感じない。

選手を優先するというのは認められないのではないか。

感染が収束しておらず、病床に余裕がない。選手を特別扱いするわけにはいかない。

と述べています。

人命に重いも軽いもない・・・立派な発言だと思います。

ちなみに茨城県ではカシマサッカースタジアムなどでサッカー競技が開かれる予定です。

バブル方式は機能していない?

感染したナイジェリア選手団の1人は都内の医療機関に入院、ということですが、あれ?バブル方式はどうなってしまったんでしょうか・・・

バブル方式とは

バブル方式をおさらいしておくと「海外からの選手や関係者、メディアを外部と接触させない」方法のことです。

五輪関係者を選手村の中など大会施設で隔離し、バブル(泡)で周りを覆うようにして外部との接触を断つ、という方式で、国民の安心・安全を守るとしています。

医療機関はどこなのか?

「都内の医療機関」ということは選手村の中ではないと考えられます。選手村の中なら「選手村の中の医療機関」と報じればいいはずです。

選手村も都内(東京都中央区)と言えばそうですが、バブルの中から出さないというルールであれば、医療機関といえど“感染者”をその外に出すのはおかしな話です。

すでに起きている『バブル崩壊』

東京五輪・大会組織委員会の「プレーブック」では、入国から14日間は特別な事情がない限り食事は大会施設や宿泊施設のレストラン、ルームサービスかデリバリーに限られ、外出も制限されます。

ところがすでにそんな事はまるっきり無視だといいます。

ヒアリングによると

  • 「アフリカの大会関係者が入国当日に築地を歩いていた」
  • 「ホテル周辺を散歩している選手団がいる」

などの声が聞かれています。

アフリカの大会関係者って・・・まさか件のナイジェリアの選手団じゃないでしょうね。

と言っても日本側が自らバブルに穴を開け、感染者をどこかの病院に運び込んでいるのですから文句も言えませんね。

まとめ

五輪関係者の入院が優先されるのか?そしてバブル方式は機能しているのか?とった声について解説してきました。

背景として、五輪関係者の入院および治療が一般国民より優先されるという事実は確かに存在していました。

またバブル方式に関してはほとんど機能しておらず、日本が自らその泡を破りにいっている・・・ということが分かりました。

本当に日本は「バブル」を「崩壊」させるのが得意ですね。

いま、我々にできることは、コロナに感染しないために不要不急の外出を控え、手洗いがうがいをしっかりと・・・って結局これまでと何ら変わらないようです。