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NewPost 2021年発行

白鵬の引退は近い?年齢的にも限界?奇襲など品格を問われる相撲は過去にも・・・

大相撲名古屋場所で無傷の14連勝、千秋楽で大関照ノ富士との全勝対決に持ち込んだ白鵬。しかしその14日目の取組内容には大いに疑問符がつくことになりました。

大関正代との一番で白鵬は、徳俵付近まで大股で下がって構え、そのまま腰を割ったのです。そして戸惑う正代にゆっくりと近づき、立て続けに張り手を2発。最後は組み止めて浴びせ倒しで白星を得ました。

いわゆる”奇襲”で勝ちをもぎ取ったのです。

この白鵬の相撲に対しネット上では

白鵬、必死だな

もう真っ向勝負する力がないのか

膝の状態が良くないのでは・・・

などの声が聞かれています。

この記事では

  • 奇襲を行う白鵬の引退は近い?
  • 力士の平均引退年齢はいくつ?
  • 白鵬の奇襲は過去にもあった?

といった疑問にお答えしていこうと思います。

そもそも怪我から復帰したばかりである

白鵬は膝の怪我により、実に6場所連続の休場中でした。この前に出場した3月の春場所は連勝発進するも右膝の怪我が悪化し3日目から途中休場。この春場所自体も4場所ぶりの出場ということでしたから、1年近くまともに出場していなかったのです。

「注意」に「手術」

連続休場中であった昨年11月場所後、白鵬は横綱審議委員会から「引退勧告」に次ぐ重さの「注意」を決議されています。

また今年の3月19日には、治療のために膝の手術も受けています。明らかに万全の状態でないという点は認識しておきたいところです。

奇襲を行う白鵬の引退は近い?

先述の通り、正代相手に奇襲戦法で勝利した白鵬。奇襲に逃げることでしか勝利できない白鵬の引退は近いのでしょうか。

関係者からも苦言

元横綱北勝海・八角理事長は白鵬の取組に対し

「奇襲というのは弱い方がやるんだけどね。勝ちたかったんだろうが、これだけ優勝回数を重ねた横綱が、ああいうことをしてはいけない」

苦言を呈しました。

横綱の品格についての苦言かそれとも・・・

この八角理事長の言葉を額面どおりに受け取るなら、横綱としてそんな戦法をとってはいけない、という意味でしょう。

しかし少し見方を変えれば「そんなことまでしなければ勝てないのならもう横綱でいるべきではない」とも取れます。

横綱の品格については明確な取り決めがないので何とも言えませんが、たしかに真っ向勝負で相撲が取れないなら自然と”引退”の2文字がチラつくことにはなるでしょう。

勝ちへの執念?膝への配慮?

この奇襲を「白鵬の勝ちへの執念」というふうに捉えることもできます。ルールの範囲内ならば勝ってナンボの世界。奇襲であろうと何であろうと、絶対に勝つというその執念は日本人力士も見習うべき点です。

しかしこれは思いのほか膝の状態が良くないのかもしれません。正代のパワーを正面から受けられる状態ではない、と判断しての戦法であるという可能性も十分あります。

これだけ休んで、手術までしてもなお、万全になることがないほどの怪我であれば、やはり現役を長く続けることは難しいでしょう。

力士の平均引退年齢はいくつ?

長期に渡って横綱に君臨する白鵬もいまや36歳。では力士の平均引退年齢はいくつぐらいなのでしょうか。

白鵬はとっくの昔に超えている

ズバリ、力士の平均引退年齢は31.6歳です。

野球やサッカーであれば、経験と体力のバランスが取れ、もっとも脂が乗っているような年齢で現役を退く力士が多いことになります。

これはもちろん格闘技であるということが大きく影響しているでしょう。

横綱に限るとさらに・・・

この平均引退年齢を「横綱」に限定すると30.7歳と、さらに下がることになります。

横綱でもっとも引退年齢が遅いのは、第43代横綱・吉葉山の37歳。しかしこれは現在の年6場所制以前の話。年6場所制以降では第44代横綱・栃錦と第58代横綱・千代の富士の35歳でした。

つまり白鵬はすでに年6場所制以降では最高齢横綱となっているのです。

まさに「体力の限界」が近づいていることは間違いないと言えます。

白鵬の奇襲は過去にもあった?

白鵬の奇襲が話題になったのは今回が初めてではありません。

2015年11月17日・栃煌山戦

この取組で白鵬は、立ち合い直後「パチンッ」と栃煌山の顔の前で両手を叩き”猫だまし”をお見舞い。

一度、栃煌山を右に泳がせたあと、振り向き際にもう一発猫だましを食らわせ、右四つで組み止め寄り切りました。

これに北の湖理事長(当時)は

「横綱としてやるべきことじゃない」

痛烈に批判しています。

2019年11月13日・朝乃山戦

この日、白鵬は相手の意表を突いて右の張り手!怯んだ瞬間を見逃さず電光石火の左差しで朝乃山に付け入る隙を与えませんでした。

いわゆる”張り差し”です。

立ち合いで立った直後に一度張っておいて、その隙を突いて自分の有利な差し手に持ち込むことを張り差しといいます。

これも猫だましと同様、正攻法と見なさず多用するべきではないという声が根強い奇襲戦法です。

白鵬の奇襲は珍しくない

白鵬が奇襲戦法をとること自体は決して珍しいことではありません。問題はその頻度と内容なわけですが、今回の奇襲は今までのものと少々毛色が違います。

今までは本当に「勝つため」の奇襲。横綱として様々な研究をされる立場でしょうから、戦い方にも工夫をしなければ勝ち続けることはできないでしょう。

しかし今回は「何かを庇うため」の奇襲とも取れます。

攻めのそれではなく守りのための奇襲・・・印象があまりにもよろしくないという側面はたしかに存在します。

まとめ

奇襲による勝利を得た白鵬の引退について考察してきました。

今回の奇襲戦法は、自身の衰えを隠す、もしくは膝の怪我を庇うためのものである可能性も十分にあるということが言えます。

そして白鵬はすでに平均的な引退年齢を大きく超えているということも事実です。

ただ、何かと品格が問題視される横綱とはいえ記録の面だけで言えば「史上最強」の力士であると断言してもいい大横綱です。

どんな形であれ、その相撲が少しでも長く見られることは幸せなのかもしれません。