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2021年発行

ウォシュレットで菌拡散?ウォシュレットの正しい使用方法とは?公共の場での使用割合についても

我々の生活にもはや必要不可欠ともいえるウォシュレット(温水洗浄便座)。しかしこのウォシュレットを介して菌を伝播させるリスクがあるという研究報告が出されました。

この報道にネット上では、

公共の場でのウォシュレットなんて汚すぎてそもそも使わない!

あのノズルの汚さを見てしまったらもう無理・・・

という声と、

エアータオルに続いてウォシュレットまで使用禁止になったら困る!

そんなに潔癖ならそもそも外でトイレ使うな!

という声の真っ二つに。

しかしいまや自宅のトイレはもちろん、外出先でもほとんどのトイレに設置されており、これからも上手く付き合っていく必要のあるウォシュレット。

この記事では

  • ウォシュレットの正しい使い方とは?
  • どうしても外出先で使用しなければならない場合は?
  • 公共の場での使用割合はどれぐらい?

といった疑問にお答えしていこうと思います。

前提として

公共の場でのウォシュレットの使用について話題になっていますが、そもそも今回、菌の拡散の危険性が指摘されたのは“病院内”のトイレです。

研究は東京医科大学病院の血液病棟トイレに設置されている温水便座のノズルから採取した検体をもとに行われており、感染の危険性のある菌を持っていることが確定している患者さんが使用したトイレでの研究結果だということが大前提です。

研究結果として示唆されたのは・・・

報道にもありますが、あくまで今回の研究結果として「温水便座を介して菌の移行が生じた可能性」が示唆されたに過ぎません。

また、この研究の目的はコロナウイルスを含めた様々な感染症への対策に役立てていくことであり、ウォシュレットの危険性を煽るものではないということだけは認識しておきたいところです。

ウォシュレットの正しい使い方とは?

それでもやはり公共のトイレ、例えば駅やコンビニのトイレに設置されているウォシュレットの使用に抵抗があるという気持ちもよく分かります。

ウォシュレットの正しい使い方を改めてご紹介していきましょう。

手順として

まずは排便後、ウォシュレットを使用する前に必ず水圧と水温の確認を行いましょう。

温度調節が極端になっていると、デリケートな部分に強烈な熱さのお湯がかかることになります。

また水圧も「強」になっていると痔の方にとっては大打撃です。

温度や水圧に驚いて腰を浮かしたり立ち上がったりすると、飛び散った水で便座など周囲を汚してしまう恐れがあります。

必ずトイレットペーパーとの併用を

そして必ずトイレットペーパーを併用しましょう。使用する順番は、

①ペーパー → ②ウォシュレット → ③ペーパーの順です。

これを守らないと何が起きるか・・・それが「ノズルへのダメージ」です。

ペーパーでまったく拭き取られていない状態の肛門にそのまま温水をかけるわけですから、当然ながらそこから落ちる、もしくは飛び散るブツがノズルに大量に付着することになります。

必ずペーパーで一度拭き、ある程度の便を落としてから温水洗浄を行いましょう。

その他の注意点

菌の拡散や汚れの付着に関しての注意点ではありませんが、自分の体への悪影響を防ぐために下記の点にも意識を向けましょう。

  1. 肛門は閉じること
  2. 洗浄は5~6秒
  3. 肛門には直接温水を当てない
  4. 便意を促す刺激に使用しない

①~③は腸の粘膜まで傷つけてしまう恐れがあります。また④は刺激がないと排便できない体になってしまう危険性があります。

どうしても外出先で使用しなければいけない場合は?

それでもどうしても外出先でウォシュレットを使用しなければならない場合の注意点についても解説しておきます。

基本的には抗菌で汚れも付きにくい

最近のウォシュレットは各メーカーさん(メーカーによって商品名が違いますが)の技術が結集した洗浄便座なので、基本的には抗菌で汚れも付きにくい仕様になっています。

またノズル自体も綺麗にセルフクリーニングされているものが多いようです。

しっかりと清掃が行き届いているトイレであれば、公共のトイレであってもそこまで神経質になる必要はありません。

チェックポイント

外出先のトイレがこまめに清掃されているかどうかのチェックポイントがあります。

それは「トイレットペーパーのストックを見ること」です。

トイレットペーパーが山積みされていたり、業務用の太いトイレットペーパーを使用しているところは、清掃に入る頻度が低いと考えていいでしょう。

また、ノズルについては一度拭いてから使うのがベストです。「ノズルクリーニング」というボタンがあったら押して、その後にトイレットペーパーで拭いてあげましょう。

ボタンがない場合でも、ノズルは手で引き出せば出てきます。これはご自宅のトイレ掃除のときに意識すると良いですよ。

公共の場での使用割合は?

外でウォシュレットなんて使わない!という声と、無くなったら絶対に困る!という声の真っ二つに分かれる公衆トイレのウォシュレットですが、実際に使用する人としない人の割合はどの程度なのでしょうか。

調査によると・・・

全国20~60代の男女1,342名を対象に行われた調査によると、全体の48.0%「公共のウォシュレットを使わない」と回答しました。

特に女性の非使用率が高く、実に64.1%が「使わない」と回答しています。

理由はやはり衛生面に対する不安です。

年齢が上がるにつれ使用率も上がる

公共のウォシュレットは若い世代ほど使いません。年齢が高くなるほどその使用率は上がっていきます。

その理由として

おなかが出てきてお尻を拭くのにも一苦労

腰が痛くて体をひねる動作がきつい

といったところです。体型の変化によって公共のウォシュレットでも使わざるを得ないというケースが出てくるようです。

まとめ

改めて言いますが今回の研究は温水洗浄便座の危険性を煽るものでは決してなく、研究を通じて今後の感染症対策に活かしていくのが目的です。

しかしコロナウイルスの影響で多くの方が菌の拡散や衛生面に対して異常なほど敏感になっているというのもまた事実です。

メディアの皆さんにはちょっとした報道が大きな誤解を生み、人々を混乱させてしまうという「危険性」についてももっと敏感になってほしいところではあります。