キリ・マンジャロじゃないんですよね。キリマン・ジャロでもない。
そう、キリマ・ンジャロなんです。
「ンジャロ」って何じゃろ?と思った方、「ンジャロ」はチャガ語で「白さ」を意味し、「キリマ」はスワヒリ語で「山」、合わせて「白く輝く山」という意味になります。
え?そこで切るの?となる名称は他にもたくさんあります。例えばマレーシアの首都クアラルンプール。
ついクアラルン・プールだと思いがちですが、正しくはクアラ・ルンプール。クアラルンプールは「泥(lumpur)が合流する場所(kuala)」という意味。
あとはプエルトリコもプエル・トリコではなくプエルト・リコ。「美しい(rico)港(puerto)」という意味です。
どちらも本来の言葉の意味で区切ると違和感が生じます。
なぜ違和感が生じるかというと、これは簡単です。言葉として意味がある部分をつい意識してしまうからです。
キリマンジャロならキリが霧や桐、クアラルンプールなら泳ぐプール、プエルトリコならトリコが虜、といった具合です。
これらは日本人だからそこでつい切りたくなるのであって、外国人の方からしたらまた別のところで切りたくなるのでしょう。
で、気になっていたどうでもいい話に移行します。プロ野球の「日本ハムファイターズ」についてです。
外国人の方が、この球団名を見たらどう見えるでしょうか。
他のプロ野球チーム名もいくつか挙げてみましょう。
「読売ジャイアンツ」「中日ドラゴンズ」「阪神タイガース」「西武ライオンズ」
―――もちろん外人さんは字は読めないとしても「あ、漢字2文字のあとにチーム名なんだ」と多分思うでしょう。
そう、我々日本人は「日本ハム」という超有名企業を知っているから、日本ハムがオーナーの「日本ハム・ファイターズ」なんだと理解できますが、外国人からしたら「日本・ハムファイターズ」で「日本」の「ハムファイター達」なんだと思うことでしょう。
ハムファイターズってどんな野球をするのか・・・。
バットの代わりに魚肉ソーセージを振り回し、グローブからは燻製の香りが漂います。
エースの決め球はスライダーではなくスライサー。
野球不毛の地、アラブでその手腕を振るい「アラブ野球の父」と呼ばれるメロン・ナマハーム監督を招聘し、選手のハムストリング(太もも)の筋肉を徹底的に鍛え上げます。
そして自軍の攻撃のときだけベース間の距離をこっそり縮め、鍛えた自慢の足を生かすベースコントロール野球、略してベーコン野球(反則です)を掲げ、キャッチャーのサインを盗む(反則です)ときはチラ見でなく「サラ見」。
7回の攻撃時にはスタンドから一斉に飛ばされる風船・・・と思いきや、これは大きなフランクフルトだ!
そして勝利したときはファンから祝福のポークビッツのシャワーが降り注ぐ・・・おっと、ポークビッツは日本ハムじゃなく伊藤ハムの商品だったぜ!
そんなハムファイターズが頑張るプロ野球(大ウソ)、今年も盛り上がってます。(N)