Twitterでしばしばトレンドとして上がってくる「わけほー」や「うさほー」。
一体どんな意味なのか?
どんな使い方をするのか?
由来は何?
中でも最近やたらと多い「わけほー」にまつわる小咄
そんなことを解説していきたいと思います。
もくじ
「○○ほー」って何?
これはズバリ、プロ野球でひいきの球団が勝ったときにTwitter上で呟かれる勝利ツイートです。
うさほー、たかほー、など、前半部分がそれぞれの球団によって変化し、後半の「ほー」の部分は統一です。(一部例外あり)
「ほー」は一体どこから来たのかというと、「やっほー」や「わんだほー」を略したものとされます。
応援しているチームが勝って「やっほー!」「わんだほー!」と喜びを高らかにツイートしているのです。
それでは、各球団ごとに変化する前半部分と合わせ一覧を見てみましょう。
セ・リーグ
球団名 | 勝利ツイート |
巨人 | うさほー |
阪神 | とらほー |
中日 | どらほー |
広島 | こいほー |
ヤクルト | すわほー |
DeNA | 横浜優勝 |
パ・リーグ
球団名 | 勝利ツイート |
ソフトバンク | たかほー |
ロッテ | まりほー |
西武 | れおほー、ししほー |
楽天 | わしほー |
日本ハム | はむほー |
オリックス | おりほー |
以上です。
基本的には球団名(ドラゴンズ、ライオンズ等)か、マスコットキャラクターの動物に由来しているのがお分かりいただけるでしょう。
一部例外を除いて…
その例外球団は「ほー」すらも無視されているというなかなかのハブられっぷり。
実際の使用例としては、
- 「○○ほーに乾杯!」(チームが勝って勝利の美酒を味わいながら)
- 「サヨナラ○○ほー!」(チームがサヨナラ勝ちしたとき)
- 「今日こそ○○ほーしたい!」(チームが連敗中のとき)
と、いった具合です。
由来の解説
それでは由来や理由についても解説していきます。
巨人[うさほー]
「うさ」の由来はジャイアンツのマスコットキャラクターである「ジャビットくん」から来ています。
ジャビットくんはウサギをモチーフにしたキャラ。
ちなみに何故ウサギなのかというと「読売ジャイアンツ」のイニシャルYGを組み合わせたとき、Yの上の部分がウサギの耳に見えたことだそうです。
阪神[とらほー]
球団名である「タイガース」から取られました。
阪神と言えばトラ、トラと言えば阪神、というぐらい定着しているのでこれ以外の選択肢はないでしょう。
中日[どらほー]
こちらも球団名「ドラゴンズ」より。少々阪神の「とらほー」と紛らわしい気もしますが…
でもドラゴンズのマスコットは竜でなくコアラがモチーフの「ドアラ」なんですよね。
これはコアラが日本に初めてやってきたのが、本拠地である名古屋市東山動物園だったためです。
広島[こいほー]
この「こい」は球団名「カープ(鯉)」から来ています。
何で広島が鯉なの?と思う人も多いと思いますが、これはその昔、広島城が別名「鯉城(りじょう)」と呼ばれていたことに由来します。
ヤクルト[すわほー]
これまた球団名「スワローズ」から。スワローとは「ツバメ」のこと。
有名なマスコットキャラ「つば九郎」もツバメがモチーフです。
DeNA[横浜優勝]
このベイスターズだけ例外の原因には諸説あります。
2000年代に入り暗黒期を迎えていた横浜は1回の勝利が遠く、そんな中で勝った時のファンの喜びようは並々ならぬものでした。
しかし他球団ファンから見ればその騒ぎ方があたかも優勝したかのようであり、それを揶揄されネタとして今も残っているというのが定説です。
また、2003年9月15日に横浜が勝った試合で阪神の優勝が決まったため、ネット上でそれを短くした「横浜優勝」という文字が飛び交ったこととも言われています。
いずれにしてもあまりありがたい由来ではないですね。しかし残念ながら今年(2021年)のペナントを見ていると致し方なしと言わざるを得ない…?
ソフトバンク[たかほー]
球団名である「ホークス」から来ています。ホーク=鷹です。
ロッテ[まりほー]
球団名「マリーンズ」からです。
ちなみにマスコットキャラは「カモメ」なので「かもほー」というツイートもあるようです。
西武[れおほー、ししほー」
球団名「ライオンズ」からです。
西武だけは2つともよく使われているようです。
楽天[わしほー]
球団名が「イーグルス」なのでイーグル=鷲、ということです。
日本ハム[はむほー]
単純に日本ハムのハム、です。
球団名はファイターズですが、日ハムと言えばやっぱりハムを思い浮かべてしまいます。
ちなみに「日本ハムファイターズ」についてはこんな過去記事もありますので是非どうぞ↓
【どこで区切る?】「キリマ・ンジャロ」のはなし。19.6.20
オリックス[おりほー]
見ての通りオリックスの「おり」です。
球団名は「ブルーウェーブ」ですが、パ・リーグの球団は球団名より親会社の名前の方がインパクトが強いですね。
番外[わけほー]、[まけほー]
先ほど「ほー」は喜びを意味するとお伝えしましたが、引き分けや負けの場合でも「ほー」でツイートするケースが増えています。
使用法としてはそのままですが引き分けの場合「わけほー」、負けた場合は「まけほー」。
コロナ禍による緊急事態宣言で、プロ野球の試合も延長戦を行わず9回で打ち切りとする方針となっています。
これにより引き分けで終わる試合数は例年にないペースで発生しています。
「わけほー」とツイートする機会は多くなるでしょう。
「わけほー」が増えると…
ここからは野球の深い話になっていきますが、引き分けの試合数が増えると投手成績に大きな影響が出ます。
引き分けで試合が終わるということは、当然のことながら「勝利投手」が発生しないことになります。
ある試算では、2021年のペナントレースでは10%以上が引き分けで終わると言われています。
両リーグで計858試合が行われる今季に当てはめると、90試合近くが引き分けに終わることになります。
これはNPB史上最多です。
つまり発生するはずの投手の勝利数も90勝近く減少します。
最多勝のボーダーラインも確実に下がってくるでしょう。
またクローザーのセーブも「勝ち試合」にしかつきません。勝敗がつかないかもしれない試合では、抑え投手の起用法も変わります。
「勝利数」や「セーブ数」の評価基準にも変化が求められそうです。
そもそも試合時間が長すぎる
2020年の平均試合時間はセ・リーグがが3時間13分、パ・リーグが3時間18分でした。
これは延長10回制での試合時間ですが、9回に限ってもセは3時間10分、パは3時間16分。延長なしとなっても、それだけではほとんど短縮されません。
ところが甲子園は「1試合2時間」を目標にしています。
やろうと思えば試合時間の短縮はもっと可能なはずです。
プロとアマとはいえ同じ競技で1.5倍以上も試合時間が違うのは少々違和感を覚えます。
まとめ
- 「◯のほー」の「ほー」はひいきの球団の勝利を喜ぶ表現
- 「◯◯ほー」の「◯◯」の部分は球団ごとに種類がある
- 引き分けでは「わけほー」、負けでも「まけほー」
- コロナ禍による9回打ち切りルールで「わけほー」が増える
まだまだ続くであろうコロナ禍、「わけほー」のツイートが増えたとしても、プロ野球界は感染リスクを最小限に止める努力がもっと必要です。(N)