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あした使えるはなしのたね
2019年発行

「英語、ズルい」のはなし。2019.12.5.thu

英語の名前ってズルいですよね。

人名でも社名でも建物名でも。

別に英語圏では何の変哲もない名前だったとしても、我々からするとめちゃめちゃカッコよく聞こえるものです。

「ウィリアムズ」とかなんかすっごいイケメンをイメージするじゃないですか。

ウィリアム王子の存在も手伝って、高貴な感じまで漂います。

でもこの「ウィリアムズ」という名字(ラストネーム)はアメリカでは超ポピュラーで、名字ランキングでは3位なんです。

ただの高橋さんです。

日本の3位が「高橋」で、クラスに1人は居た名字です。

私は高校時代、同じクラスに高橋が3人いました。

ちなみに「ウィリアムズ」は名字ですが、ウィリアム王子の「ウィリアム」は名前になります。

なので「ウィリアム・ウィリアムズ」という組合せも可能です。

これはこれでアリな気がします。実際にウェールズの賛美歌作者にこの名前の人がいます。

日本でいうと「高橋the高橋」みたいなもんです。

高橋の中の高橋、キングオブ高橋です。カッコよくはありません。高橋さんすみません。

社名でも、有名なオートバイメーカー「ハーレーダビッドソン(Harley-Davidson)」は単純に創業者であるハーレーさんとダビッドソンさんの名前から取っただけの安直な名前。

なのにあの重厚でイカしたバイクのためにあるかのような社名だと思いませんか。

カッコよすぎるでしょ。

これを日本の名字に置き換えると「松崎・浦田」みたいなことになって、ただの漫才コンビになってしまいます。

全然カッコよくありません。松崎さん、浦田さん、ごめんなさい。

他にも社名でいくと「ジョンソン&ジョンソン(Johnson & Johnson)」もモロに人名からつけています。

これも創業者の名前がジョンソンさんだっただけ。

それを2回繰り返しているだけなのに、なぜかちょっとオシャレです。

兄弟3人のジョンソンさんで旗揚げしたのでほんとは「ジョンソン&ジョンソン&ジョンソン」です。

さすがにくどいです。

「ジョンソンも」アメリカではありふれた名字です。「中村&中村&中村」みたいなことです。

ダサいです。中村さんごめんなさい。

「エンパイアステートビル」とか、もう歴史に名を残す建造物としての未来を約束されたような名前じゃないですか。

今は無き「ワールドトレードセンター」も直訳したらただの「世界貿易ビル」なんですが、英語だとスケール感が段違いです。

そして建物がなくなった跡地につけられた名前が「グラウンド・ゼロ」―――不謹慎ですがいちいちカッコいいっす。

これが日本だと「旧○○邸跡地」みたいなことになって、はとバスツアーで巡るジジババ向けの名所になるところです。

これって英語や横文字に対するコンプレックスなんでしょうか。

いや、語感の良さやスタイリッシュさでは、日本語は絶対に英語に敵わないと思います。

じゃあ英語を使えばいいのかというとそうでもなく、

「レインボーブリッジ」とかは「頑張って英語を使ったけど、いかにも知ってる単語並べました」感が出ています。

大阪が東京のレインボーブリッジに負けじと作った橋があってこちらの名称は「かもめ大橋」―――もうハナからカッコよくする気ないでしょ・・・。

と、ここまで書いて気付きました。

英語の名前は「口に出して言いたくなる」んです。

日本語でも「はやぶさ」とか「いなずま」とかは言いたくなります。

あと「高床式倉庫」とか「墾田永年私財法」とかも、長いけど言うと気持ちいい!このニュアンス、伝わっているのか超不安ですが・・・。

名字とか名前はもう仕方ないとして、これから造る建造物や会社の名前は「口に出して言いたくなる」

という部分に着目すると、国際化の波に置いていかれずに済むのかも。(N)