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2021年発行

サッカー日本代表戦、なぜテレビ放送されない?W杯予選なのに地上波消滅の理由とは

9月7日のW杯最終予選・中国戦の地上波テレビ放送がない!と嘆きの声が上がっています。

日本代表の試合、しかもW杯出場権を賭けた大事なゲームであるにも関わらず、テレビ放送がないというのは今までの感覚からすると考えられません。

これにはネット上でも

  • どうしてだー⁉︎
  • いや、日本代表の試合ですよ…
  • こんなことあり得ない

など困惑と怒りの声が飛び交っています。

今回の最終予選、地上波での放送がないのはアウェーで行われる試合で、それを観ようと思ったら有料動画配信サービスであるDAZN(ダ・ゾーン)に加入しなければなりません。

この記事では、なぜ日本代表の試合なのに地上波テレビ放送がされないのかの解説と、その背景にある問題についても掘り下げていこうと思います。

日本代表戦が放送されないことに対する世間の声

https://twitter.com/akeno_Leo_shirm/status/1430806005261094912
https://twitter.com/anQsq/status/1431207726256836611

やはり嘆きの声が多く聞こえてきています。

今まで当たり前のようにテレビ放送されてきましたから、受け入れられない人が多いのも当然かもしれません。

なぜ日本代表戦がテレビ放送されない?

では、一体なぜ日本代表の試合なのにテレビ放送がされないのでしょうか。

理由は放映権料の高騰

地上波テレビ放送されない大きな理由は放映権料の高騰にあります。

昨年までAFC(アジア・サッカー連盟)と放映権契約を結んでいたテレビ朝日が、その権利を手放さざるを得なくなったのです。

放映権ビジネスに手をつけたAFC

放映権料を大幅に引き上げたのは他でもないAFCです。

転機となったのは2005年。

それまで代表戦の放映権は試合が行われるホームの国が有していました。

しかし放映権がビジネスになると判断したAFCは、05年からその権利を売り始めたのです。

この時に日本代表戦の放映権を買ったのがテレビ朝日でした。

これで06年W杯ドイツ大会の予選から、ホームもアウェーも最終予選はテレビ朝日が地上波で独占して放送するようになりました。

当時は4年契約で90億円だったとされます。

恐るべしAFCの強欲ぶり

その後、4年ごとに放映権料を払いAFCとの契約を更新してきたテレビ朝日。

2017年には4年で180億円の契約となるなど、この時点ですでに当初の倍の額に膨れ上がっていました。

しかしこれに飽き足らないAFCは、2020年の契約期間および放映権料を

8年2000億円

という法外な条件で提示してきたのです。

さすがのテレビ朝日も白旗…

こんな条件ではさすがのテレビ朝日も契約更新することができませんでした。

結局、資金力のあったDAZN(ダ・ゾーン)が全放映権を獲得。

この時点で、最終予選の試合は地上波放送の芽が一旦すべて消え去ったのです。

ホームの試合が地上波放送されるのはテレ朝の意地!

それでも今回、ホームで行われる試合は地上波放送がされます。

これはテレビ朝日が意地とプライドでDAZNから放映権を買い、何とか放送に漕ぎつけた結果です。

テレ朝はDAZNと試合ごとにバラ売り契約を結んだとみられ、1試合3~5億円で放映権を獲得したと言われています。

もしこれがなければ、我々はDAZNに加入しない限りW杯最終予選の試合を一つも観ることができなかったわけですから、ここは素直にテレ朝に感謝すべきです。

なぜアウェー戦は契約しない?

どうせならアウェー戦も契約してくれよテレ朝さん、というところですが、そう簡単な話ではありません。

アウェーの試合は時差の関係で、キックオフが日本時間の深夜や早朝に設定されることがあります。

そうなるとCMスポンサーが集まらず、CM枠自体も高く売れないため3〜5億という巨額の放映権料をペイできないのです。

放映権料高騰が及ぼす影響と問題

放映権料の高騰は日本サッカーに限らず世界各国、また全てのスポーツにおいて問題視されています。

メジャースポーツが地上波放送されなくなる

人気のメジャースポーツはこれからもますます放映権料が高騰していくことが懸念されます。

それはもちろん関連する各機関で収益性が見込めるからなのですが、その放映権料が民放のテレビ局が獲得できない域にまで達してしまうと地上波では放送されなくなってしまいます。

今まで当たり前のようにテレビ放送されていたスポーツが、有料チャンネルなどしか視聴できなくなる可能性があるのです。

ひいてはスポーツ離れを招く?

テレビで手軽にスポーツ観戦ができないとなると、新たな競技人口の獲得や子供達の挑戦に多大な影響が出ることが予想されます。

今回の件で言えば、サッカー日本代表の活躍に魅了され「サッカーをやってみたい!」という子供達は今までよりも確実に減るでしょう。

今が儲かればそれでいい、というスタンスをそのスポーツの連盟や協会が取り続ける限り、放映権料の高騰は止まりません。

スポーツの未来を考えるなら、どうやってそのスポーツを身近な存在にしていくか…という考え方が必要になるのではないでしょうか。

サッカー日本代表戦がテレビ放送されないのは放映権料の高騰が理由!

日本代表戦が地上波テレビ放送されないのは放映権料の高騰が理由です。

その高騰ぶりは止まるところを知らず、このままではスポーツをテレビで気軽に楽しめない状況が生まれる可能性すらあります。

スポーツはビジネスである前に、人々にとって最も身近な娯楽の一つであり、日々の活力源であることを今一度考えてほしいところです。