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2022年発行

どうなる札幌ドーム…日ハム移転で消滅の危機!要望・提案を散々無視した天下り集団の哀れな末路

プロ野球・北海道日本ハムファイターズの本拠地である札幌ドームが消滅の危機に瀕しています。

野球をはじめサッカー、その他各種スポーツやアーティストによるライブ・公演など様々な目的で利用される巨大施設が消滅とは、穏やかな話ではありません。

この事態にネット上では

  • 札幌ドームどうなるの?
  • 日ハム居なくなったらヤバいだろ…
  • まあ出て行かれるのも当然だけどな

など色々な声が飛んでいます。

この記事では、なぜ札幌ドームが現在のような危機に瀕しているかを、日本ハムとの数々の軋轢とともに振り返っていこうと思います。

札幌ドームの危機に関する世間の声

先ほど挙げた通り、施設の行く末を案ずる声や、こうなるのも当然の結果だという声などの反応があるようです。

日ハムは怒って出て行く

今回、日本ハムが札幌ドームを出て行くのは完全に「怒り心頭」だからです。

日ハムは札幌市に隣接する北広島市に新球場を建設中。この球場は2023年3月にオープン予定ですが驚くべきはその総工費。

何と

約600億円!!

と言われています。

日本ハムはそこまでしてでも札幌ドームを出て行きたかったということなのです。

一体何があったというのでしょう。

札幌ドームと日ハムの軋轢の数々

日本ハムが異次元の費用をかけても札幌ドームを出て行きたかった背景には、両者の間に生じていた数々の軋轢があります。

ここからはその内容をご紹介していきます。

軋轢その①リース料+バカ高いその他費用

2004年から本拠地を札幌に移した日本ハムは、第三セクターである「札幌ドーム株式会社」からドームを「リース」していました。

そしてその年間リース代は9億円とされています。

この9億円という金額自体は、他に球場をリースしている球団と比べてバカ高いわけではありません。

巨人は東京ドームに年間30億円とも言われる使用料を払っていますし、ヤクルトも明治神宮野球場に10〜15億円を支払っているとされます。

しかし巨人もヤクルトも在京の人気球団。しっかりと年間総収入も見込まれるチームです。

元々さして人気のなかった日本ハムが、さらに拠点を移して手探りの中で支払う9億円とはワケが違うでしょう。

恐ろしいのはその他費用

そして恐ろしいのはこの年間リース代にプラスされるその他費用です。

中でも酷いのは、野球の試合以外のイベントで札幌ドームを使用するとき、日本ハムが設置しているトレーニング機器などの片付け費用を日ハム側に負担させていた点です。

札幌ドームの利用用途の実に47%、およそ半分が日ハムの試合であるにも関わらず、そんな「超上得意先」に対してあまりにも失礼な態度と言わざるを得ません。

札幌ドームが存在できているのは、間違いなく日本ハムがそこで試合をしてくれたからなのに…

施設のメンテナンスや管理費用と言っていい部分まで日ハムに背負わせるのはちょっと酷すぎますよね。

この他にもグッズ販売の収益なども合わせ、札幌ドームは日ハムから年間で20億円以上を吸い上げていたのです。

軋轢その②値下げ要求に対して「値上げ」

上記のような年間費用を毎年払わされてはたまらん!と、日本ハムは札幌市に対して使用料の値下げ要求をしています。そりゃ当然ですよね。

しかしこの要求に対し、札幌市は値下げどころか値上げを敢行するという暴挙に打って出ています。

まるで農民からの年貢量をひたすら吊り上げる悪徳大名のような非道っぷり。

日ハムかわいそう…

軋轢その③提案ガン無視!

使用料の値下げが無理なら…と、日ハムはコスト削減策として他球団でも実績のある、公共施設の運営を民間企業などに委託する『指定管理者制度』の採用を市側に提案していました。

『指定管理者制度』とは、簡単に言うと、施設の維持・管理に必要な公務員の数を減らすことでコストカットを実現する仕組みです。(詳しくは↓にて) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8C%87%E5%AE%9A%E7%AE%A1%E7%90%86%E8%80%85%E5%88%B6%E5%BA%A6

しかしこの日ハムからの提案も、札幌市はガン無視!

とにかく日ハムからの要望や提案を突っぱね続けていたのです。

軋轢その④アスリートファーストも無視

軋轢はまだまだあります。

札幌ドームはとにかく野球をする上であまりにも問題の多い環境でした。

最大の問題点はグラウンドそのもの。

コンクリートの上にロール巻にした人工芝を広げただけで地面が非常に堅く、選手が膝を痛める危険がとても高かったのです。

選手の中には

「(人工芝上で)膝からのスライディングなどは絶対にしない」

と話す人もいたとか。

その衝撃の画像は↓です。

え…マジですか?

これって近所のホームセンターに売ってるアレと同じじゃないですか?

当然、球団からは改善の要望が幾度となくありましたが、これも札幌市はガン無視。

アスリートファーストの概念なんてどこにも存在しないようです。

なぜ札幌ドームはこんなに対応が酷い?

ここまで来ると「なんでこんなに札幌ドームの対応は悪いのか」気になってきますよね。

しかしそれも致し方ないと言える理由があります。

札幌ドームは天下り先

第三セクター「札幌ドーム株式会社」は、市職員や幹部の大切な天下り先です。

要はそもそもが、スポーツ・イベント施設の運営を目的で作られた組織ではないのです。

そこに居るのはただただ

自分だけが甘い汁を吸えたらいい人達

ばかりで、日ハムの選手がどうなろうが怪我しようが「知ったこっちゃない」連中なのです。

アスリートファーストなんて、言葉すら知らないかもしれません。

日ハム及びその他利用者からいかにして金を吸い上げるか…それしか考えていなかったのです。

焦ってて超ダサい

そんな札幌ドームも、ようやく日本ハムの重要性に気付いたのか、出て行かれることが決まって焦りだしています。

サッカー・コンサドーレ札幌の試合数増加や、コンサート会場としての利便性向上など、いくつかの収益改善策を打ち出して何とか赤字転落を防ごうと必死です。

でもダサいですね。

散々日ハムの要求を無視しておいて、いざ出て行かれたら焦ってドタバタしだす。“札幌ドームを使えなくなって困るのは日ハム側”だと高を括っていた結果がこれです。

赤字補填は札幌市民の税金で?

では札幌ドームが赤字続きになったら消滅するのか?というと、そう単純な話ではありません。

あれだけの大規模施設、世界大会など国際的なスポーツイベント会場として必要となる場合や、企業の展示会やコンサート会場としての必要性などを考えると簡単に無くすわけにはいきません。

そうなると赤字状態のまま存続させる必要が生じその費用は札幌市民の税金から…なんてことになりかねません。

もし本当にそうなったらご愁傷様ですとしか言えません。

どうなる札幌ドーム…消滅は無いとしても厳しい現状は自業自得

危機に瀕している札幌ドーム、現状を招いた要因である日本ハムファイターズとの軋轢について掘り下げてきました。

改めて見てみると、現状の危機を招いたのは明らかに札幌ドーム側、そして札幌市側の自業自得であり、当然の結果と言わざるを得ません。

奇しくも日ハムは新庄監督の爆誕で今まで以上に注目が集まるチームになりました。

逃した魚は大きい…いや、大き過ぎたと今さら後悔しても、もう手遅れかもしれませんがね。