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2023年発行

楽天、球団売却の可能性は?深刻な経営難で不人気具合も加速…ABEMAイーグルス爆誕か

プロ野球、東北楽天ゴールデンイーグルスが売却されると話題になっています。

その理由はイーグルスの親会社である楽天グループの経営難。その規模はもはや異次元レベルであり、ガチで楽天は倒産するのでは?と言われるほど。

そんな状況にはさすがの野球ファンも心配の声を寄せており…

  • これはヤバい
  • 球団売却不可避
  • 人気も急落で負のスパイラルだな

などの声が挙がっています。

この記事では、楽天グループの惨状を元に、イーグルスが売却される可能性について掘り下げていきます。また、本当に売却されるとなった場合、一体チームはどうなってしまうのかという点にも触れていきたいと思います。

楽天イーグルス売却に関する世間の声

やはりけっこうな大ごとであるという認識が強いようです。中には「むしろ売却してくれ!」という声もあるようですが。

楽天グループの深刻な経営難

まずは球団売却の根本原因である楽天グループの経営難の状況に迫っていきます。

巨額赤字で資金繰りが火の車

楽天グループが2月に発表した2022年12月期連結決算は、最終利益が3,728億円の赤字。(ちなみに前期は1,338億円の赤字) 最終赤字は4期連続で、赤字額は00年の上場以来、最大の額となりました。

この巨額赤字の元凶は楽天モバイルに代表される携帯事業の不調。携帯事業の赤字額は実に4,928億円に上り、他の好調な通販事業や金融事業の利益を完全に食い潰した恰好です。

携帯事業の継続に必要な営業費用は四半期ごとにおよそ1,500億円程度とされており、これは携帯事業から撤退しない限り発生し続けることになります。さらに楽天は今後5年で1兆2,000億円を超える社債償還の問題も抱えており、とにかく「お金がない!」のが現在の楽天というわけです。

事業の切り売りで凌ぐ苦しい状況

絶不調の携帯事業をいきなり黒字化できるわけはなく、楽天・三木谷社長は5月12日に行われた決算説明会で、今後も子会社上場を含めた資産売却を続けることを示唆しました。

すでに楽天グループは楽天銀行の新規株式を公開(IPO)、さらに楽天証券ホールディングスもIPOの準備に入っているとされます。また、持分法適用会社の西友ホールディングスを売却し、5月末には公募増資にも踏み切りました。

要は自分達の体を切り売りして何とか凌いでいる状況であり、野球チームにお金を回す余裕など全くないというのは容易に想像がつきます。

親会社がここまで追い込まれているのであれば、球団売却という話が持ち上がるのもある意味当然と言えるのです。

ヴィッセル神戸は既に…

楽天が保有するプロスポーツ球団は他にサッカーJリーグのヴィッセル神戸がよく知られるところです。

このヴィッセル神戸、もちろんまだ売却されてはいませんが、チームに多大な影響が及ぶであろう出来事がありました。それが世界的プレーヤーであるイニエスタ選手の放出です。

過去にJリーグでプレーした外国人選手の中でもそのネームバリューは最高峰であり、彼の放出は今後のチームの成績や観客動員数などに大きく影響を及ぼすでしょう。

イニエスタ選手の年俸は契約時は33億円と言われており、その後は新型コロナによる影響で20億円程度にまで下がったとされましたが、それでも大きな金額であることに変わりありません。イニエスタ選手自身は日本やチームを非常に愛してくれており、退団は決して本人の意思だけではなかったはずです。これも楽天の余裕の無さを象徴する出来事ではないでしょうか。

今後はヴィッセル神戸自体の売却という可能性も十分にあり得ます。

イーグルスの人気低迷ぶりも深刻

ここで野球に話を戻しますが、東北楽天ゴールデンイーグルスと言えばどんな印象をお持ちでしょうか

野村克也、星野仙一という人気監督のもと、マー君こと田中将大投手の大活躍もあって2013年には日本一にも輝き、大震災で落ち込む東北の地に光を灯した人気球団というイメージではないかと思います。

しかし現在、イーグルスは12球団の中でもダントツの不人気球団であるというのが実情です。

唯一観客動員を減らした

↓は今年行われたセ・パ交流戦の1試合あたりの平均観客動員数です。

【セ・リーグ】

  • 巨人 4万42(18・7%)
  • ヤクルト 2万7469(28・2%)
  • DeNA 3万1496(42・9%)
  • 中日 3万925(35・2%)
  • 阪神 4万1976(20・9%)
  • 広島 2万8681(3・4%)

【パ・リーグ】

  • 日本ハム 2万6623(51・3%)
  • 楽天 1万5740(マイナス19・7%)
  • 西武 1万9254(2・6%)
  • ロッテ 2万3136(6・1%)
  • オリックス 2万5783(32・4%)
  • ソフトバンク 3万5445(5・8%)

ご覧の通り、12球団の中で唯一、観客動員数を減らしているのが楽天です。

何がヤバいって、まだコロナの影響でいろいろと規制や制限があった昨年よりも今年の方が少ないこと。ようやく何の気兼ねもなく野球観戦ができるようになったのに、一体どうやったら逆に動員数を減らせるのか…

一人の得票数に負ける

↓は7月19、20日に行われるプロ野球オールスター戦のパ・リーグの得票数です。

https://twitter.com/Lsbaseball1/status/1674158876219023361

楽天はつまり、全選手の得票数を合わせても柳田選手ら個人の得票数よりも少ないという事態になっています。

これを「不人気球団」と言わずして何と言うのか…。これでまだチームが強ければいいのですが、7月2日時点で29勝41敗、借金12の5位と低迷。

人気もないし、弱い

という救いようのない状況に陥っているのです。

ニワトリが先かタマゴが先か

楽天イーグルスの惨状は、親会社の楽天が不甲斐ないからこんなことになったのか、はたまたイーグルス自体が勝手に自滅していったのか… まあこれはどちらもあるのでしょうが、いずれにせよ楽天グループにとって現在のイーグルスは半分お荷物のような状態であると言っていいでしょう。

人気があって試合にも勝ってくれることで楽天のイメージアップや宣伝役になってくれるならまだしも、むしろ楽天全体の暗黒っぷりを見事に体現しており、完全に負のスパイラルの中にいます。

現状では、このチームを保有している意味がほとんど感じられません。やはり売却のウワサが現実味を帯びてくるのは自然の流れです。

売却先はどこ?

では、実際に売却するとなった場合その売却先はどこになるのでしょうか。

サイバーエージェントが最有力候補

楽天イーグルスの売却先として最有力なのはIT大手・サイバーエージェント社です。

サイバーエージェントは、もう随分前の話になりますがヤクルトスワローズを買収するというウワサが流れたこともあるように、以前から球界進出を模索しています。

↑実際に新聞の一面記事にもなった

三木谷氏との深い繋がり

また、サイバーエージェントの藤田晋社長と楽天の三木谷氏との間には、並々ならぬ深い関係性があります。

サイバー社は、株式を上場した翌年の2001年、村上世彰氏率いる投資ファンドに株を買い占められ会社を乗っ取られそうになったことがあります。その時、全株式の10%を敵対する陣営から10億円で買い取って乗っ取りを防いでくれたのが、他ならぬ三木谷氏なのです。

楽天が窮地に立たされている今、今度は自分が三木谷氏を救う番だと藤田氏が考えていても不思議はありません。

情報の海外流出も懸念

さらに、楽天が行う公募増資等により懸念されるのが情報の海外流出です。

数多くの事業を手掛ける楽天は、日本国民1億人分とも言われる個人情報を有しています。しかし今回の公募増資等で海外企業が多くの株式を保有することになれば、それらの情報が流出してしまうことにもなりかねません。

現に楽天グループは2021年に、モバイル基地局整備のため、中国IT大手「騰訊控股(テンセント)」の子会社から657億円の出資(全株式の3.65%)を受けたことがあります。

これは今後も楽天グループが事業の切り売りを続ける以上、常に抱えるリスクであり、事業の売却先はできる限り国内の企業にしたいというのは楽天のみならず日本政府の願いでもあります。(ちなみにプロ野球に限って言えば、野球協約により外国企業の株保有率は49%以下に定められており、日本のプロ野球チームのオーナーシップが完全に外資に渡ることはありません)

↑サイバーエージェント自体は「ウマ娘」の大ヒットで絶好調です

焼け石に水の声も…

しかしながら、球団を売却したところで焼け石に水だという声もあります。

その声の主は、かつて球団再編騒動で楽天とプロ野球新規参入を争った堀江貴文氏です。堀江氏は自身のYouTubeで楽天の球団売却に触れ

「サッカーと野球も大した値段にならないと思います。だって焼け石に水でしょう。せいぜい野球とサッカーを合わせて200億(円)とか。200億では1か月も持たないですよ」

と語り、球団売却の優先順位は低いと指摘。まあ堀江氏の楽天および三木谷氏への発言はかなり私怨というか個人的な感情が入っているのであまり参考にならない気もしますが…。

確かに売却額が堀江氏の言う通りだとすると、楽天の赤字額には遠く及びません。しかし楽天の経営難はさらに悪化していく可能性もあり、焼け石に水だろうがなんだろうがなりふり構っていられなくなるということは考えられます。

楽天、球団売却の可能性は思いのほか高い?

東北楽天ゴールデンイーグルスの球団売却について迫ってきました。

オーナーである楽天グループの経営難は相当なレベルであり、身を切る改革で資金調達を続けることを宣言している以上、球団売却の可能性は十分にあるということがお分かりいただけたと思います。球団の人気そのものも驚くほど低迷しており、今現在のイーグルスを保有している意味はあまりないように感じられます。

売却先の最有力候補は、三木谷氏との関係性からもサイバーエージェント社であり、そこには海外への個人情報流出を少しでも防ぎたいという思惑もあると考えられます。

もしサイバー社に売却となったら、球団名は「ABEMAイーグルス」がいいでしょう。

東北サイバーエージェントゴールデンイーグルス」ではあまりにも長すぎますし、「サイバーエージェントイーグルス」でも長い。

そもそも「東北楽天ゴールデンイーグルス」って長いですよね。大体、イーグルスなのに誰もイーグルスなんて呼んでない時点で、球団名のセンスがいいとはとても言えない…。 球団名を見直して再出発する意味でも、売却はアリなんじゃないでしょうか。