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2023年発行

170キロピッチャー、ベン・ジョイスは大谷の後輩!でもエンゼルスでは便所椅子?

大谷翔平選手が所属するエンゼルスに170キロピッチャーがいる!と話題になっています。

まだWBCの熱も冷めやらない中、メジャーリーグで大きな注目を集めている豪腕投手の名はベン・ジョイス選手。

昨年のドラフトで3巡目指名を受けた彼はまだ22歳の期待の若手。在学していたテネシー大で最速105.5マイル(約170キロ)を計測し、大リーグ公式サイトで「大学野球の新記録をつくった」と紹介され話題になったのです。

ネット上では

  • すごい速さ…
  • 人間の投げる球もここまで来たか

という称賛の声も挙がる中、

  • もしかして球が速いだけ?
  • まあ…エンゼルスのピッチャーだし…

など、あまり前向きではない評価もあるようです。

この記事では、未来のスターかはたまた球速だけのイロモノか…今後から目が離せないベン・ジョイス投手にあれこれ迫っていきます。

ベン・ジョイス投手に対する世間の声

Twitter上でも賛否いろいろある様子です。

ベン・ジョイス投手のプロフィール

まずはベン・ジョイス投手のプロフィールからご紹介していきます。

ベンジャミン・アラン・ジョイス(Benjamin Alan Joyce)

  • 国籍 アメリカ合衆国
  • 出身地 テネシー州ノックスビル
  • 生年月日 2000年9月17日(22歳)
  • 身長 195.6 cm
  • 体重 102.1 kg
  • 投球・打席 右投右打
  • ポジション 投手
  • 経歴 ファラガット高校 → ウォルターズ州立コミュニティカレッジ短期大学 → テネシー大学 → ロサンゼルス・エンゼルス(マイナー)

ベン・ジョイス投手の実際の投球

ベン・ジョイス投手は大学野球界でも大きな注目を集めていたことから、NCAA(全米大学体育協会)がYouTube公式アカウントで彼の剛速球を集めた動画を公開しています↓

この動画の中では残念ながら170キロの球速こそ計測していないものの、165キロ前後のストレートを連発しており、その豪腕ぶりは十分堪能できます。

エンゼルスの期待値も高い!

ベン・ジョイス投手はまだマイナー所属の選手ながら、エンゼルスから相当な期待をかけられていることは間違いありません。

その証拠に、今シーズン開幕前のスプリングトレーニングに招待選手として参加し、トップチームの選手達と一緒に汗を流しました。

選手層が厚く下部組織がいくつも存在するメジャーリーグのチームにおいて、入団間もない若手選手がトップチームのキャンプに参加するのは至難の業。将来を嘱望された選手にしかそのチャンスは与えられないのです。

審判もびっくり!

エンゼルスのフィル・ネビン監督は、ベン・ジョイスがオープン戦初登板を果たした際の、審判とのやり取りを明かしています。

「イニングの合間に審判から滅多に話しかけてくることはないが、(ジョイス投手の登板が終わった後に)主審が自分のところに来て、『何だ、あれは?』と声をかけてきたよ」

ちなみにその試合で主審を務めていたのは、メジャー審判歴23年を誇る大ベテラン。そんな審判をもってしても、ベン・ジョイスの速球は衝撃的だったのでしょう。

球を受けたキャッチャーは…

ベン・ジョイスの凄さは、彼の球を実際に受けたキャッチャーの発言からも分かります。

指が痺れるんだ」
「1年後には僕の手の神経はおかしくなっているかもしれない」

こう語るのは、大学時代にベン・ジョイスの女房役を務めたイバン・ラッセル捕手です。ベン・ジョイスのストレートの球威やインパクトを如実に表していますね。

↑メジャーの舞台での活躍も近い…?

球速だけなら「大谷超え」

ベン・ジョイスは、その球速だけなら世界一の野球選手・大谷翔平をも凌駕しています。

大谷選手の最速記録は、日本ハム時代に計測した165キロ。これはもちろん日本人最速なのですが、怪物がゴロゴロいるメジャーではトップ10にも入りません。

しかしベン・ジョイスが叩き出した105.5マイルは、メジャー記録であるアロルディス・チャップマンの105.1マイルをも上回っています。

球速だけならばベンジョイスは既に大谷選手を凌ぐどころか、メジャーでも最速ということになります。(まだメジャーの公式試合での登板はないですが)

ベン・ジョイスは便所椅子?不穏な評価も…

ベン・ジョイスがエンゼルス期待の若手であり、メジャーでもトップクラスの豪腕であることはお分かりいただけたと思いますが、実はそうそういい話ばかりではありません。

ベン・ジョイスにはあまり期待できないという声や、それを裏付けてしまう登板結果が残っているのです。

ノーヒッターから逆転負け

事件が起きたのは4月8日。

ベン・ジョイスが所属するエンゼルス傘下2Aロケットシティ・トラッシュパンダズが、レッズ傘下2Aチャタヌーガ・ルックアウツを迎えたダブルヘッダー第1試合でした。

この試合は先発コールマン・クロウ投手が6回を無安打無失点。トラッシュパンダズ3点リードで迎えた最終7回(コロナの影響でダブルヘッダーの試合は7回終了)、ベン・ジョイスがマウンドに。

しかしベン・ジョイスは2連続四球を出し、何とか1死を取った後の打者にも四球で満塁。

次の打者を三振に仕留めますが、6人目の打者に押し出しの四球を与えて1点を失います。

そして…

続く打者の打球で中堅手が走者一掃となるエラーを犯し、3-4と逆転を許してしまうのです。

↑センターの逆転タイムリーエラー…

悪夢は終わらない

ここでベン・ジョイスは降板。最後のエラーはベン・ジョイスの責任ではないですが、満塁の状況を作ったのは彼であり、あまりにも流れが悪すぎました。

しかし後を受け継いだエリク・トーレス投手がこれまた滅茶苦茶。3者連続死球で5点目、四球で6点目、ワイルドピッチで7点目を失います。(さらにこの後にもトーレスは1死球)

結果、トラッシュパンダズは7回を通じてヒット1本も許すことなく、最終7回に5四球、4死球、1失策と1暴投で7失点の逆転負け。

この一連の流れをまとめると↓のようになります。

◆ベン・ジョイス

四球→四球→セカンドフライ→四球→三振→四球→センターフライ落球(逆転)

エリク・トーレス

死球→死球→死球→四球→暴投→死球→三振

↑一つの回に4死球…藤浪晋太郎もびっくりです。

エンゼルスのヤバさが詰まっている

大谷選手やトラウト選手の存在で何となく誤魔化していますが、エンゼルスというチームはかなりヤバいチームです。

大谷選手が先発でどれだけ好投しても、中継ぎが打たれまくって最終的には負けている…そんなチームがエンゼルスなのです。

メジャーとマイナーの違いはあれど、ベン・ジョイスは図らずもそのヤバさを自ら体現してしまったのでした。

このままでは「便所椅子」…?

170キロの豪速球を持ちながらも、評判がビミョーなことになっているベン・ジョイス。

皮肉なことに、彼の登録名は日本語で「便所椅子」と変換できてしまい、上に挙げた試合の情けなさから、便所椅子がニックネームになってしまいそうなのです。ベン・ジョイスの「ベン」は、彼のファーストネーム「ベンジャミン」から来る愛称なのですが…

それはさておき、このままの実力ではメジャーでの活躍が厳しそうなのは確実です。

「球が速い」というのは大きな魅力ですし、スター投手の代名詞にもなり得る大きな武器です。その才能が埋もれてしまうことのないよう、力を磨いていってほしいと思います。

↑素質とスター性は申し分なし!エンゼルスがちゃんと育てられるか…

170キロ投手、ベン・ジョイスは荒削りながら魅力たっぷり!便所椅子の汚名返上を!

エンゼルスで大谷選手の後輩、170キロの豪速球が話題のベン・ジョイス投手に迫ってきました。

彼のストレートは既にメジャーでもトップクラス、というか世界最速。大投手になる可能性は十分に秘めています。

しかし2Aの試合で世紀の大珍事を巻き起こすなど、その実力はまだまだこれから。

荒削りながらも魅力たっぷりのベン・ジョイス投手には今後も大いに注目です。