前編ではランドセルを選ぶ基準についてお話ししましたが後編ではそもそもランドセルってどっから来たの?って部分から見ていきましょう。
前編はこちら↓
ランドセルを選ぶ基準は?その歴史や海外での注目度なども深掘りしてみる ~前編~【WEB限定】21.4.27
ランドセルの歴史
ランドセルの歴史はなんと江戸時代にまで遡ります。幕末に輸入され、軍隊で活用されるようになったものがその始まりとされています。
ですからランドセルはもともと軍事用で、兵士が持ち物を中に入れ、背中に背負って移動するためのものだったのです。今でもランドセルの横についているフック(給食袋ぶら下げてたあそこ)は、そもそも手榴弾をぶら下げるためのものでした。
明治10年ごろ、開校したばかりの学習院では制服が採用され服装については統一されていましたが、通学形態に関しては馬車で通ったり使用人が荷物を持って運んだり様々でした。
しかしその状況について学習院は「学校では皆平等、家庭環境を教育の場に持ち込むのはいけない」とし、学用品は自分たちの手で持ってくるようにという決まりを設けました。
そこで注目されたのが背中に背負えて両手をあけることができ、持ち運びの利便性に優れた軍事用ランドセルだったのです。
これが当時オランダ語で「ランセル」と呼ばれていたことから、今の「ランドセル」という言葉になったと言われています。
ランドセルの価格、その変遷
ランドセルの1日の使用量って計算したことありますか?
小学生が1年間に200日登校するとして6年間で1,200日。これを例えば40,000円のランドセルだったとして40000÷1200=33.33333・・・・・・
つまり1日あたり約34円程度の使用量ということになります。そう考えるとお値打ちですね。
でも当然、最初からランドセルがこんなに高額だったわけはありません。その価格の遷移を見てみましょう。
- 大正3年ごろ 1円50銭
- 昭和4年ごろ 3円
- 昭和20年ごろ 13円
- 昭和26年ごろ 2,000円
- 昭和44年ごろ 5,000円
- 昭和50年ごろ 10,000円
- 昭和59年ごろ 22,000円
- 平成元年ごろ 28,000円
- 平成10年ごろ 35,000円
- 平成25年ごろ 39,600円
物価の違いがあるので単純比較はできませんが、右肩上がりで高額になっていったことだけはお分かりいただけると思います。
あなたが買ってもらった頃はおいくらぐらいだったでしょうか?
海外で人気
日本では通学用のカバンとして誰でも知っているランドセルですが、世界中を見渡しても似たような背負う形の通学カバンは多くありません。
ランドセルは日本独自の文化と言えるでしょう。
そのせいか、海外では20代から30代の若い男女に人気があるそうです。人気のきっかけとなったのはアメリカの女優ズーイ・デシャネルさんが身につけたことだったといいます。
彼女は赤いランドセルを愛用し、見事にオシャレアイテムとして機能させています。日本ではどうしても子どものイメージが先行してしまうランドセルですが、丈夫で長持ち、さらに背負う形なので両手も使える、買い物などにはもってこいのアイテムと言えます。
現在は特にフランスでの人気が高いそうです。芸術の国フランスで受け入れられているということは驚きとともに少々鼻が高くなります。
これには海外で大人気の日本のアニメ文化も影響しています登場キャラクターが当たり前のようにランドセルを背負ったりしているので、向こうの人は「なんじゃこれは!」と興味を引かれたようです。
ただやはり日本で大人が背負うと・・・
人目が気にならない方は「これが海外の流行の最先端だぜ」と胸を張って是非どうぞ。
その他、ランドセルの活躍場所
我々の世代にしかピンと来ないかもしれませんが・・・
機動戦士ガンダムが背中につけてビームサーベルを格納している部分を「ランドセル」と言います。「バックパック」という呼称もあるためどちらが正解というわけでもないんですが。
これもやはり「ランドセル」と言うと子どもの通学カバンを連想してしまうため、俺の愛するモビルスーツがそんなガキっぽい名称のものを背負うなんて考えられないぜ、という熱いマニアの方がバックパック派です。
ただ「バックパック」なんてありきたりな名前は全然面白くない。先ほど申した通りランドセルは日本独自の文化です。
であるならば、これまた日本で誕生し、世界にも受け入れられた名作アニメ「ガンダム」の装備として「ランドセル」と称するほうがしっくり来ると思います。
はい、ガンダムの話は完全に蛇足でした。
まとめ
ということで
・ランドセルはもともと「軍事用」だった
・学生たちの平等のため、ランドセルが通学カバンとされた
・ランドセルは海外でも日本独自の文化として人気
・(ガンダムが背中に背負っているのはランドセル)←どうせ蛇足なので( )にしときましたよ!
私たちみんなが背負って大人へと羽ばたいていったランドセル、これからもその中には明るい未来がいっぱい詰まっているといいですね。