見たい、聞きたい、話したい…
ここにはそれがある。
あした使えるはなしのたね
2021年発行

「音大生の苦悩」のはなし。2021.04.01

「音大生」と聞いてどんなイメージが湧くでしょうか。

一般的なイメージは、音楽の才能溢れるエリートで、家はお金持ちのおぼっちゃまかお嬢様、卒業後は音楽家や演奏家、ミュージシャンとして活躍して人々を感動させる、そんな感じではないかと思います。

ところがこの音大、実はとんでもない数の「ニート養成所である」というのが今回のお話。

そんなアホな、と思うでしょう。音楽を専門にして演奏や歌唱を極めている音大生が音楽の道で生きていけないわけがないと。―――しかし現実は残酷です。

何故なら音楽の世界は完全なる実力主義だからです。楽器の演奏がちょっとできる、程度では話になりません。例えばプロのオーケストラは1万人に1人の天才以外は用無しの世界です。

選ばれし者だけが人並み外れた努力の末にようやくそのチャンスに手をかけることが許される。つまり「音大に通っている」だけでは歯牙にもかからないレベルなのです。

◯◯交響楽団、とか何とかフィルハーモニーとか、そういうところの新規採用は全楽団を合わせても毎年10名程度。そこに全国の英才教育を受けた超エリート達が殺到します。凡人では確実に無理です。

じゃあ個人の音楽家になれば…となるかもしれませんが、一体世の中にお金を払ってまでその人の演奏を聞きたいと思える音楽家が何人いるでしょう?そもそもの需要がないのです。では人に教える側はどうか?

音楽の教師ならその知識や技術を有効活用することができる…というのもまた幻想です。

学校で音楽の成績がどれだけ重要視されるか…これは言わずもがなです。音楽の成績が悪いからと言って実際には何も困ることはありません。むしろ音楽の成績なんて無視して5教科の成績を上げろ!となるでしょう。

音楽教師になって頑張ろうと思っても、教える相手は音楽に興味などない学生ばかり…。しかも音楽教師になるだけなら音大など行く必要がそもそもありません。自らの経歴を無駄にしてしまうことになります。

ならば音楽系の企業はどうでしょう。ヤマハ辺りの大手一流企業は、音大に限らず難関大学でも普通に落とされます。楽器メーカーの仕事のほとんどは営業、事務、製造、であり音大生であるメリットがほとんどありません。企業側も音楽しかやってきてない世間知らずの人間より、一般的な経験を積んだ人間の方をより重要視するでしょう。一般企業に就職するには、音大卒という経歴はあまりに特殊すぎるのです。

家が大金持ちならば就職にあぶれても海外に留学したり大学院に行くなどして努力を続けたりできるかもしれません。しかしどれだけ勉強を続けたところで、手に職をつけなければそれは自立することから逃げているだけです。結果「自分は音楽が好きだから、音楽で食べていけるようになるまで頑張る」という実質ニートを、音大は大量に生産してしまうことになるのです。

最近の音大は「就職活動に力を入れている」ことをウリにしています。これは裏を返せば就職先がないから就職活動に力を入れているということです。しかも音大はどんなに学力の低い人間を入れても大学レベルに影響がありません。普通の大学はバ◯を大量に入れると大学レベルが下がりますが音大は関係なし。

よって学生の取り合いをしまくり、底辺の音大だと100人受けて1人しか落ちない、みたいなことがザラにあります。そうやって何の才能もない人間が音大に入った結果どうなるか…もしも身近に音大を志望している人がいたら、よ~~~~~~く考えるように伝えてあげてください。(N)