サッカー女子ワールドカップのテレビ放送が全然決まりません。
オーストラリアとニュージーランドで行われる女子ワールドカップは7月20日の開幕まで2か月を切っているにも関わらず、未だにテレビ放映権の買い手が現れていない状況です。
なでしこジャパンこと日本代表が優勝したこともある世界最高の大会でこんな事態になるのは意外と思いきや、ネット上では
- 残当
- これは仕方ないんじゃない?
- 買うわけねーだろ
など、今の状況も当然だとの声もあります。
この記事では、ワールドカップにも関わらずテレビ放送が危機に陥っている現状がなぜ当然と言われるのか…女子サッカー界の背景に迫っていきたいと思います。
もくじ
女子W杯テレビ放送に関する世間の声

これで女子サッカーは衰退するね
— BB_8 (@BB_8_UNIVERSAL) March 10, 2023
誰が 男子と同じ入場料や放映権料を支払うのかね?😰
皆さん概ね買い手が現れないのも当然と受け止めているようで…
現状の整理

それではまず女子W杯のテレビ放送に関する現状を整理しておきます。
FIFAが怒っている
2011年、サッカー女子日本代表がワールドカップで優勝したことを覚えている方も多いでしょう。なでしこジャパンはその次の大会でも準優勝し、その実力が世界トップクラスであることを証明しています。
それなのに今こんな状況になっていることに対し、FIFAはかなり不満を募らせているようです。
FIFA最高経営責任者のロミー・ガイ氏は次のように話しています。
「日本は女子サッカー界における優秀さの代名詞となっている。なのに大会開幕まであと2か月を切ったが、日本に現在、放映する局がないというのが私を悲しませる理由だ」
女子サッカー界における日本の存在を認めているからこそ、放映権の買い手が現れない状況に納得がいかない様子です。
同じくFIFAのインファンティーノ会長も
「公共放送は女性のスポーツを促進し、投資する義務がある。
これは女子W杯の偉大な選手たちや、世界中の全ての女性への平手打ちだ」
と怒りをあらわにしています。
放映権はおいくらなの?
では肝心の放映権料はおいくら万円なのでしょうか。
FIFAが提示している提示額は
1億5000万ドル(約210億円)
とされています。
え…?
ですよね。
そりゃ売れねーだろ…と思う方も多いでしょう。はっきり言って高すぎです。
今までは男子とセット売りだった
サッカーW杯の放映権はこれまで、男子と女子がセットで販売されていました。
しかしFIFAは2021年、男子と女子のW杯の放映権を切り離しており、女子W杯単独で放映権販売が行われるのは今回が初めてなのです。
そもそも女子の放映権は言い方は悪いですが「オマケ」であり、そのオマケに210億円払えと言われても…、ねぇ?

なぜ切り離した?
ではFIFAはなぜ男子と女子の放映権販売を切り離したのか…それは女子W杯の賞金の大幅増にあります。
FIFAは3月、女子W杯の賞金を1億1000万ドル(約153億円)に増額すると発表。2027年大会には男子と同水準にする目標も掲げました。(ちなみに2022年のW杯カタール大会は賞金総額が4億4000万ドル)
このとんでもない大幅増を賄うためには、テレビ放映権を男子とセット売りになんてしてられない!ということなのです。
放送局側からの提示額は…
FIFAのお財布事情は分かりましたが、実際に放映権を購入する放送局側はどの程度なら買うと言っているのか?
ヨーロッパの放送局が提示した額は
100万ドル~1000万ドル
とされています。
とてもじゃないですが差があり過ぎです。しかし放送局側は、女子のW杯の価値はこの程度だと思っているということです。FIFAの感覚とは大きく乖離していることが分かります。
FIFAは今後の女子サッカー発展のために賞金を爆上げして大会を盛り上げたい、しかし試合を放送する側はそもそも大会自体にまったく魅力を感じていない…というのが現在の状況なのです。
残念でもないし当然?

女子サッカー選手にとってワールドカップの舞台は当然夢の舞台であり、それがテレビ放送されないというのは気の毒には思います。
しかし現状を見る限り、バカ高い放映権料を払ってまでテレビ放送したいという局が現れないのも致し方なしと言えます。
目を覆いたくなるほどの低レベル
もちろんワールドカップは女子サッカー界におけるトップレベルのプレーヤー達の大会です。最も高いレベルで最も質の高いプレーが見られます。
しかしながら、それはあくまで女子サッカーでの話。
例えば女子サッカー日本代表・なでしこジャパンが今、どんなレベルかと言うと…
男子高校生を相手に0ー12…
ちょっと洒落にならないことになっています。いや、なっているというか、そもそも女子のサッカーというのはずっとこの程度のレベルなのです。
ワールドカップ優勝国の代表でも下手したら男子中学生より弱いかもしれない…そんなレベルの試合に210億円払いますか?という話。
いくら日本代表でも、男子のトップクラスと比較するとあまりにも差は大きく、それはもう差別とかそういう話ではないのです。
身の程知らずな言動
そんな低レベルの状況でありながら、女子サッカー選手の身の程知らずな言動が目立ってしまっています。
2020年、女子サッカー米国代表チームの選手たちが男女の給料格差を訴えて、アメリカサッカー連盟を相手取って性差別訴訟を起こしました。
これは、アメリカの女子サッカーチームはこれまでにワールドカップで4回の優勝を達成しているのに、優勝回数0回の男子サッカーチームより給与やボーナス、トレーニングなどにおいて男子より冷遇されているとしての訴訟でした。
また、こうした流れに拍車をかけるように、国連の女性機関が「女性サッカー選手はメッシと同一労働しているのに同一賃金じゃない!スポンサー企業は協力しろ!」などと提議。
正直これは
ちょっと何言ってるか分からない
です。興行として客を呼べていないのに給料だけはたくさん払え!というのは論理破綻もいいところ。
世界一のプレーヤーであるメッシと同一労働って…どういう思考回路を辿ったらそうなるのか、本当に分かりません。
でもお金払っちゃう…?
この訴訟、結果は何とアメリカサッカー連盟が折れ、賃金の統一に関して合意してしまったのです。
そしてその流れを汲んでW杯の賞金も大幅に増額…
これを「男女の格差がなくなって良かった」と言うのは簡単です。これから女子サッカーを始める子ども達にとっても朗報だというのも簡単です。
しかし、先ほども言った通り興行として成立していないスポーツの選手達に払う給料は、一体どこが出すというのでしょう?
このままでは終わる
爆増した選手達へのサラリーは、一時的には連盟やスポンサーが払うのかもしれません。しかしそれは恒久的なものにはならないはずです。何度も言う通り、興行として成立していないからです。
そのスポーツを観たい!と思うお客さんがたくさん居て、観客が集まって収益が上がって、そこで初めて選手達に多くの給料が支払われるのです。
この基本原理に則っていないルールや決定は、すぐに綻びを見せ立ち行かなくなります。W杯の放映権に買い手が現れない時点で既にその兆候は見えています。
傲慢な女子サッカー選手達の言動に嫌気が差し、応援する気をなくしたスポンサーもいるでしょう。スポンサーがいなければ、協会や連盟を運営することすら不可能になります。そうなったら「プロの女子サッカー選手」は存在することすらできません。
安易に金銭を求めることは、むしろサッカー少女達の夢を摘み取ってしまっていることに早く気付くべきです。
こういうのは順序が逆です。待遇改善から求めるのではなく、どうやったら観客を呼べるようになるのか、どうやったらレベルの高い試合を見せることができるようになるのか…
それを考えて実践することが先決でしょう。

男子と同じ条件をまず見直すべき!
なぜ女子サッカーが盛り上がらないか…
意外と理由は単純です。
男子と同じコートを使用して男子と同じルールで試合をしているから
です。スピードもパワーも男子より劣るのに、広いピッチで同じ条件で試合をしたって醍醐味であるダイナミックさがなくなるだけでいい事は一つもありません。
テニスやバレーも同じだろ!と言う方もいるかと思いますが、フィールドの広さが全然違いますからね。プレーするエリアが広ければ広いほどモタモタ感やモッサリ感が目立つのです。
同じことは女子野球にも言えます。その証拠に、野球よりフィールドの狭いソフトボールは男子よりむしろ女子の方が人気です。女子野球はもはや風前の灯です…
コートを狭くし、8人ぐらいでプレーするようにして、普通のサッカーとフットサルのちょうど中間ぐらいの感覚で試合をしたら、随分と印象が変わると思います。
サッカー女子W杯のテレビ放送いらない!このままでは女子サッカーの未来が危ない!
大会の2ヶ月前になってもテレビ放送が決まらないサッカー女子W杯の背景に迫ってきました。
世界大会であるにも関わらずこの状況は憂うべき事態であり、そんな事態を招いたのは根本的な女子サッカーのレベルの低さと、それに見合わぬ傲慢な言動にあるということがお分かりいただけたと思います。
このままでは限界を迎えるであろう女子サッカー界、抜本的な改革が求められているのではないでしょうか。