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NewPost 2021年発行

なでしこジャパンが弱い…原因は?前監督の発言から掘り下げる女子チーム特有の問題とは

東京五輪・女子サッカー日本代表は7月30日、決勝トーナメント1回戦でスウェーデン代表に1-3で敗れベスト8に終わりました。

2011年のFIFA女子ワールドカップでは優勝、2012年ロンドンオリンピックでは銀メダルと、世界一、ニを争うレベルだったはずの「なでしこジャパン」。

今回のオリンピックではその頃の強さや勢いを、全く感じさせないまま姿を消してしまいました。

その原因は監督の采配やストライカー不足などと言われていますが、果たしてそのような戦術や選手の特徴だけの問題だけなのか…。

この記事では、なでしこを率いて数々の栄光を手にした前監督・佐々木則夫氏の発言から、女子チームならではの弱体化の原因に迫ってみようと思います。

オリンピック前、既に始まっていた凋落

なでしこジャパンが弱体化したのはここ最近のことなのでしょうか。

2015年以降の国際大会の成績

2011、2012年と輝かしい成績を残したのは先述の通りですが、それ以降は期待に添うものではありません。

2015年のFIFA女子ワールドカップこそ、それまでの貯金で準優勝を収めますが、翌2016年のリオオリンピックでは屈辱の“予選敗退”に終わっています。

2019年のワールドカップは予選リーグを1勝1敗1分で勝ち抜けるのが精一杯。決勝トーナメント1回戦であっさり敗れ去っています。

戦術やメンバー選考など単純な理由ではない?

なでしこジャパンが不甲斐ない結果に終わったのは今回の東京オリンピックに限った話ではありませんでした。

既に何年も前から弱体化の兆候は現れており、戦術やメンバー選考といった瞬間的な対応では何ともならなかった可能性があります。

佐々木則夫前監督の発言から原因を探る

それでは佐々木則夫前監督のこれまでの発言やインタビューなどから、なでしこジャパン弱体化の原因を探っていきます。

パスをくれない選手がいる

キャンプに行ったとき(ある選手が)元気がないんですよ。それで「お前何ベソかいてるんだよ?」って聞いたら、「日テレ・ベレーザの選手、私にパスくれへん」って。

決して広いとは言えない女子プロサッカーの世界。日テレベレーザやTASAKIペルーレ(現在は休部)など、限られたチームから代表選手が多く選ばれていました。

そうなると、それ以外のチームの選手は萎縮し、過剰な疎外感にさらされます。

現在のなでしこジャパンもこの選考チームの偏りはあまり変わっておらず、もしかすると本当に女性特有の”複雑な人間関係”があるのかもしれません。

佐々木前監督はハッキリこう語っています。

みんな表面ではうまく付き合ってるんだけど、何かそういうところがあるなってわかりましたね。

「あの人が選ばれていない」と不満が出る

山郷のぞみをメンバー外にしたときも分かれ目でしたね。山郷はベテランで、チームの精神的主柱の1人でした。彼女を選ばなかったとき、私の後ろで他の選手たちが泣いてましたね。

合宿で集合したら暗い選手がいたんで、「元気ないね、体調悪いのか?」って聞いたら、「誰々ちゃんを呼んでくれてないから今回私ちょっと元気ないんです」と言う選手がいて、「ふざけんなよ!」って。

誰をメンバーに選ぶかは監督が決めることです。選手は与えられた環境で頑張るしかありません。

誰々がいないからやる気がない…って、中学の部活動じゃないんだから。

やはりどこかストイックになり切れない部分が女子チームにはあるのではないかと不安が募るエピソードです。

BLM運動へのパフォーマンス

ピッチに片膝をついて人種差別への抗議の意思を表すBLM(ブラック・ライブズ・マター)のパフォーマンス。

なでしこジャパンもこれを行っていましたが…

途中から始めた

なでしこジャパンがこのパフォーマンスを始めたのは第2戦の英国戦。つまり最初からは実施しておらず、途中から始めたことになります。

これについてはなでしこジャパン・熊谷主将が

試合前に英国側から「第2戦でもやる」と聞き、日本チーム全員で話し合った末に行動を起こすことを決めた

と話しています。

流行りに乗っかっただけ?

人種差別は許されることではないですが、それに対して抗議することは誰かに強制されたりその場の雰囲気ですることではありません。

なでしこのこのパフォーマンスについてはTwitter上でも非常に辛辣な意見が多くありました。

気の毒ですが結果を残していない以上、”ただ何となく、流行っているからやった”という女性特有のミーハーな気持ちがあったのではないかと勘繰られても仕方ないと言えます。

試合前の心構えについて佐々木前監督は・・・

試合に臨む前、どのような心構えを持つべきかについて佐々木前監督はこう話しています。

「こういうことをすれば勝てるんだ、と感じれば、人間ってやるわけです。我々の時は、試合の前の最後の仕上げはスライディングだった。ベンチに戻ると、もうサッカーパンツの脇が汚れていた。」

試合に勝つために・・・その観点から見たとき、BLM運動のパフォーマンスはやるべきことだったのでしょうか。

もし佐々木氏が監督であったなら、このパフォーマンスもさせなかった気がしてなりません。もっと他にやるべきことがあったはずだからです。

まとめ

なでしこジャパン弱体化の原因を、佐々木則夫前監督の発言などから掘り下げてみました。

もちろん佐々木氏の発言は当時のものであり、今とは環境もメンバーも違います。

ただ絶対的に変わらないのは「女子チームである」という根本です。男子チームとはまた違った弱点や留意点があるのは今も昔も同じでしょう。

そうした問題に佐々木前監督がどのような対応をしていたかは分かりませんが、女子チームであるがゆえに抱える問題に対して何らかの対策が取られていたのか…疑問が残るところではあります。

一度は世界を極めたなでしこジャパン。復権のときを待ちたいと思います。