ワクチンの大規模接種が始まったとは言え、まだまだ収束の目処が立たない新型コロナウイスル。
そのあおりを受ける業界も季節ごとに様々で、夏を目前に控えたこの時期、各地の海水浴場が今年の設置をどのようにするか、議論が始まっています。
それに伴い、海の家の営業や在り方についても協議がされています。
この記事では、
- 海の家はだれが営業しているの?
- 海の家の営業権ってどうなっているの?
- お酒の提供はOKなの?
- なぜお酒を売らなければいけないの?
といった疑問について解説していこうと思います。
もくじ
海の家の存在
「海の家」は海水浴客に欠かせない存在の一つです。
海水浴客に、更衣室や休憩場所、シャワーといった設備の提供、また浮き輪やパラソルなどのレンタルや販売、駐車場の提供などを主に行っている施設です。
利用料として、1日1人当たり500~2,000円程度が目安。もちろん飲食のみの利用も可能な場合が多いです。
どんな人が営業している?
ご想像の通り、海水浴シーズンのみの営業となるケースが多く海の家だけで生計を立てるのは困難です。
そのためその営業は地元の民宿や、夜間営業がメインの飲食店などが兼業しているパターンが多いです。
営業権はどうなっている?
海の家を始めようと思ったら、それぞれの海水浴場ごとに存在する組合に加入し、営業権を取得しなければいけません。
ところがこの営業権の取得は新規ではなかなか難しく、退会する業者が出た場合にようやく権利を得ることができるというパターンがほとんどです。
しかも、基本的に国有地である海岸や砂浜を占有するには市町村の許可も必要ですが、これも新規でとなると許可が下りないこともあります。
こうした厳しいルールがある一方、従来の業者に対しては海岸の占有が「慣例」という形で黙認されてきたこともあり、法的根拠のない占有トラブルが発生したケースもあります。
つまり海の家の営業権自体が既得権益であり、新規参入という形は非常に難しいということが言えます。
お酒の提供について
海の家では当たり前のようにアルコール類の提供がされています。
真夏の照り付ける太陽の下、キンキンに冷えたビールが喉を潤し、体に染み込んでいくあの感覚は何物にも代えがたい快感だという方も多いことでしょう。
ですが公共の場である海水浴場での酒類の販売はそもそもOKなのでしょうか?
手続きは必要だが・・・
飲食物の提供は、その地域を管轄する保健所に申請を行えば問題ありません。
酒類の提供に関しては、お酒をメインとした店舗で深夜0時から日の出までの間にそれを提供する場合のみ「深夜における酒類提供飲食店営業開始の届出」というものを管轄する警察署に提出する必要があります。
が、真っ昼間に営業をする海の家はそのような申請も必要なく、他の飲食物とまったく同じルール内でお酒の提供が可能です。(食品衛生責任者の存在は必要)
海の家での酒類の提供は、法的にも何の問題もないことになります。
酔っ払った海水浴客
酔った海水浴客が大声で騒いだりケンカをしたり、飲酒運転して帰ったりはたまたそのまま泳いで溺れたり・・・酔っ払いの存在が問題になるのはいつの時代も同じです。
ところが一向に海の家は、海水浴客への酒類の提供をやめません。
BBQの後片付けもロクにせず、ゴミも放置しまくり・・・砂浜の清掃活動なども行う海の家から見ても、どう考えても困った話のはずです。
海の家で最も儲かる商品は・・・
これが結局「お酒」なのです。
ある海の家の経営者は
「酒が提供できないとなった時点で絶対赤字になる。食べ物だけで採算はとれない」
と話しており、今回の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置で酒類の提供が禁止になれば、海の家を営業する意味がなくなってしまうというのです。
仕組みに問題アリ?
酒類を売らないと儲からない、という仕組みそのものにも問題があります。
海の家の営業権にはいろいろと黒いウワサが絶えません。場所によっては法外な権利代が発生しているケースもあると言います。
先述の通り海岸や砂浜は「国有地」です。
にも関わらず、その占有に関しては自治体の行政どころか各地の「組合」が管理している。その時点でキナ臭い何かがあるのは明白です。
まとめ
海水浴客にとって「海の家」は必要不可欠でしょう
ですが海水浴場は公共的な側面の方が強い。そこで必要なものが営利目的で有料化されているということ自体、少々違和感を覚えます。
海水浴と森林浴、自然を楽しむという意味で何が違うのでしょうか。森林浴ができるような自然公園のトイレや休憩施設が有料ですか?
少し考えれば「海の家」が異常であることが分かると思います。
この夏、海水浴場がどのような形で設置されるかは分かりませんが、利用客の満足や感染防止という観点が最優先されることを願います。