東京五輪に出場する野球日本代表「侍ジャパン」に破格の報奨金が用意されることが分かり、波紋を呼んでいます。
日本オリンピック委員会(JOC)の報奨金とは別に、金メダル獲得で1人500万円を全選手と首脳陣に支給するとのこと。
侍ジャパンの代表は24選手、首脳陣は6人で、金メダルの報奨金は総額1億5000万円に上ります。
そして気になるその報奨金は「NPBエンタープライズ」という企業が用意すると発表されています。
この記事では
- NPBエンタープライズってどんな会社?
- どんな事業をしているの?
- 社長は誰?
といった疑問にお答えしていこうと思います。
会社概要
NPBエンタープライズの会社概要です。
社 名:株式会社NPBエンタープライズ
所在地:東京都港区芝五丁目36番7号
設 立:2014年11月7日
資本金:4,500万円
代表取締役:西原 研志
事業内容
報道では“侍ジャパン事業を手がける”と、かなりざっくりした表現になっていますが、ホームページでは下記の9つを「事業の目的」としています。
- 野球の国際試合に出場する日本代表チーム(以下、「野球日本代表」という)に 関する興行の企画、実施
- 野球日本代表に関するイベントの企画、実施
- 野球日本代表に関するプロモーション戦略の立案及び実施
- 野球日本代表に関するスポンサー契約の締結
- 前号に伴い権利者が許可した商標、著作権、名称、及びその他の権利の使用権のスポンサーに対する許諾
- 野球日本代表に関するウェブサイトの企画、制作、運営及び保守
- 野球日本代表に関する知的財産(著作権、商標化権)の実施、利用、許諾、維持及び管理
- 前各号に関連する物品の販売
- 前各号に附帯または関連する一切の業務
社名には“NPB”とありますが、プロ野球全般ではなく「野球日本代表」のマネジメントに特化した企業のようです。
NPBとプロ野球全球団が共同出資
NPBエンタープライズはNPB(日本野球機構)と、同機構に参加するプロ野球全12球団が共同で出資して設立されています。
金額は、日本野球機構から3000万円、プロ野球12球団からは500万円が出資されているようです。
税金が使われるわけではない
今回、オリンピック競技の結果に対する報奨金ということで「そのお金は税金から支払われているんじゃないか」という批判の声が聞こえていますが、そういうわけではありません。
あくまで一企業(とはいえ思い切り関連企業ですが)が出すお金ということになります。
社長の西原研志氏とは・・・
NPBエンタープライズの社長になっている西原研志とはどんな人物なのでしょう。
プロフィールを見ると、
熊本県出身で早大法学部を卒業。94年4月に読売新聞社に入社し事業局。
13年11月に日本野球機構出向、14年11月にNPBエンタープライズ出向。
16年6月読売新聞東京本社事業局スポーツ事業部次長、19年12月に同事業局野球事業部次長兼事業企画部、20年4月にNPBエンタープライズ出向(専務執行役員)。これまでワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、日米野球をはじめとする各世代の国際大会の開催や、14年11月のNPBエンタープライズの設立に携わった。
とあります。
「読売新聞社」出身ということで、多くを語らずとも察する部分があるかと思います。
会社としての方針や展開、今回の報奨金の決定なども含めて、野球界の傀儡子(くぐつ)と言ってしまっていいかもしれません。
まとめ
侍ジャパンへの報奨金を出すという「NPBエンタープライズ」について解説してきました。
侍ジャパンの関連事業のほぼすべてを担っているということで、今回の報奨金に関してもおそらくは“出来レース”なのでしょう。
ただ、野球は今回の東京五輪を最後に正式種目から外されるので、自国開催である今回ぐらいは派手に盛り上げてやろうという意気込みだけは感じます。
とにかく、我々が納めた税金が使われているわけではないということが分かっただけでも良かったのではないでしょうか。