サッカー日本代表の森保一監督が叩かれまくっています。
ファンはもちろん評論家や元選手といった関係者までがこぞって彼を叩くという、ある種の異常事態となっています。
しかしコロナ禍で何かと弊害が多い中ここまでチームを率い、苦戦しながらも何だかんだでワールドカップ出場にも王手。
最低限の結果は出していると言ってもいいのに、ひたすら飛び交う解任論には
- さすがにかわいそう…
- 勝っても負けても結局批判は酷い
- 何だかんだハリルより結果出してるだろ
など、擁護の声もネットを中心に上がっています。
この記事では、森保監督が叩かれることの多い点について「そこまで言うほど酷くないんじゃないか」という目線で掘り下げていこうと思います。
もくじ
森保監督を擁護する声
このように森保監督を擁護する声はたくさん上がっています。
擁護する側もある程度の不満はあるのでしょうが、逆に120点満点の監督なんてのも存在しませんしね。
森保監督はそこまで悪くない!
それでは、森保監督はここまで叩かれるほど悪くないという理由に迫っていきます。
森保監督の叩かれポイント①先発メンバー固定
森保監督批判で最も声が大きいのはこの先発メンバー固定です。
つい先日も、低調なパフォーマンスが続いた長友選手を起用し続けることに対して批判が爆発!
バックアップメンバーである中山雄太選手が中国戦で活躍したこともあって批判に更に熱がこもりました。
そこまで悪くない理由①そもそも言うほど固定してない
印象というのは恐いもので、実は森保監督はそこまで先発メンバーを固定していません。
↓の画像は、上がワールドカップアジア最終予選の初戦(オマーン戦)で、下が先日行われたサウジアラビア戦です。
両CBを怪我で欠いたとは言え、初戦とはスターティングメンバーが5人入れ替わっています。
さらにフォーメーションも4-2-3-1から4-3-3へ変更。最もイジるリスクが大きいであろう、中盤のポジションと選手に変更を加えています。
改めてこれを見て「森保監督は全くメンバーを入れ替えない!」というのはちょっと違うのではないでしょうか。
未だに柴崎選手や原口選手を先発で使っているのならその通りでしょうが、少なくともここ最近の試合はそうではないことが分かります。
森保監督の叩かれポイント②戦術・伊東純也
森保監督の叩かれポイントとして大きいものに「戦術不足」というものがあります。
とにかく右サイドに位置する伊東純也選手の攻撃力頼みで、それ以外の攻め手がないという批判です。
そこまで悪くない理由②中心選手頼みは別に普通
戦術をチームの中心選手に依存することは、世界でも決して珍しいことではありません。
メッシ選手が全盛期の頃のバルセロナは「戦術メッシ」などとよく言われましたし、さらに遡ると戦術が個人頼みであることを公言した監督もいました。
戦術はロナウド
「戦術はロナウド」と言い切ったのは、かつてセリエAのインテルを率いたルイジ・シモーニ監督(2020年没)です。
この「ロナウド」は、あのクリスティアーノ・ロナウドではなく、元ブラジル代表のFWロナウド選手です。
当時のロナウドはその突進力と得点力で怪物と呼ばれ、とにかく手のつけられない選手でした。
細かい余計な作戦を練るぐらいなら、ロナウドの好きなようにさせた方が結果が出る、ということでしょう。
もちろん伊東純也選手と怪物・ロナウド選手を比べるのは少々無理がありますが、チームの中心選手や好調な選手に戦術が偏重することは決して珍しいことではありません。
森保監督の叩かれポイント③先を見越していない
森保監督は昨年の東京五輪日本代表の試合後、こんな発言をしています。
「日本が勝っていくのに、まだまだ次を見越してできるところ(段階)ではない。もっと幅を広げるために準備しなければいけなかったかもしれないが、まだまだ世界の中で勝っていくためには、1試合1試合をフルで戦いながら次に向かっていくことが現実的なこと」
この発言が、次の試合や先々を見越した采配をしていないと捉えられ、さらには選手起用の固定化(というイメージ)への批判と相まったことで、「自分の保身だけで日本サッカー界の未来を考えていない」などと叩かれました。
そこまで悪くない理由③純然たる事実である
悲しいかな、森保監督の発言は純然たる事実です。
日本のサッカーレベルが世界から見ればまだまだ低次元であることは誰の目にも明らかです。
ワールドカップアジア予選を突破するのにもヒーヒー言って、本戦でも予選リーグを突破するのがやっと。
気を抜いたら強豪国はおろかアジアのチームにすら負けるのが日本サッカーのレベルです。
森保監督が慎重派であることは間違いないでしょうが、「1試合1試合をフルで戦う」ことが求められるのであれば、メンバーや戦術がある程度固定的になるのは致し方ありません。
これは森保監督の信念と言える部分であり、保守的であることこそが森保監督の持ち味なのではないでしょうか。
ファンや評論家の手のひら返しにウンザリ
森保監督への評価は就任当初と比べ大きく変化してしまったように思います。
待望の日本人監督
長らくサッカー日本代表の監督は外国人が務めてきました。
しかし、選手とのコミュケーションや日本人の性格を把握していない点が不安視され、日本代表の監督は日本人の方がいいんじゃないかという待望論にようやく応えたのが森保監督だったはずです。
ハリルホジッチをサッカーの歴史上あり得ないタイミングで解任したのは日本サッカー協会の汚点と言ってもいい。
それなのに、またあの恥ずかしい解任劇を煽るような報道や評論にはウンザリです。
日本代表監督に森保監督がベストの人選とは思いませんが、彼にはこれまでの批判を吹き飛ばすような結果を期待したいと思います。
森保監督がかわいそう…批判の声は印象操作の影響も大きい
森保監督が叩かれ過ぎてかわいそうという観点から、彼の采配や戦術がそこまで悪くないと言える理由を解説してきました。
ワールドカップ出場が当たり前のようになり、新たな目標を見失いつつある日本サッカーは今、自分たちの置かれた状況を改めて見直すべきときに来ていると言われます。
しかしそれは、選手や監督を批判することだけが求められているのではありません。
マスコミや評論家の言うことで簡単に印象操作され、本当の部分が見えていないというファンの見る目の無さも大きな問題です。
「サッカーを見る目そのもの」を、我々ファンも見直すべきときではないかと思います。