2022年の箱根駅伝は雪の中で行われる可能性が高まっています。
関東甲信越の山沿いは元日から大雪の予報も出ており、当然のことながら箱根もその影響が残ることは十分に予想されます。
この状況にネット上では…
- 箱根駅伝って雪だとどうなるんだろう
- 中止になっちゃうの?
- 選手たちは大丈夫かな
などの声が上がっています。
この記事では、雪による箱根駅伝開催への影響、さらには選手たちへの影響についても掘り下げていこうと思います。
もくじ
雪の箱根駅伝に対する世間の声
やはり積雪に対する不安の声は大きいですね。
もちろん快晴のもと行われるのがベストですが、天候ばかりは如何ともしがたいので…
箱根駅伝は雪で中止になるの?
では、予報通りの大雪となった場合、箱根駅伝は中止になってしまうのでしょうか。
事前対策の徹底で中止を防ぐ!
結論から言うと、
箱根駅伝は雪でも中止になりません。
前日から陸連や町、関係者などが、コースに融雪剤である塩カリを撒きまくって対策を徹底しています。
融雪剤としての塩カリの働きについて詳しくは下記にて↓
https://www.fujita-energy.jp/blog/archives/3425
前日までに積雪があった場合はもちろん除雪
箱根駅伝開催前日までに積雪があった場合はしっかりと除雪作業が行われます。
当然、除雪作業車による作業なわけですが、箱根駅伝はたとえ一区間でも10Km程度はあります。
一言で除雪や融雪剤と言っていますが実際の作業には相当な苦労があることでしょう。
裏方の皆さま、本当にお疲れ様です。
箱根駅伝は雪で中止になったことはないの?
たとえどんなに対策を講じたとしても、どうにもならない大雪ということも想定されます。
箱根駅伝が雪の影響で中止になったことは過去にもないのでしょうか。
降雪による中止の記録はなし!
これも結論から言うと、雪で箱根駅伝が中止になったことは今まで一度もありません。
過去に箱根駅伝が中止になったことは5度ありますが、
- 1941年(昭和16年)第二次世界大戦の激化により東海道・箱根路の使用が禁止され大会中止。
- 1942年(昭和17年)戦時命令により日本学連が解体する。
- 1944年~1946年(昭和19年~21年)戦況激化・終戦後の混乱により再び中断。
と、いずれも雪の影響ではありません。
雪道での開催事例はアリ
箱根駅伝が雪道での開催になったというケースは過去にもあります。
1952年(第28回)、1978年(第54回)、1985年(第61回)の3大会でコースそのものが雪道になっています。
中でも酷かったのは第28回と第54回大会。
第28回大会では、関係車両も雪道で通れないのでランナーは雪の中一人で走ることになりました。
第54回大会では融雪剤で道路の凍結は防いだものの、七区の走者が新幹線がつかえないためタクシー移動でギリギリに到着するなどのハプニングがありました。
それでも開催自体が中止になることはなく、ここからも大会関係者の方々の努力を垣間見ることができます。
なぜ箱根駅伝は意地でも開催する?
ではなぜ箱根駅伝は何があっても開催されるのてしょう。
絶対開催は箱根駅伝のルーツに関係している
箱根駅伝の創設には大河ドラマ「いだてん」で知られる金栗四三さんが大きく関係しています。
世界に通用する初の日本人ランナーであった金栗四三さん。
その金栗さんに負けないランナーを育成しようと、“アメリカ大陸横断駅伝”というスケールの大きいレースが計画されたのです。
箱根駅伝は予選会だった
この大会の予選としてはじまったのが箱根駅伝です。
そもそもなぜ険しい箱根がコースに含まれているのかというと、アメリカのロッキー山脈対策のためです。
もともとが困難なコースに耐えられる人材を選ぶための予選なので、「雪だから走れません」というような軟弱なランナーはハナからお呼びでないのです。
雪による選手たちへの影響は?
そうは言っても真冬の極寒の中で、積雪という過酷な環境までプラスされては選手たちの負担も相当なものになりそうです。
降雪がランナーに及ぼす影響はどんなものがあるのでしょうか。
凍結などによる転倒
やはり最もイメージできるのは、路面の凍結などによる転倒です。
凍結した路面での転倒は2011年に実際に起きています。
↓の動画4:40辺り〜
この年は積雪はなかったのですが、それでもこのようなハプニングが起きるということは、雪道ではさらにそのリスクが高まることになります。
雪を意識してフォームが崩れる
路面が凍結している場合はもちろん、積雪の場合は雪を踏みしめるようにしても走るため、普段のフォームが崩れる可能性はあります。
ランニングフォームが乱れると、スタミナの消費はもちろん怪我のリスク等も高まります。
極限の状態で走る選手たち、少しの変化が大きなロスに繋がることは十分に考えられます。
低体温症の恐怖
冬場のランナーにとってはこれが一番怖い。
プロのマラソンランナーであっても、低体温症により途中棄権やリタイヤを余儀なくされるケースも多くあります。
降雪および積雪の状況ということは、それだけ気温が非常に低いということであり、その中で長い距離、長い時間を走って大量の汗をかけば一気に体温は奪われていきます。
箱根駅伝が雪の中で行われることは、我々が想像する以上に選手たちへの影響が大きいものになりそうです。
箱根駅伝は雪でも中止にならない!しかし選手たちへの影響は甚大?
雪の中で行われる箱根駅伝について掘り下げてきました。
よほどのことがない限り、雪で箱根駅伝が中止になることはなく、その裏には関係者の並々ならぬ努力があることがお分かりいただけたと思います。
また、そんな状況での開催は選手たちへの影響も大きく、転倒や怪我、低体温症のリスクが急激に上昇することが予想されます。
それでも、そのルーツに則って過酷な環境下でも行われる箱根駅伝。
過酷な条件下だからこそ生まれる名勝負を今回も期待したいところですね。