次にくるマンガ大賞2021で話題の『ウマ娘 シンデレラグレイ』。
この作品は「週刊ヤングジャンプ」(集英社)にて連載中のマンガで、第3巻までが刊行され累計発行部数はすでに100万部を突破しています。
様々なジャンルで話題を集め、大人気となっている「ウマ娘」。
実在の競走馬をモデルにした数多くのキャラクターが登場する中、「史上最高のアイドルホース」と言われるオグリキャップがモデルのキャラを主人公にした漫画が「ウマ娘 シンデレラグレイ」です。
この記事では
- 作品のあらすじは?
- 主人公のモデル「オグリキャップ」ってどんな馬?
- アニメ化はされるのか?
といった疑問の声にお答えしていこうと思います。
もくじ
作品のあらすじ
「ウマ娘 シンデレラグレイ」の作画は、過去にヤングジャンプ新人漫画賞を受賞された久住太陽先生が担当、脚本は杉浦理史先生、漫画企画構成は伊藤隼之介先生となっています。
それでは『ウマ娘 シンデレラグレイ』はどんなあらすじの作品なのでしょうか。
「カサマツトレセン学園」から始まる
物語はオグリキャップが「カサマツトレセン学園」に入学するところから始まります。ここではウマ娘たちの地方レース“ローカルシリーズ”が行われているという設定。
これは実在のモデル・オグリキャップが中央へ殴りこみをかける前に所属していた地方競馬「笠松競馬」を指しています。
作品内の設定ではこの「カサマツ」は寂れていて観客席もガラガラ・・・となっています。事実、当時の地方競馬場なんて華やかさのかけらもなく、そうした環境から中央へと羽ばたいたオグリの競争人生は光と闇のコントラストも見事だったと言えます。
マイペースぶりが注目を集める
カサマツ内でオグリキャップはその「天然」ぶりで注目を集めることになります。
学園指定の制服があることを知らず、泥まみれのジャージで登校。自身が不良のウマ娘たちから因縁をつけられていることすら気付かないマイペースっぷり。
実際のオグリキャップも精神的には非常にタフな馬でした。日本全国いろいろな競馬場で走るため、長距離輸送は当たり前の世界。移動で神経をすり減らす競走馬も多い中、オグリキャップはどこまで行っても平然としていたそうです。
また、作品内でオグリキャップが大食いであるという描写があるようですが、これも事実通りです。どんな環境でも食欲が落ちることがなく、常に強いトレーニングができたこともオグリが強くなれた理由の一つと言えるでしょう。
まったく期待されていなかったが・・・
そんな天然ぶりからオグリキャップの走りには誰も期待していませんでしたが、いざレースに出るとその圧倒的な走りで人々を驚愕させます。
最初はバカにしていたクラスメイトたちも段々とオグリキャップの走りに魅了されていきます。そしてカサマツの次期エースと目されるライバル・フジマサマーチとも激しいバトルを展開していきます。
そして周囲は気付くのです。オグリキャップの才能、そしてスター性は、カサマツだけで収まるものではないということに・・・。
史実をなぞりながら物語りは中央編へと続いていきます。オグリキャップの激闘の詳細は是非、作品を実際に見て確かめてみてください。
オグリキャップってどんな馬?
「ウマ娘 シンデレラグレイ」の主人公は、競馬ファンでなくともその名を耳にしたことがあるあの超有名ホースです。
スーパーアイドルホース
作品の主人公のモデルはあの「オグリキャップ」。
その存在は未だに伝説として語り継がれ、競馬史上No.1アイドルホースであることは疑いようがありません。
競馬の「け」の字も知らなかった当時のギャル(死語)たちが競馬場にこぞって集合、オグリキャップのぬいぐるみを抱きかかえながら、「オグリ~ン!!」と叫んでいたのです。
耳に赤ペンを挟んで目を血走らせたオッサン連中しかいなかった競馬場を明るく華やかな場所へと変貌させ、競馬ブームの火付け役となった超人気者でした。
人気の理由
なぜオグリキャップがそこまで突出した人気を誇ったか・・・
まず挙げられるのは、「シンデレラグレイ」というタイトルの元にもなったそのシンデレラストーリー。
オグリキャップは男馬なので、シンデレラストーリーというよりは「成り上がり物語」といったほうがしっくり来るかもしれません。
地方の東海公営・笠松競馬場という地味な場所から中央競馬へと殴りこみをかけ、数々の強豪馬やエリート馬を蹴散らしながら連勝街道を突き進む・・・日本人の大好きな「雑草魂」そのものです。
そして「芦毛」という毛色も見逃せない要素です。
「芦毛」というのは白っぽい色の毛で、競走馬の中でも非常に少ない毛色です。レース中どこにいてもすぐに分かるほど目立ち、「白くて可愛い馬」もしくは「王子様が乗る白馬」というイメージを抱きやすい存在でした。
タイトルの「シンデレラグレイ」の「グレイ」が、このオグリキャップの芦毛から来ているのは言うまでもありません。
多彩なライバルたち
オグリキャップを語る上で外せないのはライバルたちの存在です。これだけライバルに恵まれた馬というのも珍しい。
笠松時代のマーチトウショウ(作品内に登場するフジマサマーチのモデル)に、タマモクロス、スーパークリーク、イナリワン、ホーリックス、ヤエノムテキ、メジロライアン、ホワイトストーン・・・
これら個性的なライバルたちと鎬を削り、幾多の名勝負を繰り広げたことも、オグリキャップ伝説に色を添えています。
高まるアニメ化への期待
これだけの話題作となると必然的に高まるのはアニメ化への期待。
「ウマ娘」のアニメは現在、第2期までが放送されていますが果たしてその後の展開はどうなるのでしょうか。
企画構成担当の発言
「シンデレラグレイ」の漫画企画構成担当・伊藤隼之介先生は作品についてこう話しています。
ヤングジャンプで連載の機会を得られたのは幸運でした。オグリキャップの現役時代を考えると、物語として長尺であり密度が高いですから、アニメだと何クールも使ってしまいます。それが漫画という形でやれそうだ、連載の可能性がある―――となって、「これはやるしかないぞ」と。
ここから考えられることは、オグリキャップの競争生活を短い期間のアニメにまとめることは難しいということです。
たしかにオグリキャップの戦績は一つ一つのレースが熱く燃えるような激闘ばかりのため、それを忠実に描こうとするととんでもないボリュームになってしまうのは想像に難くありません。
アニメ化を不安視する声
アニメファンの間では「シンデレラグレイ」のアニメ化について不安視する声も聞かれています。
どうやらヤングジャンプ連載作品のアニメ化が微妙な結果に終わることが多いらしく、話題になっているからと言って急いで制作しないほうがいいという声が多数を占めているのです。
ヤングジャンプ作品は映画で実写化されることも多いようで、「シンデレラグレイ」もアニメ化ではなくまさかの実写化か?という意見も聞かれます。
集英社が絡むプレッシャー
集英社のアニメといえば昨年は「鬼滅の刃」が空前絶後の大ヒット。さらに「呪術廻戦」もヒット作となり、「はずせない」雰囲気が生まれつつあります。
この流れの中で集英社の息がかかった作品を請け負う制作会社は相当なプレッシャーだろうという見方もあります。
アニメ化は想像以上に難航することも十分に考えられます。
まとめ
話題作「ウマ娘 シンデレラグレイ」について解説してきました。
主人公のモデル馬であるオグリキャップは競馬史に残る超アイドルホースであり、非常にドラマ性溢れる競争成績を残しました。
漫画「ウマ娘 シンデレラグレイ」もその史実を元に、熱い作風で多くのファンを魅了しています。
もちろん今後は映像化される可能性が非常に高いですが、漫画、アニメ共々オグリキャップの名に恥じない、期待に応える素晴らしい作品になることを祈りたいと思います。