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2021年発行

【ビルゲイツ離婚】元夫人のメリンダ・ゲイツってどんな人?そして財産の行方は…2021.5.4

離婚を発表

米マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツと妻のメリンダ・ゲイツが5月3日、27年間の結婚生活に終止符を打ち、離婚することを決めたと発表しました。

2人は1994年の1月に結婚。以来、インターネットの拡大と共にマイクロソフトは急成長、ビルゲイツの個人資産がえげつないことになっているのはご存知の通りです。

ちなみに2人の間には3人の子供が生まれています。

そして2000年には世界最大規模の基金を持つ慈善団体「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団」を設立。

2人はこれまでに累計290億ドル(約3兆2000億円)以上を慈善活動に寄付したと言われています。

元夫人メリンダ・ゲイツってどんな人?

メリンダ・ゲイツは1964年8月15日生まれ。アメリカ南部テキサス州にある大都市ダラスの出身です。

技術者の父と専業主婦の母の元で育った彼女はその優秀な知能を生かし、ノースカロライナ州にある世界的名門・デューク大学に合格します。

デューク大学では計算機科学と経済学の学士号を、同フュークワ経営大学院で経営学修士号を取得しています。

そして1987年、マイクロソフトに入社。同年、ニューヨークで行われた報道機関向けのイベントでビルと出会いました。

なお、彼女自身はマイクロソフトは1996年に退社しています。

フェミニストである

現在、籍を置くゲイツ財団でメリンダが指揮する主なプロジェクトは、女性の社会進出の支援についてのものです。

とりわけ、開発国における女性の出産管理(具体的にはピルの服用による管理)を推進しています。

つまりメリンダ・ゲイツはフェミニストです。

しかしながら生粋のフェミニストというわけではありません。それは彼女が生まれたテキサスの土地柄が影響しています。

テキサスはアメリカの中でも有数の保守的な州です。アメリカンジョークの中ではいわゆる「田舎」として小馬鹿にされることも多々あります。

大げさではなく、未だにカウボーイのようなテンガロンハットをかぶってブーツを履くというファッションの男性も多くいるほどです。

そうした昔ながらの伝統が残る街では、やはり男性優位の思想が根強く残っています。

しかも敬虔なカトリック教徒の一家に生まれ、男性しか神父にはなれない、という教会の教えに従順であるよう育てられました。

ちなみにカトリック社会の中では中絶を忌避する文化があります。

財団の中で彼女が力を入れている分野にも納得がいきます。

女性の社会進出を体現したからこそ…

そうして自身が置かれた境遇から飛び出し、名門大学を経て大企業に就職し、ついには世界一の大富豪の伴侶となった彼女だからこそ、唱えるフェミニズムにも説得力が生まれます。

彼女の著書である“The Moment of Lift”というタイトルの本からもそれは見て取れます。

直訳すれば「いま、飛び立つとき」

先ほど技術者と紹介した彼女の父親はNASAのエンジニアでした。しかも人類を月に送るアポロ計画に携わっていたといいます。

彼女は幼い頃から、ロケットが地球の重力に打ち勝ち、宇宙へ飛び立って行く光景を目の当たりにしていたのです。

著書のタイトルには社会へ羽ばたく女性をロケットに見立て「男性社会という重力を振り切って新しい世界へ飛び立って行こう」という思いが込められていると言えるでしょう。

遺産の行方

それにしてもやはりどうしても気になるのはその個人資産の行方です。

ビルゲイツの保有資産は推定1300億ドル(約14兆円)と言われています。

結婚してからの期間が27年ということですから、資産のほとんどは結婚期間中にできた共有財産と思われます。

この場合一般的な日本のルールでは単純に折半という形になりますので7兆円。想像がつきませんね…。

余談になりますが、よく若い女性が高齢のお金持ちと結婚して遺産を狙う、みたいなケースがありますが、あくまで分与の対象となるのは「2人の結婚期間中に生まれた資産」です。玉の輿を狙う女性は要注意を。

ただし財産分与前に、離婚そのものに関しても成立が長引く可能性があります。

というのもアメリカでは州によって離婚の制度が異なります。

日本の様に協議離婚(当事者間の合意のみで離婚できる)制度がないため、一部の州を除き常に裁判所の許可を得る必要があるのです。

ただこの離婚はただの税金対策との見方もあります。

遺産の相続は死別や贈与の場合、莫大な税金がかかります。ところが「分与」という形ならば基本的に非課税なのです。

2人は声明で

私たちの人生でのこの次の段階において、もはや夫婦として共には成長できない、との結論に至った

と説明していますが、真意のほどはいかに。

まとめ

いずれにせよビルもメリンダも世界に影響を及ぼす人物であることに変わりありません。

コロナ禍で彼らの財団から援助を必要とする人々も増えるでしょう。

「夫婦」という関係から飛び立った2人の今後に注目です。(N)