北京五輪フィギュアスケート男子シングルで果敢に4回転半に挑むも転倒、惜しくも4位に終わった羽生結弦選手。
インタビュー等で涙を見せるなど、そのメンタル面を心配する声が集まる中、20日に行われるエキシビションに羽生選手が出場するとの報道が…。
ファンとしては嬉しいニュースかと思いますが、これに対してはネット上でも
- 無理しなくていいよ
- もう十分頑張った!
- エキシビションって出なきゃいけないの?
といった声も挙がっています。
この記事では、羽生結弦選手がなぜ傷付いたメンタルの状態であってもエキシビションに出場するのか、その背景に迫ってみたいと思います。
もくじ
羽生結弦、エキシビション出場に対する世間の声
もちろんその姿をまた見られることは嬉しいという声の反面、やはり心配の声も挙がっていることが分かります。
フィギュアスケート・エキシビションの基準
冬季五輪や世界選手権などの大規模な競技会で、すべての競技種目が終了した後に行われる上位入賞者達によって行われるのがフィギュアスケートのエキシビションです。
その演技には採点や順位付けは行われないため、ファンサービスとしての側面を除けば選手達はあくまで「名誉のため」に滑るのが基本です。
なお、エキシビションに出場する選手の選考基準は
“原則的に5位以内の選手、及び開催国の選手”
とされています。
ちなみにエキシ「ビジョン」と表記されることが多いですが、正確にはエキシ「ビション」です。
羽生選手は条件を満たしているも…
前述の通り、競技で4位であった羽生選手は、エキシビション出場の条件を満たしています。
というか羽生選手クラスのスケーターであれば、仮に順位が低くても、推薦枠や特別枠などでエキシビションに選出される可能性は高かったと思われます。
それでもそこはやはり本番後の余興の域を出ないエキシビション。
無念の結果に終わった羽生選手が、心の傷も冷めやらぬまま無理して出場する必要はありません。
事実、調子やケガなどを理由にエキシビションに選出されても出場を辞退するケースも全く珍しいことではないのです。
羽生選手はなぜエキシビションに出場する?
ではなぜ、決して良い状態とは言えない中で羽生結弦選手はエキシビションに出場するのでしょうか。
一番はファンのため
もちろん、応援してくれているファンのためにその滑りを届けたいという想いはあるでしょう。
羽生選手はもはやフィギュア界の生ける伝説。
その滑りを見たい!というファンは世界中に存在しているでしょう。
しかも今回の五輪は羽生選手の熱狂的なファンが最も多いと言われる中国での開催とあれば、少々の強行軍もやむなしと見ることはできます。
引退前の最後のお披露目の意味合いも…?
しかし羽生選手は4位に終わった今回の演技終了後、進退について問われた際にこんな発言を残しています。
「少し考えたい」
そして今後の4回転半ジャンプの挑戦についても
「(明言するには)もうちょっと時間をください。それくらい今回やり切っています」
と話しています。
これらの発言から、羽生選手自身の頭の中に「引退」の2文字がチラついていることがうかがえます。
そうなると、現役の競技者としてリンクを舞う羽生選手の姿を見ることができるのは、このエキシビションが最後ということになります。
羽生選手がエキシビションを最後のお披露目の場と考えていても不思議はありません。
平昌五輪後から既にモチベーションダウン
羽生選手が今回の北京五輪を最後に引退を決意していた可能性は十分にあります。
それは平昌五輪で2連覇を飾った後の発言から読み取れます。
「取るもの(金メダル)は取った。モチベーションは全て4回転アクセルだけ」
と、その思いを口にしています。
つまり、もうオリンピックで金メダルを目指すという方向でのモチベーションは無く、ただただ4回転半の成功にこだわる求道者としての道を選択しているということです。
その証拠に、羽生選手は北京五輪への出場そのものをずっと明言していませんでした。
北京五輪を目指す意向を初めて示したのは昨年12月の全日本選手権。
このときに「4回転半を成功させ、競技者として幕を下ろす舞台を北京五輪に定めた」と見ることができます。
2月14日に記者会見
そんな中、羽生選手が2月14日に記者会見を行うとの報道がありました。
JOCはこの会見について
「本会見はメディア各社からの個別取材申請が多く、個別に対応することが困難なため記者会見形式で実施するものとなり、羽生選手からの発表会見ではございません」
としていますが…
質問が羽生選手の今後や進退に関する内容に及ぶことは間違いなく、その質問に答えるという形で引退を宣言することは十分に考えられます。
エキシビションを最後の勇姿として…
もし、羽生選手が今後も現役を続けるのであれば、それこそエキシビジョンに出場する必要性は低いと言えます。
4回転半への険しい道のりをかき分け、ようやく迎えた北京五輪の舞台。しかしそこでリンクの穴というアクシデントに見舞われ無念の4位…
今、羽生選手は体も心もボロボロのはずです。今後も競技を続けるのであれば一刻も早く心身を休めることが先決で、エキシビジョンなど出場する意味は無いと断言していいでしょう。
まだエキシビジョン出場を明言していない羽生選手ですが、そんな状態の中この記者会見でエキシビジョンへの出場を発表することがあれば、それを最後の勇姿に…という意味合いが込められているのかもしれません。
それが「引退宣言」という分かりやすい形ではなくても…。
羽生結弦、なぜエキシビションに出場?それはそこが本当に最後の舞台だからかも…
羽生結弦選手がなぜエキシビジョンに出場するのかについて掘り下げてきました。
この記事を投稿した段階では記者会見が行われていないため進退についての情報は乏しいですが、これまでの羽生選手の言動から、すでに競技者として大切な何かを失っている可能性があります。
(失ったのは髪の毛ではないでしょうが一応…↓)
今現在の羽生選手が置かれた状況を考えると、エキシビジョンに出場する意味はほぼゼロに等しく、意味を持たせるのであれば「これが最後の勇姿だから」ということになるというのがこの記事の結論となります。
いずれにせよ羽生選手の発言や行動の影響力には本当に驚かされます。
彼が不世出のフィギュアスケーターであることは疑いようがなく、今後どのような選択をしたとしても、スーパースターである事実が揺らぐことはありません。