楊勇緯(ヤン・ヨンウェイ)選手のイケメンぶりが話題になった柔道男子60キロ級。高藤直寿選手の感動的な金メダル獲得も非常に印象的でした。
試合は高藤選手の一本勝ちとなったわけですが、これは高藤選手が技をかけて一本を取ったわけではありません。
楊勇緯選手に3つの”指導”が与えられての反則負けという結果でした。
この記事では、
- 楊勇緯選手の反則負けの理由は?
- 柔道の指導の内容はどんなもの?
- 楊勇緯選手はそんなに悪いことをしたの?
といった疑問にお答えしていこうと思います。
もくじ
楊勇緯選手の反則負けの理由
柔道には試合を行う上での反則行為があります。
柔道精神に反するような言動に対しての反則
格闘技ですから、もちろん武器を使うとかドーピングとかはもってのほかです。
それが発覚した時点で反則負けなのは当然としても、柔道はその名の通り「柔」の「道」です。競技に対する姿勢や精神が非常に重んじられます。
これは日本の国技である「相撲」とも共通するものだと考えてもらえれば分かりやすいのではないでしょうか。
楊勇緯選手に与えられた指導の内容
試合結果を見ると、楊勇緯選手に与えられた指導は順に
- 「組み合わない」
- 「消極的」
- 「極端な防御姿勢」
の3つ。
一つ一つ解説していきましょう。
組み合わない
読んで字のごとく、故意に取り組まないことです。
取り組まなければ技をかけることができませんから、試合が進行しないことになってしまいます。
消極的
技をかけようとする姿勢が見られないと取られます。
柔道は単に相手を倒すことが目的の競技でなく、技の美しさを競うという側面があります。
互いが技を繰り出して初めて試合が成立するのです。
極端な防御姿勢
組んだあと、極端な防御姿勢をとることです。通常は5秒を超えると指導が取られます。
↑画像のように、腰を極端に曲げてかがんでしまうような体制を長く続けると、これまた相手は技をかけることができません。
指導が3つで相手に一本(反則負け)
楊勇緯選手は残念ながらこの3つの理由で指導を取られ、反則負けとなってしまいました。
一つの試合で指導が3つ取られると、いくらスコアでリードしていても、3つ目の指導を取られた時点で反則負けとなってしまいます。
柔道の指導の内容はどんなもの
では柔道の指導の内容には他にどんなものがあるのでしょうか。
ものすごく多数ある
実はここではとても紹介しきれないほど、指導の対象となる項目は多数あります。
↓こちらのサイトで詳しく解説してあるのでよかったらどうぞ。
https://www.judo-ch.jp/rule/ijf_judge/kinsi/
一発で反則負けの行為も…
相手を持ち上げて畳の上に叩きつけたり、主審の指示に従わない、無意味な発声をするなど、非常に厳しく細かいルールが設けてあります。
これもやはり、柔道が相手を痛めつけるための格闘技ではないということが大きく影響しています。
楊勇緯選手はそんなに悪いことをした?
「反則負け」と聞くと、楊勇緯選手がものすごく悪いことをしたのか?重大なルール違反をしたのか?と思ってしまいがちですがそうではありません。
技を競う競技だからこそ
楊勇緯選手は一発で反則負けになるような行為をしたわけではありません。あくまで“柔道の精神”というある意味で曖昧な取り決めに少々反したというだけのことです。
繰り返しになりますが、柔道は相手を倒すためだけの格闘技ではありません。
日々の鍛錬で磨いた自身の「技」を競うものである以上、その技を出さない、出させない行為に対して厳しい判定がされるのは当然のことです。
相手の「指導」を誘発させるのも技の一つ
高藤選手は試合後のインタビューで
「豪快に勝つことはできなかったが、これが僕の柔道」
と語りました。
対戦相手にプレッシャーを与え、思うような形で組ませなかったり、防御に入らざるを得ない精神状態に追い込むこともまた高藤選手の技術なのです。
反則勝ち(反則負け)だからと言って、高藤選手の金メダルの価値が下がるわけでも、楊勇緯選手の柔道精神が非難されるわけでもなんでもないということは認識しておきましょう。
まとめ
楊勇緯選手の反則負けの理由について解説してきました。
たしかに「指導」を3つ取られたことによる反則負けですが、それは決してネガティブな要素を持っているものではないということがお分かりいただけたと思います。
イケメンで非常に華やかな、これからの柔道人気も上げてくれそうな楊勇緯選手。
これからの活躍にも期待したいところです。