米ツイッター(Twitter)は22日、有料コンテンツの公開を可能にする2つの新サービス「スーパーフォロー」と「チケット制スペース」を米国の一部ユーザー向けに開始すると発表しました。
そのうちの一つが「チケット制スペース」です。
Twitterのアカウント画面に「収益を得る」という項目が追加されて「何じゃこれ」となった方も多いのではないでしょうか。
この記事では
- 「チケット制スペース」とは何なのか
- そもそも「スペース」ってどういう機能なのか
という疑問にお答えしていきたいと思います。
もう一つの新サービス「スーパーフォロー」に関してはこちら↓
もくじ
チケット制スペースとは
チケット制スペースはライブストリーミングができる音声チャットルームのことですが・・・
そもそも「スペース」って何なの?
チケット制スペースの解説の前に、通常の「スペース」について解説しておきます。
スペースは音声を使ってリアルタイムで会話ができる機能です。これまでテキストによる交流がメインだったTwitterですが、スペースを使うことで他ユーザーと音声による交流が可能になります。
一時大きな話題となった招待制のSNS「Clubhouse(クラブハウス)」のTwitter版と言える機能です。
日本では2021年2月から試験導入され、5月から正式に運用が始まったばかりです。
誰でも使えるの?
残念ながら「スペース」機能は、フォロワー数が600人以上のアカウントしか使用ができません。
当然ですがフォロワーがいないアカウントで「スペース」を開いたところで誰も集まりませんから・・・
ユーザー区分は3種類
スペースのユーザー区分は3種類あり、「ホスト」「スピーカー」「リスナー」です。
- ホスト・・・スペースの作成者です。スペースでの発言、スペースへの招待など権限を持ちます。
- スピーカー・・・ホストに招待された、またはホストに参加を許可されたことでスペースでの発言権を得たユーザー。
- リスナー・・・スペースでホストおよびスピーカーの発言を聴けるユーザー。発言はできない。
となっています。
「スペース」の有料版である
上記の「スペース」への参加を“有料”にしたものが「チケット制スペース」ということになります。
ホストはスペースへの参加チケット代を1ドル(約110円)から999ドル(約11万円)の間で設定できます。これはアメリカ版での設定なので、日本版ではどのような幅になるかはまだ分かりません。
さらに「チケット制スペース」を開くには、通常の「スペース」であれば600人だったフォロワーが1,000人必要になってきます。
一般の方が気軽に利用できる機能ではなさそうです。
芸能人や著名人向け
ということで「チケット制スペース」の機能はある程度のフォロワー数を獲得することが容易な芸能人や著名人向けのサービスということになります。
ライブ配信や講演会として
コロナ禍で人が密集する機会を設けることが難しくなった今、オンラインプラットフォーム各社はタレントや有名講師が有料のコンテンツを発信する場を拡大させる動きを見せています。
また、月額制オンラインサロンなどで大きな収益を上げている著名人も多数誕生していることから、オンライン上でのファンやフォロワーとの交流に対する意識は高まっています。
参加者側のメリット
「スペース」での交流は参加する一般人にも色々なメリットがあります。
まず「直接のコミュニケーション」のチャンスが生まれます。ホストから招待もしくは許可されれば、そのスペース内において発言が許されます。
つまりホストである著名人本人と会話が可能ということになります。その人のファンにとってはたまらないものとなるでしょう。
さらに、アイドルのライブなどになると“ファンクラブに入っていないとまともにチケットが取れない”というケースも多く見られます。
または“CDを大量に購入したファンが優先される”など、お金に余裕のない子供や、純粋にそのアーティストを応援している人が損をするという由々しき事態が発生しています。
それがTwitter上の「チケット制スペース」であれば、フォローさえしていればチケット代だけで平等にそのコンテンツを楽しむ権利を得られることになります。
手数料と収益
実際に「チケット制スペース」のホストになる人にしか関係ない話ですが、Twiiterやアプリダウンロード元であるAppleやGoogleに対して手数料が発生します。
ホストが受け取れる収益は売上の97%が最大で、累計収益が増えていくと手数料のパーセンテージも上昇していくようです。
まとめ
コロナ禍でライブ活動ができず、まったく収入がなくなったというミュージシャンの話が昨年あたりは多く聞かれました。
ミュージシャンに限らず、多くの人の前でパフォーマンスをすることで収入を得ている人たちは、そのパフォーマンスの場が今もかなり限られているのではないでしょうか。
オンライン上でそうした機会が増えることは演者にとってもチャンスですし、またそれを観て楽しむ我々にとっても様々なメリットが生まれる可能性があります。
このようなプラットフォームの発展にはまだまだ期待ができそうです。