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2021年発行

【鴨川ごみ散乱!】海外では厳しい罰則!ポイ捨ては外国人観光客のせいじゃない

京都市内を流れる鴨川の河川敷で、ごみの散乱が問題になっています。

↑鴨川ごみ散乱の様子↑

原因は川原に集まって飲食する人たちが後を絶たないからです。

3度目の緊急事態宣言により、京都府内の飲食店ではアルコールの提供が自粛され、我慢できない人たちが野外で飲み会を開いているのです。

溜まったストレスを発散したい気持ちは分かりますが、海外ではこのような行為は厳しい罰則の対象となることがあります。

美しいと言われる国々の事例を見ながらこの問題を考えてみたいと思います。

世界で「清潔」と言われる都市5選

スマホでいつでもどこでも写真が撮れ、ソーシャルネットワークでそれが簡単に拡散されるこの時代、世界の各都市は見た目の美しさを重要視し始めています。

その取り組みが成果を上げている国をご紹介します。

シンガポール

「世界で最も清潔かつ安全な都市」と言われます。

そうなった背景にはシンガポールが「罰金の国」と呼ばれるほど強烈な都市政策を行ってきたという事実があります。

後述しますが、有名なのはガム禁止令。また、ごみに対しても法律が厳しくポイ捨ては罰金の対象です。そして街中には清掃員が溢れています。

ドバイ(アラブ首長国連邦)

美しい超高層ビルが立ち並び、カンペキに舗装された道路が走るドバイの街並みは、観光客の目を惹きつけてやみません。

ドバイはとにかく視覚公害にこだわり、家のベランダに洗濯物を干すことさえ景観を汚すとして禁止されています。

これは観光客も対象で、ホテルのベランダに水着を干したら罰金・・・なんてことも。

ミンスク(ベラルーシ)

ミンスクはかつて支配されていたソビエトのアーバニズムを未だに体現しています。アーバニズムとは、

都市を志向し求める文化的・社会的な傾向のこと。あるいは、もっぱら都市において特徴的な生活様式。または、近代以降の都市計画全般を指す。

とのことで、汚れなくキレイに整頓された都市というのが旧ソビエトの計画だったようです。

また、こちらも街中にたくさんの清掃スタッフがいるとのことです。

ウィーン(オーストリア)

音楽の街として有名なウィーンですが、魅力はそれだけでなく凝った装飾が美しいバロック様式の建築物も大きな観光資源の一つです。

歴史的に価値のある建造物を守るため、街中は常に清潔な状態が保たれています。

歴史的な建造物と言えば、鴨川が流れる京都も例外でないのでは・・・

そして、東京

「日本は清潔な国」と誰もが思っているのではないでしょうか。

物をキレイに保つことを尊重する文化が根付いており、どこへ行っても「来たときよりも美しく」をモットーにする日本人は、自分達が出したごみは必ず袋に入れて持ち帰り、自分が捨てたごみでなくても拾ってごみ箱に捨てる・・・なんて姿はもう過去のものなのでしょうか?

海外の罰則

ごみのポイ捨てをはじめ、衛生状態や景観を乱す行為には厳しい罰則が課せられている国が多くあります。

ここではごみのポイ捨てによる罰金の一例を紹介していきます。

シンガポール

観光客によるガムの持ち込みそのものが禁止されており、そもそもごみになる物を持ち込ませない徹底ぶりです。

ごみのポイ捨ては初犯最高1,000ドル(およそ8万2千円)、再犯ともなれば最高2,000ドル(およそ16万3千円)という非常に厳しいものとなっています。

イギリス

イギリスでのポイ捨てに対する罰金は自治体によっても異なりますが、食べ物の包装紙など一般的なごみのポイ捨てには50~80ポンド、日本円にして10,000~15,000円ほどの罰金が課せられることになります。

香港

香港のポイ捨てに対する罰則は少々変わっていて、ごみやタバコの吸い殻に付着したDNAを採取し、捨てた本人とそっくりの指名手配写真を作って街中に貼り出すんだそうです。

こんな形で知り合いに特定されたら恥ずかしいことこの上なし。効果がありそうです。

タイ

美しい海やビーチなどの観光資源が豊かなタイ。それらを守るための対策がされています。

ビーチでタバコの吸い殻やごみをポイ捨てした場合には罰金、また浜辺で用を足した場合にはさらに高額な罰金が課せられます。ビーチには監視カメラも設置してあり、言い逃れはできません。

なぜごみ問題は終わらないのか

外国人観光客になすりつけてきたツケ

これまでも日本の様々な観光地で、ごみのポイ捨て問題は叫ばれてきました。

ところがそれはずっと「外国人観光客のせい」という一言で片付けられてきてしまったのです。

「マナーの良い日本人が、そんな愚かな真似をすることはない」と・・・

ところがこのコロナ禍、外国人観光客など来るはずがない状態でもこうしてごみのポイ捨てが大問題になっているのです。

じゃあ犯人は誰なのか。

他でもない、我々「日本人」です。

参考までに、訪日した外国人観光客数は2020年11月は前年同月比で97.7%減、同12月も97.7%減と、はっきり言ってほとんど来てません。

つまり日本人は外国人環境客の存在をスケープゴートに、ロクに対策も取らず自分達のポイ捨て行為を棚上げしてきたことがこれで浮き彫りになったのです。

少ないごみ箱

また、日本の観光地は諸外国と比べて異常なまでにごみ箱の数が少ないです。

コロナ以前に調査された『訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート』でも、外国人旅行者が日本滞在中に「困ったこと」として最も多く回答したのが、「ごみ箱の少なさ」(23.4%)でした。

ごみ箱が至るところにあればポイ捨てを防ぐこともできそうですが、実はこれが難しく、オウム真理教のテロ以降、日本では危険物を入れられないよう街中のごみ箱は必要最小限にまで減らすという措置がとられているのです。

また、日本には木造建築の古い建物が多いことも影響しています。ごみ箱をそうした建物がある観光地に多く設置し、その中にタバコの吸い殻でも捨てた日には・・・。最悪の事態を招く恐れがあるのです。

まとめ

ポイ捨てがなくならない理由も挙げてみましたが、結局は「ごみをポイ捨てしない」という幼稚園の頃に教わったことが全く守れていない日本人がたくさんいるという悲しい現実が明らかになってしまいました。

コロナ対策や緊急事態宣言でも、結局は「自分さえ良ければいい」という考え方の人間が多ければ、いつまで経っても収束は難しいでしょう。

日本人は自分達の立ち振る舞いを根本から見直すときに来ているのです。

5.31 追記

ごみ散乱を防ぐため、路上飲酒をしないよう見回り活動をしていた京都府などの職員に罵声を浴びせる集団の動画が物議を醸しています。

彼らは「コロナは茶番」「ワクチン危険」などど書かれたプラカードを持っており、見回り隊に向けて

  • 「根拠のない感染症対策を押し付けるな」
  • 「あなたたちのやっていることは人権侵害だ」
  • 「コロナの存在証明を出してから文句を言え」

などの主張を繰り返しています。

一体なにが目的なのか?この見回り隊は、京都府の男性職員5人と警察官2人で構成されており、この人たちに向けて言うべきことではないような気がしますが・・・。

動画では飲食物の存在も確認できるので、とりあえずちゃんとごみは持ち帰ってくださいよというところです。

法的拘束力のない緊急事態宣言

緊急事態宣言だろうがまん防だろうが、日本のこうした措置には国民の行動を制限する力はまったくありません。

現にこの状況で警察官が2人いても、取り締まるどころか帰宅を促すことすらもできず、ただ呼びかけるのみ・・・。

いかに日本の対策が「屁みたい」か、この動画でよく分かるのではないでしょうか。