「2015年ヒット商品ランキング」で北陸新幹線が1位を獲得したから・・・
というわけではないですが、日本でまたちょっとした鉄道ブームが起きているのは間違いありません。
「乗り鉄」や「撮り鉄」といった言葉も一般化してきました。
日本の鉄道は人気だけでなく性能の面でも非常に優れており、日本でその役目を終えた車両が海外に送られて、
新たな活躍の場を与えられるケースが増えています。
送られることが多いのは東南アジア。
経済成長とともに人口が急増した東南アジア諸国では、乗客が車内に乗り切らず、
電車の屋根まで人で溢れかえるほど輸送力不足が深刻化しています。
車体にものすごい数の人がしがみついた状態で走っている電車の映像、一度ぐらいは見たことがあるのではないでしょうか。
あれ、トンネルを潜るときとかどうしているんでしょう・・・非常に危険です。
もちろん東南アジアの各国も、そうした問題の解決や国内産業の発展のために鉄道車両の開発を進めています。
しかしやはり技術力が追いつかず、日本の中古車両を買った方が安全性も高くコストも低いと言います。
使い古された車両でも、冷暖房が完備され故障も少ない日本製の車両は、現地では「超豪華車両」となる場合も多々あるんだそうです。
面白いのは、日本から送られた車両がけっこうな頻度で「そのままの形」で走っていることです。
色を塗り変えたり独自の形状にカスタマイズされたりすることもありますが、「日本で走っていた時のまま」の方がウケがいいんだとか。
インドネシアのジャカルタ鉄道では行き先が「中野」の電車が走っているそうです。
インドネシアの中野ってどこやねん。
車内でも、何の役にも立たないのに料金表や路線図、広告などがそのままになっていたりします。
マレーシアでは、JR九州で走っていたブルートレイン「富士・はやぶさ」がそのままの姿で走っています。
懐かしの列車と再会するために、逆に日本の鉄道ファンがその地を訪れたりもするそうです。
細かい部分を直さないのはただ単にズボラなわけではありません。
わざと「日本のまま」を残すことで信頼感が得られるのです。
これは日本人として嬉しく思います。
産業の空洞化が叫ばれ、日本の「モノづくり」が危機に瀕しています。
ですが海外で第2の人生(車生)を誇らしげに送る日本の鉄道車両たちを見ると、何も自信を失う必要はないのではないかと思えるのです。
ネタ提供はわが社の鉄ちゃん(T)さんでした。(N)