見たい、聞きたい、話したい…
ここにはそれがある。
あした使えるはなしのたね
2010年発行

「土偶」のはなし。2010.1.28

土偶の発生は縄文時代草創期、今からざっと13000年前…、

その時代の日本人が何を考え、どのように過ごしていたのかを垣間見られるのが「国宝 土偶展」です。

昨年12月から東京国立美術館で開催されています。

土偶とは人の形をした土製の焼き物で、作られた目的は諸説あります。

1:安産・子孫繁栄を願うもの 

2:自然界の動植物の繁殖・豊穣 

3:病気や怪我を治すための身代わりとするもの 

4:祖先の姿を表し、生と死の象徴を体現化したもの 

5:死者の鎮魂と再生を願うもの 

6:護符や呪物とするもの など様々。

そして意外と知られていないことですが、土偶はすべて女性をかたどって作られています。

その造形美は現代人の想像力を遥かに凌ぐ創造性を有し、世界的にも評価が高いと言われています。

この土偶展、昨年9月~11月に、イギリスの大英博物館で開催されたものの帰国記念展なのですが、そのタイトルは「THE POWER OF DOGU」。

なかなかインパクトのあるタイトルです。「国宝 土偶展」のホームページでも、開くとまず目に飛び込んでくるのが、4体の土偶と「縄文スーパースター」の文字。

スーパースターと言われてもピンと来ませんが、こちらもなぜか興味をそそられるキャッチコピーです。

他にも土偶の人気投票など、なかなか面白いプロモーションを展開しています。

もちろん土偶展ではそのスーパースターも含め、計67体の土偶が展示されています。

 昨年も「阿修羅展」が大ヒットして仏像に注目が集まりました。一昔前ではなく大昔を懐かしむ、最近は「超・懐古趣味ブーム」なのでしょうか。(N)