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ここにはそれがある。
あした使えるはなしのたね
2016年発行

「涙活」のはなし。2016.1.21

最近流行りの「涙活」をご存知でしょうか。実は最近、この涙活をはじめ“泣く”という行為に注目が集まっています。

「涙活」とは「1ヶ月に2~3分だけでも能動的に涙を流すことによって心のデトックスを図る活動」のことです。

人が流す涙には3種類あると言われていて、①基礎分泌による涙 ②刺激による涙 ③感情による涙 があります。

①はドライアイを防ぐために分泌される涙のことで、②はタマネギの刺激や目にゴミが入ったとき等に出る涙、そして③は悲しいときや嬉しいときに流す涙です。

同じ涙でも人がストレスを発散するためには、この③「感情による涙」を流さなければ意味がないのだそうです。ストレス大国日本に生きる我々ですが、大人になるとなかなか人前で思い切り泣くということができなくなります。

そうした人たちのために、泣ける映画や朗読を聴いて意識的に涙を流す場所を提供してくれる「涙活イベント」もあるそうです。

人はストレスを感じると体の中で抗ストレスホルモンが合成されます。このホルモンは合成される際にビタミンCやビタミンEを消費してしまいます。

ビタミンCやEは抗酸化物質で、活性酸素によって起こる酸化から体を守ってくれる成分なので、それを失うと体はどんどん老化していきます。

また、老化の原因となる活性酸素は、体が抗ストレスホルモンを合成・分解するときにも発生します。活性酸素は自律神経のバランスを崩し免疫力を大きく低下させ、皮膚の炎症反応の原因となります。

要はストレスが人間の健康にとって最大の敵なわけです。男性の方が女性より平均寿命が短いのは、男性は幼少時から「男のくせにメソメソ泣くな」と言われて育ち、泣くことを抑制しているためストレスを溜め込みやすいからだ、という説すらあります。

しかしそのストレスを体外に放出してくれるのが「涙」です。

涙を流すと、脳内ホルモンの一つでモルヒネ様物質として知られる「エンドルフィン」が増加することが分かっています。

エンドルフィンには強い鎮静作用があり、ストレス解消とスッキリ感をもたらすことが知られています。また、涙を流すことで緊張やストレスに影響する交感神経から、脳がリラックスした状態の副交感神経へとスイッチが切り替わるのです。

と、いうことで私も「泣ける映画」を見てストレス発散しようと福山雅治さんの映画『そして父になる』を借りてきて「さぁ!泣くぞ!」と気合いを入れて見たら、気合いが入り過ぎて全然泣けませんでした。

ただその夜、太っとい鼻毛を思いっきり抜いたらメチャクチャ涙が出ました。これが私の「涙活」です。(N)