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あした使えるはなしのたね
2017年発行

「ピクトグラムと洗濯哀歌」のはなし。2017.01.26.thu

普段生活していると身の回りにさまざまな案内サインがあります。

トイレや出入り口、駅の乗り換えの案内の看板などで、文字ではなくひと目見てわかるように、案内記号で示してあります。

その案内サインを「ピクトグラム」といいます。

「ピクトグラム」とは視覚言語の1つで、「絵文字」「絵で表す言葉」「図記号」とも呼ばれています。

その「ピクトグラム」に変化が起こっているのを御存知ですか?

そもそも、ピクトグラムが広まるきっかけになったのは、1964年の東京五輪でした。

来日する選手や観客のために競技種目やトイレなどがひと目でわかるように、

当時の人が知恵を絞り出して考案し、広まっていったそうです。

その後、日本工業規格(JIS規格)で定められたピクトグラムは約140種類と増えましたが、

そのうち約70種が、国際標準(ISO)と異なり外国人には伝わらないのだそうです。

2020年は東京五輪が開催されます。

それまでに、混乱をさけるための改定をしようというわけです。代表的なのは「温泉マーク」。

日本人なら誰しもイメージが湧く、丸から湯気が上がっているあのマーク。

ですがこれを外国人に見せて何を表しているか尋ねると「何か熱いもの」、

「コーヒーか紅茶のお店?」、中には「焼き肉屋!」という回答まで。

これはイカン!ということで見直しが進められているのです。

その流れに乗って、という訳ではないのでしょうが、

洗濯表示マークも2016年12月1日から変更されました。

従来の洗濯表示に関する国際規格(ISO3758)は、

日本独自の洗濯習慣に合ったものではなかった為、現在の洗濯表示を定めたJIS L 0217は日本独自のものとなってしまいました。

そのため、海外から輸入した繊維製品は、ISO(国際標準化機構)規格の取り扱い表示となっており、

国内で販売する場合、日本の現行JISの表示に付け替える必要がありました。

国内外で洗濯表示が統一されたことにより、

海外製品でも取り扱いの絵表示を変更する必要がなくなりました。

ただ、記号の種類が22種類から41種類に増え解り辛くなり、

物覚えの悪くなってきたオジサン達の悩みの種も増えます。

ならばそれを逆手に取ってやりましょう。

「お父さんの服と一緒に洗濯しないで!」という年頃の娘さんを抱えている方なんかは、

新表示をカンペキに覚えて、家族にレクチャーしてやれば威厳を取り戻せることでしょう。

その際は是非「このマークは『父の洗濯物と一緒に洗う』のマークだ!」と嘘を織り交ぜるのもお忘れなく。

41種類もあるんだから、1つぐらいごまかしてもきっと分かりませんよ。(N2)