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あした使えるはなしのたね
ライティング講座

【ライティング講座】文章の書き方その3~禁止~ 2021.5.4

「やっちゃいけない」をやってみる

とにかく文章を書く上で一番ダメなのは「ちゃんと書こうとすること」です。

ちゃんとした文章なんてそもそも何の定義もありません。どっかの官僚が政治家のために書いた原稿なんていかにもちゃんとしてそうですが、あんなつまらん文章はない。

目で読んでて面白い文章は声にだして読んでもそれなりに楽しいはずです。「面白さ」も良い文章の条件だとするならば、聞いてて眠たくなる文章はちゃんとしてるとは言えません。

しかも政治家が漢字読めなくて詰まっちゃったりして。

読む人が読めない漢字使うなよって。

お前の文章は椎名林檎の歌詞ですか?

ちゃんとした文章を書こうとしたって、ちゃんとした文章の正解自体が存在しないのだからどこまで行っても不可能です。

だからまずは書くことに慣れるために、やっちゃいけないことやっちゃいましょう。

どこの誰が書いたか分からない文章なんて最初はどうせ誰も読まないんだから関係ないんです。

酒飲んで書いたっていい

文章書くときって基本1人になれるからいいですよねぇ。その文章を書いたとき、自分がどんな状態かなんて誰も知らない。

全裸でもいいしブリーフを頭にかぶってたっていい。誰も見てないんですから。

それこそ酒飲みながら書いてみましょう。変な緊張とかビビりとか全くなくなりますよ。

それどころか「俺って天才じゃね?」って気にすらなってきます。

当然、内容が支離滅裂になったり誤字脱字だらけになります。

でも不思議と書きたいことが書けてます。本音というか腹の中が出てくる。

そういう文章のほうが絶対に「面白い」。

少なくとも自分自身は面白いと思えるはずです。

ただしくれぐれも飲みすぎにはご注意を。

悪口ばっかり書いてみる

これもいいですよ。

嫌いなヤツ、居るでしょ?隠さなくたっていいです。誰だってそうなんですから。

え?ほんとに居ないって?

じゃあ私はそんな取り繕うようなことを言うあなたが嫌いです。

あなたみたいな人間はそうやって周りにいい顔をすることで満足感を得ているのでしょうけど、いいヤツといい顔をするヤツは違いますからね。

周りの目を気にしていい顔するヤツは自分の信念がありません。

周囲の顔色や意見に合わせてコロコロ態度を変える、筋の通っていない薄っぺらいヤツです。

という感じで、理由はなんであれ悪口はいくらでも書けます。人間誰しもダメなところがあって、良いところよりダメなところの方が断然多いからです。

ほら、そうこう言ってたら誰か知り合いの顔が浮かんだんじゃないですか。ソイツについて書いちゃいましょう。身近な人間じゃなくても嫌いな芸能人でもいいですよ。

これは自分の思いを吐露する、という意味で非常に効果的です。

日本という国は発言にはうるさいですが筆の暴力には寛大です。

カップラーメンの値段が分からないだけで総理大臣が引きずり下ろされる国とは思えないほどに。(また古い話で…)あれは発言だったから大問題になりました。文章だったらどうだったでしょう?

週刊誌なんて嘘やでまかせ、誹謗中傷のオンパレードですが廃刊になりません。この世の中に全く必要のない媒体だと思いますけどね。

ですから多少の悪口で個人が追い込まれるようなことは絶対ありません。

「俺しか楽しくない文章」を書いてみる

文章で人を楽しませたり感動させなきゃいけないなんて誰が決めたんでしょう。

自分が好きなことを書き殴って、自分で何回でも読み直して痛快な気持ちになるなら、それはとっても素敵な文章です。

あるゲームのクリエイターの発言が私に勇気をくれました。

世界中で誰も面白いと思わなくても、自分だけは面白いと思える作品を作ろう。そうしたらその作品には自分というファンがいて、存在意義がそこに生まれる。

素晴らしいですよね。その通りだと思います。

自分で楽しめない文章は、もしかしたら本当に世の中の誰一人として楽しめない文章かもしれない。

でも「自分」というファンがたとえ1人でも居るなら、それは無意味な文章ではない。

私、恥ずかしながら自分で書いた原稿をたまに読んで「やっぱ面白いなぁ、これ誰が書いてるんだろ…って俺だよ!」ってやってます。

明石家さんまさんは自分の番組を見て爆笑するって言いますよね。

あの人は単純に自分自身のファンなんだと思います。きっとテレビの前で見ている「自分」に向かって喋っている。そしてそれがめちゃくちゃ面白い。

最高じゃないですか。そこが原点になったっていい。

変な思い込みとルール

文章は正しくなければいけない、誰かを楽しませなければいけない、これはクソみたいなルールだと思います。

原因は作文の授業ですね。

作文の書き方に則っていないと×。

読む人に伝わらないと×。

うっせえわ。

あなたは自分で書いたその作文が好きですか?

YESなら100点、NOなら0点。

そういうことでしょ。

文章は誰かに評価してもらうもの、という固定観念を植え付ける教育のあり方がそもそも問題なのです。

まとめ

今回のポイントまとめです。

  • 酒を飲んで書いてみる
  • 悪口ばっかり書いてみる
  • 「自分しか楽しくない文章」を書いてみる

やってみたら意外と楽しいですよ。少なくとも「書く」という行為に対する恐怖心が軽くなります。

「やっちゃいけない」をやってみるという書き出しでしたが、ライティングにおいて「やっちゃいけない」ことなんてハナからありません。

そこに気付くことが、面白い文章を書くことのファーストステップになります。(N)