書くことがあるから書くのではない
定期的に記事を書いていると必ず聞かれることがあります。
「何でそんなに書くことがあるの?」
これは申し訳ないですが誤解です。普通に生きていて、書きたいことが湯水の如く涌いてくるなんてそんな夢のようなことは絶対にありません。
よく作曲家の方とかだと「メロディが降ってくる」とか「日常のちょっとした音でひらめく」とかいう話を聞きます。
が、文章を書くということに関しては、そんなことはほぼないと断言してしまいましょう。いや、けっこう降ってくるもんだよ、という方がみえたら非常に羨ましい才能です。
これはつまり、文章というのは一瞬のひらめきやセンスでどうにかなるもんではないということです。・・・って別に音楽は簡単にどうにかなるということが言いたいわけではないですよ。
文書は何よりも「書こう!」という意志が重要だということです。
おそらくどんな著名な作曲家も、作らなければいけないから作った、という曲のほうが圧倒的に多いはずです。ひらめきや瞬間的に降ってきたメロディで生まれた曲なんて数えるほどしかないはず。
作らなければいけないから作った―――つまり仕事として作った、ということです。依頼があったから、締め切りがあったから、いついつまでに何曲書かなければいけないという状況があったから書いたというだけのことです。
文章も同じです。書かなければいけない状況に自分を置くことがまず大事です。
ところがこれが実は一番難しいのかもしれません。文章や記事を書くことでお金をもらっている方ならばいざ知らず、書くということを定期的に求められ方という方は意外と限られるのではないでしょうか。
書く場所や機会を強制的に作る
ですから文章力を高めるためや、ライティングの技術を確立するためには、まずブログを立ち上げてしまうことが最短距離かもしれません。逆にそうでもしないとまとまったテキスト量の文章を書く必要に迫られることがないと思います。
個人ブログはただの趣味でやっている、という方もみえると思いますが、アフィリエイトやアドセンスなどの収入を狙ってブログを書いている方も多いと思います。現に私もその一人です。
ですがまずは収益やお金のことを考えず、ライティングのスキルを向上させたいと思うなら書く機会を作るという点がまずスタートラインです。
記事の投稿が毎日なのか、はたまた1日に数件なのか、その個人目標はそれぞれですが、とにかく「書かなければいけない状況」を自分で作ってみましょう。
そういう意味で、仕事常とはいえ週刊で定期発行されるツールの記事を書けるチャンスに出会えた私は幸運だったと思います。嫌でも書かなければいけない状況が自然と生まれることになったのですから。
私が普段書いているの記事内容のコンセプトは「日常の仕事で疲れたときの一服の清涼剤」。ということで記事のテーマは多岐に渡っています。ブログという形式の中で書かれている記事は意外と専門性が高いものが多いため、過去に私が書いたような記事がブログに適しているのかどうか怪しいですがまあそれは置いといて・・・。
ただどんな形式であれ、書く(ライティング)という事実に変わりありません。ネット上で「ライティング コツ」などというワードで検索をかけると、9分9厘ブログ用の記事の書き方について語ったものが出てきます。
でも、そんな風にマニュアル化されたような記事の書き方ばかりでは全然面白くないと思うんですよね。
「タイトルにキーワードを何個以上入れろ」とか「PREP法で論理展開せよ」とか、すんごい数の注意点が山ほど出てきますが、正直それを全部意識して書くのはムリです。
仮に意識できたとしても、それで書き上がった記事はどこかで見たような形式的なものにしかならないでしょう。
俺はこう書きたいんや!
一番大事にしてほしいのは「俺はこう書きたいんや!」という情熱と勢い。
細かい技法やテクニックなんて後から身につければ大丈夫。楽器の練習でもよく言いますね。「好きな曲をまず弾いてみなさい」と。奏法とか細かいことなんて後からでいいんだと。
その楽器を弾くことの楽しさや充実感を得ないことには進展なんてないですから。
そして自分の好きな書き方に、自分の言いたいことを思いのままにぶつける。
その情熱こそが文章に個性とパワーをもたらしてくれると信じています。文章から滲み出る、技術や内容とはまた違う何か。
その何かを持った、誰にも真似できない個性豊かな文章がネット上にも溢れてほしいと思います。
ここでは「ブログ用になんて書いたことなかったけど、ひたすら十数年間、毎週何かの記事を書いてきた」筆者がちょっと変わった角度からライティングについて述べてみたいと思います。
「ネット上には似たような構成の文章ばっかでつまらん!」とか「もっと意外な観点からライティングについて教えてほしい!」といった要望に応えられるのではないかと思います。
そんな要望がそもそもどれだけあるのか分かりません。
どれだけあるか、どころかゼロかもしれない。
それでもネットの掲示板や若い世代のLINEのやり取りを見ていると、ひたすら単語の応酬をしているだけでとても文章として成立していない内容ばかり・・・。
これで本当に言いたいことが伝わるのか不安になる一方です。
コロナ禍で直接顔を合わせて会話する頻度が下がる中、文章による情報および意志伝達手段はこれからもっと見直されるべきだと思うのです。
あなたがどんなシーンでライティングを求められているのかまでは分かりませんが、文章力で他と差をつけたい、自分の個性を出したい、という方のお役に少しでも立てればこれ幸いでございます。
どうぞよろしくお願い致します。(N)