先月にアメリカで行われた水泳選手権に出場したリア・トーマス選手が大きな話題となっています。
彼…いや彼女は2020年まで男性として競技を続けていた、米ペンシルベニア大学に通うトランスジェンダーのアスリートです。
トーマス選手は元男性というアドバンテージが大きく作用し、女子の大会でいくつもの新記録を出しながら他の選手を圧倒しているのです。
この状況にネット上でも…
- もうメチャクチャじゃん
- さすがに酷い
- どうすんのこれ…
など困惑の声が挙がっています。
この記事では、トーマス選手が出した記録などを振り返りながらどのような事態になっているのか現状のまとめと、その対策についても触れていこうと思います。
もくじ
リアトーマス選手に対する世間の声
擁護の声は非常に少なく、さすがに問題アリと感じる人が多いようです。
リアトーマス選手の記録
トーマス選手が「女性」として女子の大会に参加しているのは昨年の秋から。
その直後から圧倒的な強さで米国の大学女子水泳界を席巻しているのです。
新記録連発
まずは昨年11月に行われた競技会でトーマス選手は
- 200ヤード(182.88メートル)自由形で1分41秒93
- 500ヤード(457.2メートル)自由形で4分34秒06
と、ともに大学新記録を更新し優勝。NCAA(全米大学体育協会)チャンピオンシップの出場資格を得ています。
さらに圧巻は
- 1650ヤード(1500メートル)で、15分59秒71で優勝
このレースでの2位との差は何と38秒差!
もはや一人だけ別の競技を行っているのかというレベルです。
今年2月に行われたアイビーリーグ水泳選手権でも、200の自由形で1分43秒12の大会記録を樹立し圧勝。
他の女子選手は全く歯が立たない状況となっています。
これからも「蹂躪」は続く
トーマス選手はこのあと、3月16~18日に開催される全米大学選手権への出場も認められており、同選手は100、200、500ヤード自由形に出場する予定とのこと。
このまま行けばまさに「蹂躪」と言っていい現在の状況は続いてしまうことが確定的です。
さらにさらにトーマス選手は、
「私は競技を続けたい。あるがままの自分として泳ぎたい」
と話し、2024年パリ五輪の代表を決める国内選考会まで現役を続行する意思を示しています。
これはその競技をしている一般の女子選手達のモチベーションに、大きな影響を及ぼすのは間違いありません。
ルール上は問題なし!
こんな状態でもルール上は何も問題がありません。
トーマス選手は性転換後、NCAAの規則に基づき、男性ホルモンのテストステロンのレベルを1年間以上抑制するため、実戦の場からは遠ざかっています。
NCAA(全米大学体育協会)が定める現行のルールでは、トランスジェンダーのアスリートは1年間テストステロン抑制治療を受ければ、誰でも女子選手として競技に参加できるとされているのです。
記録だけじゃないメチャクチャな状況
トーマス選手を取り巻く問題は、競技の公平性や記録面だけのものではありません。
それはもう「メチャクチャ」以外の表現が浮かばないほど、酷い状況となっています。
チームメイトが“公然わいせつ罪”を訴える
異常事態の一つは更衣室での光景です。
トーマス選手は更衣室内では時々タオルで体を隠すものの、ほとんどが裸とのこと。
トーマス選手は性転換手術を受けていないので、要は「ブツ」が付いたまま…。その状態で女子更衣室内をウロウロするのです。
これに対しチームメイトは
「リアは他の人がどう感じるか気にしていないので、本当に腹が立ちます」
と不満を口にしているようです。
トーマス選手のこの行為は、「ペンシルベニア州の刑法とペンシルベニア大学の指針の両方に違反している」とチームメイトは主張。
「同州の公然わいせつ罪にあたる」と訴えているといいます。
トランスジェンダーのレズビアンというカオス
トーマス選手の立場をさらに良くないものにしているのは、その複雑な嗜好です。
トーマス選手は「体は男、心は女」というのが前提ながら、恋愛対象は女性というレズビアンです。
これは先ほどの更衣室の問題に置き換えると、
女子更衣室内を、男性のシンボルをぶら下げた、女性を恋愛対象とする人物がウロついている
ということです。
これが問題にならないはずがありません。
トーマス選手を負かしたのもまた…
無双状態のトーマス選手ですが、さすがにすべてのレースに勝てるわけではありません。
女子の大会に出場するようになってからも何度か敗戦はあります。
しかしこれがまたトンデモナイ事態となっており、女子の大会に出るようになったトーマス選手を唯一負かしたのもまたトランスジェンダー選手という、ワケが分からないことになっているのです。
イザック・ヘニグ選手
トーマス選手を打ち負かしたのはイザック・ヘニグという選手で、この人物は何と
女性から男性へ性転換中のトランス選手
です。
はい、もうだいぶ意味が分からなくなっていますよね。
ヘニグ選手はあくまでまだ“転換中”であり、選手としての登録は女性のため、当然のことながら女子の大会に出場が可能(というかそれしか出る大会がない)です。
女子水泳界を席巻しようとしている、元男性で女性へ性転換をしたトランス選手を負かした相手は、女性から男性へ性転換中のトランス選手である
何やら禅問答のような状況です。
これを
もうムチャクチャ!
と言わずして何と言うのでしょうか。
対策は…
さすがにこんな混沌とした状況を放置しておくわけにはいきません。
トランス選手の存在は水泳に限らず、今や多くのスポーツで議論がなされています。
トランプ元大統領も苦言
こうした状況には著名人も敏感に反応。
トランプ元アメリカ大統領は、2月に開かれたアリゾナ州での政治集会で、トーマスを名指しはしなかったものの
「記録を30秒も更新している水泳選手を見たか
我々は女子スポーツに男性が参加することを禁止する」
と宣言しました。
しかし対策は非常に難しい
しかし、トランプ氏のようにトランス選手を完全に締め出してしまえば問題解決、というのが正解でないことは明らかです。
この問題に水泳界のレジェンド、マイケル・フェルプス氏は
「将来はどうなるかわからないし、複雑で難しい問題だけれど、すべての人が公平な場で競技できるようになれば素晴らしいと思います」
と語っており、問題の根深さを感じさせます。
カナダの研究所の案に一票!
この問題の解決には、カナダの政策立案・政策提言を行うマクドナルド・ローリエ研究所の提言に一票を投じたいと思います。
ローリエ研究所は
「テストステロンを12ヶ月間抑制するだけでは筋肉や体力の低下は5%程度にとどまり、男性の筋骨格によるアドバンテージも維持されたまま」
だとし、対応は不十分だとする研究結果を発表した上で
今後に女子カテゴリーとして競技する際に、「出生時に女子」として記録された人を対象とする
ことで一定の公平性が保たれるのではないかと述べています。
方向性としてはトランス選手の「締め出し」に近いかもしれませんが、後出しジャンケンや言ったもの勝ちの状況がスポーツ界に根付いてしまうリスクは、あまりにも大きいと思うのです。
リアトーマスがヤバい!トランス選手の存在はスポーツ界をメチャクチャに?
男性から女性となったリア・トーマス選手の記録などから、いかに現在のスポーツ界がメチャクチャになりつつあるかを掘り下げてきました。
ただ断言できることは、トランス選手には何の罪もないことです。
彼ら、彼女らの心の葛藤や精神的な負担に関しては十分に理解をしているつもりですが、スポーツにおいてその垣根を取っ払うことはあまりにもリスキーです。
「出生時の性別」を基準にするなど、何らかの線引きをしないと、スポーツ界は終わりを迎えてしまうかもしれません。