コント日本一を決める大会「キングオブコント」において、今年の大会から即席ユニットでの参加が認められ話題になっています。
「キングオブコント2014」で優勝したシソンヌと、同大会で準優勝だったチョコレートプラネットがユニットを組んだ“チョコンヌ”をはじめ、すでにテレビで活躍している有名どころのタッグには否が応でも注目してしまうところです。
しかしそんな即席ユニットに対して世間からは「反則じゃないか」「若手のチャンスを奪っているだけ」など、否定的な声も聞かれます。
この記事では、
- 現時点での注目即席ユニットは?
- 本当に即席ユニットは強いのか?
といった観点で、その存在を掘り下げてみようと思います。
もくじ
現時点での注目即席ユニット
まずは現時点で参加を表明している注目即席ユニットをご紹介します。
- おいでやすこが(おいでやす小田×こがけん)
- チョコンヌ(チョコレートプラネット×シソンヌ)
- おかん(勝矢×おばたのお兄さん×ひょっこりはん)
- ミクミクサイダー(河邑ミク×森本サイダー)
- アイデンR(アイデンティティ×R藤本)
- ガンバレルーやんレトリィバァ(ガンバレルーヤ×ゆりやんレトリィバァ)
- 母と母(片桐仁×青木さやか)
といったところです。かなりメジャーな芸人さんの名前も並んでいますね。
おいでやすこが
M-1グランプリ2020で旋風を巻き起こした、言わずと知れた“即席ユニットの雄”。
今回のキングオブコントから即席ユニットの参加が認められるようになったのも、彼らの活躍があったからです。
チョコンヌ
2014年のキングオブコントで鎬を削った、チョコレートプラネットとシソンヌによる最強タッグ。
その実力と知名度は抜群であり、早くも優勝候補の呼び声高いユニット。
おかん
おばたのお兄さんとひょっこりはんのNSC同期同士に、俳優の勝矢を加えた異色ユニット。
しかしすでにおばたのお兄さんからは「ひょっこりはん、いらねぇな」という声が聞かれるなど、最大の敵は仲違い?
アイデンR
声優・野沢雅子のモノマネ芸人であるアイデンティティと、その野沢雅子の代表作であるドラゴンボールのキャラ・ベジータのモノマネ芸人/R藤本による、チーム・ドラゴンボールユニット。
「ドラゴンボール」という固い絆で結ばれたチームワークで台風の目となるか。
ガンバレルーやんレトリィバァ
女芸人の最高峰、ガンバレルーヤとゆりやんレトリィバァによる即席ユニット。
こちらも知名度は抜群。キングオブコント初の女性決勝進出なるか。
実力、知名度は折り紙付き
注目を集める即席ユニットは当然のことながらその実力、知名度は折り紙付きです。
既にテレビなどで活躍していることで、経験値や人気といった部分でも大きなアドバンテージがあるのは間違いないでしょう。
本当に即席ユニットは強いのか?
もう十分に活躍していたり、キングオブコント自体の優勝経験がある芸人さんが出場するということは、それだけ若手芸人のチャンスが奪われるということでもあります。
では、本当に即席ユニットは強いと断言できるのでしょうか。
期待値によるハードルの高さ
知名度の高い、みんなが知っている芸人さんに対しては、当たり前ですがみんな期待をします。
そしてその期待値が高ければ高いほど、笑いのハードルも高くなっていくのです。
単純にネタそのものが面白いかどうかはもちろんですが、下手に知名度があるだけに「あれをやってくれるだろう」という思い込みも邪魔になります。
例えばチョコレートプラネットの松尾さんなら、「IKKOさんのモノマネで出てきてくれるんでしょ?」と見る側が勝手に思い込んでいる節があります。
すると、そうでないパターンのネタだった場合、「え、違うの?な〜んだ…」というガッカリ感につながってしまうことがままあります。
知名度があって、誰もが知っているネタやキャラを持っていることは、必ずしもプラスに働くとは限らないのです。
ネタ作り、ネタ合わせの時間
注目即席ユニットとして名前を挙げた面々は、全員とは言いませんが相当に忙しいはずです。
売れっ子としてテレビや取材、舞台といったスケジュールの合間を縫って、どれだけ打合せや練習をする時間が取れるのかというと、大いに疑問が残ります。
キングオブコントほどの舞台であれば、単純な人気によるワーキャーで優勝することは不可能です。
しっかりと作り込まれ、入念に鍛錬されたネタでないと、すぐに練習不足がバレて笑いが起きなくなります。
登場した瞬間が一番盛り上がって、その後は笑いが萎んでいく…ということも十分にあり得ます。
そもそも”即席”自体は武器にならない
「おいでやすこが」の大活躍で一気に注目が集まった即席ユニットですが、そもそも本当の即席では勝負になりません。
「おいでやすこが」も大ブレイクしたのは2020年のM-1ですが、結成年は2019年。一年以上、様々な場面でコンビとしてのネタを磨いたからこそ、あの大爆発につながったのです。
この大会のためだけに付け焼刃で結成した即席ユニットには、そんな磨き上げられたネタを用意する時間はないはずです。
ただ、その点で言うと「チョコンヌ」はお互いコンビの仕事が全然なかった2010年からユニットコントをライブで披露。
経験値という点でもかなり洗練されており、やはり強力であることは疑う余地がなさそうですが果たして・・・。
まとめ
即席ユニットでの参戦が解禁され、従来とはまた違った趣となるキングオブコント。
しかし即席ユニットが本当に強力がどうかは、様々な要素が絡み合うため一概に「強い」と断言することはできません。
そして即席であろうがなかろうが、「面白ければいい」という大前提は変わりません。
知名度のない若手芸人も、即席ユニット解禁でやる気を失うことなくとにかく面白いネタを突き詰めてほしと思います。