タイワンタケクマバチはミツバチ科の蜂で、中国や台湾に広く生息する外来種です。
体調は2~3センチほどで全身が黒く、脚には毛が生えています。羽が鮮やかな褐色のグラデーションになっているのも特徴とされています。
もくじ
国内での確認とその生態
国内での確認は2006年から
国立環境研究所の進入生物データベース(https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/)によると、日本国内では2006年に愛知県豊田市で初めて記録されたとあり、中国大陸から輸入した竹材に混じって入ってきたとみられます。
その後、生息範囲を拡大し、現在では岐阜県・三重県・長野県・福井県・石川県・京都府・滋賀県にまで分布が広がっています。
生息する場所
主に竹林や農地に生息しています。
中でも気をつけなければならないのは、その名の通り「竹」に営巣する点です。
農具の持ち手部分や竹ぼうきなど、一般的な家庭にもある道具の竹の部分にも簡単に巣を作ってしまうのです。
クマバチの仲間は枯れ木や竹などを噛んで穴を開け、その中に生息するという生態を持っています。
竹ぼうきや竹垣などに2~4センチほどの穴が開いていたら要注意です。ちなみにこの巣穴をガムテープ等で塞いでも、それを破って中へと入っていくそうです。
攻撃性と毒性
タイワンタケクマバチはミツバチの仲間なので、スズメバチのように積極的に敵を攻撃する可能性は低いです。
また毒性についても低く、さほど危険性の高い蜂ではないと言えます。
ただし蜂毒によるアナフィラキシーショックの危険性はあり、安易に巣に近づかないほうがいいのは間違いありません。
背中にダニ
タイワンタケクマバチは背中にダニが寄生しています。
そのため人間や動物にダニを運んでしまう恐れもあります。タイワンタケクマバチそのものに刺されなくても、ダニによる被害が出てしまうかもしれません。
生態系を脅かす恐れも
タイワンタケクマバチは花の蜜や花粉を食料としています。
そのため日本の在来種であるクマバチの縄張りに入り込み、餌を奪ってしまう可能性があるのです。
国内の生態系に悪影響を及ぼすことが危惧されているのです。
見つけたらどうする
タイワンタケクマバチを見つけたり、または巣らしきものを発見した場合でも自力で駆除することが可能です。
蜂は殺虫スプレーによる駆除が最も早く効果的です。中でも蜂が苦手とする「ピレスロイド」という成分が含まれた殺虫剤が効果的です。
服装にも注意
殺虫スプレーを持っていても、服装には注意してください。クマバチの仲間は毒針が太く、薄い生地なら簡単に貫通して刺してきます。
厚手の作業着や皮手袋を用意するといいでしょう。
スプレーする手順
飛んでいる個体を見つけた場合は直接スプレーをすればOKですが巣穴にスプレーをする場合は・・・
- 巣穴を確認する
- 巣穴の近くから殺虫剤をかける
- タイワンタケクマバチが出てきたらその個体にもスプレーする
- 15秒ほど巣穴に殺虫剤をかけて、蜂が出てこなくなったら完了
さほど難しい作業ではないですが、くれぐれも無理をせず、自力での駆除が難しいと判断したらすぐに業者に依頼をするようにしましょう。
刺されてしまったら・・・
もしも刺されてしまっても、タイワンタケクマバチの毒性は弱いので焦らず冷静に対処をしましょう。
- 刺されたらすぐにその場を離れる
- 刺された傷口を流水でよく洗い流し、毒液を絞り出すようにする
- 毒針が残っている場合はそっと抜く
- 傷口が痛む場合には水か氷で冷やす
※万が一、アナフィラキシーの症状が見られる場合は速やかに医療機関を受診する
まとめ
夏から秋にかけては害虫の活動も活発になってきます。
スズメバチなど、すでにその危険性が十分に認知されている害虫であれば多くの方が注意を払うでしょうが、今回のタイワンタケクマバチのようにまだ認知度の低い害虫にはあまり意識が向きません。
比較的身近な箇所に巣を作るこの蜂に対しても注意をしていきましょう。