前回は「携帯ゲームがドーパミンの過剰分泌を促し依存症の危険がある」というお話。
「ドーパミン大放出!」のはなし。~前編~2017.02.02.thu
今回はその仕組みについて掘り下げます。
携帯ゲームで最も厄介な存在は「ガチャ」と呼ばれるシステム。ゲームを進行するにあたって必要だったり有利になったりするアイテムを手に入れるチャンスなのですが、要はここが製作側の儲け口。
「ガチャを引きたきゃ金払え」というのが課金システムです。アイテムは何が出るか分からないので、レアなアイテムを手に入れるためにはどんどん課金してガチャを引く必要があります。
この課金自体もしばしば問題になりますが、分別のつく年齢であれば人生を崩壊させるような課金はしないでしょう。
問題なのがドーパミン。何が出るか分からないドキドキ!レアアイテムが出たときの快感!これがドーパミンを異常なまでに分泌させるのです。
パチンコに置き換えるとこうです。当たる→楽しい~(ドーパミン↑)連チャン続く→さらに楽しい~!(ドーパミン↑↑)確定演出が出る→きたきたー!(ドーパミン↑↑↑)50%の激アツ演出が出る→ドキドキドキドキ!(ドーパミン↑↑↑↑)激アツ演出で当たる→超気持ち良いー!ウォーーー!!(ドーパミン↑↑↑↑↑↑)。
こうして立派なパチンコ依存症患者の一丁あがりです。これと同じようなことを小学生や中学生でもやってるわけですから、そりゃ危険だろって話です。
携帯ゲームは単純に「ゲーム」としても稚拙なものが多いです。結局は課金してレアアイテムをゲットしたもの勝ちだからです。
あるゲームクリエイターが「面白いゲームを作るには、努力と運が半々になるように作ることが大事」と言ったそうです。
努力も運も関係なく課金してガチャを引きまくればクリアできてしまうゲームからは、製作側の熱意も本気度も、何も伝わってきません。
人間のドーパミンは無限に湧いてくるわけではありません。「生きる意欲」ドーパミンの枯渇は、無気力・マイナス思考の原因になり、やる気や活力を奪っていきます。
こういう精神的な面での回復には非常に時間がかかります。もしかしたら元に戻らないかもしれません。やる気はスマホのように簡単には充電できないのです。携帯ゲームで自分の空き時間を埋めてしまうのは、非常に危険な行為と言えます。
有名な劇作家・寺山修司氏の作品に「書を捨てよ、町へ出よう」という本があります。
書生論に走らずに、町へ出て色んな経験をしろ!という内容なのですが、その通りですね。
今風にするなら「スマホを捨てよ、町へ出よう」という感じなのでしょうが、現代人は本も読まないので「スマホを捨てよ、町へ出よう、そして本でも買いに行こう(ブックオフ可)」とでもしておきましょう。(N)