侍ジャパンの新監督に、日本ハム監督を退任したばかりの栗山英樹氏(60)が最有力候補に挙がっているとの報道がされました。
栗山氏のもと「2023年に予定されているWBCで世界一奪還を目指す」とのことですが、ネット上では
- 少し休ませてやれよ
- 本人は本当にやりたがってるのかな?
- 日ハムで下位ばっかりだったのになぜ…
などの声が挙がっています。
この記事では、侍ジャパンの新監督に栗山氏が最有力とされる理由について掘り下げながら、近年の成績や出来事等からその不自然さに関しても解説していこうと思います。
もくじ
栗山氏の侍ジャパン監督に対する世間の声
日ハム監督の座を退いてすぐの報道であることへの心配の声、さらには近年の成績不振ぶりからその手腕にも疑問の声が挙がっています。
侍ジャパンになぜ栗山監督?
それでは世間の声をよそに、なぜ侍ジャパンに栗山氏が有力視されるのか、理由に迫っていこうと思います。
栗山氏の起用は大谷翔平を呼ぶための打算?
栗山氏といえば、今や世界一の野球選手と言っても過言ではない大谷翔平選手との師弟関係です。
2012年ドラフトで1位指名した大谷選手を投打二刀流に育てあげ、メジャーリーグをも揺るがすスーパースターへの礎を築きました。
その育成手腕は高く評価されており、日ハムの監督としても球団最多の684勝。実績は抜群です。侍ジャパンの監督としても申し分ないように思われます。
是が非でも大谷を侍ジャパンに呼びたい侍日本野球界
野球人気の低迷や競技人口減が危惧される日本球界。
WBCという世界的な大会で日本のスーパースター・大谷翔平選手が日の丸を背負って戦ってくれるというシーンは何としても演出したいはずです。
大谷選手との関係性が強い栗山氏ならば、侍ジャパンに大谷選手を呼ぶことができるのではないか…
今回の人選には野球界のそんな打算的な思いが透けて見えます。
WBCへの日本人メジャーリーガー不参加に悩む侍ジャパン
WBCへの日本人メジャーリーガーの参加が少ないことも日本球界の悩みの種です。
以下は過去に行われたWBCに参加した日本人メジャーリーガーの一覧です。
- 2006 イチロー 大塚
- 2009 イチロー 松坂 城島 岩村 福留
- 2013 なし
- 2017 青木
最初の2回こそ複数の選手が参加してくれましたが、過去2回は2017年大会の青木選手のみ。
そうなるとやはり戦力的に劣るのか、2013年と2017年大会はいずれもベスト4止まりと、優勝できていないのです。(06、09大会はともに優勝)
「興行的にも戦力的にも大きな意味を持つ大谷選手を呼ぶために、できることは何でもやっておこう」というのが、栗山氏を侍ジャパン新監督に迎え入れる理由と考えてもおかしくないのではないでしょうか。
日ハムでの成績不振、問題多発…大丈夫?
先ほど栗山氏は監督としての実績は申し分ないと書きましたが、退任前のチーム状態は決して褒められたものではありませんでした。
成績は明らかな下降線
2012年に日本ハムの監督に就任し、10年間に渡って指揮を執った栗山氏。
名監督の呼び声高い栗山氏ですが、その順位を改めて振り返ると
序盤はAクラス常連、優勝争いが当たり前の状態だったのが、ここ3シーズンは連続5位とかつての勢いは完全に失われていることが分かります。
中田翔問題の勃発
そんな成績不振の中で起こった、チームの顔とも言うべき中田翔選手の暴行問題。
中田選手本人ともども、チームの指導者である栗山氏をはじめフロント陣も大きなバッシングを受けることになりました。
このような事態を招いたのは、栗山氏の監督としての求心力や指導力が弱まっていたのではないか…という声も聞こえているのです。
そんな状況で日の丸背負って大丈夫?
お世辞にも監督として波に乗っていたとは言えない栗山氏。
長きに渡ってチームを率いてきた疲れやストレスが、采配や戦術に悪い影響を及ぼしているということは十分に考えられます。
「もう少し休んでほしい」「成績不振なのにどうして?」の声が挙がるのはある意味当然と言えるでしょう。
侍ジャパン新監督に栗山氏を招くのは大谷を呼びたい野球界の打算か…
なぜ栗山氏が侍ジャパンの新監督として有力視されているかについて解説してきました。
背景には野球人気や競技人口の低迷に悩む日本球界が、何とか大谷翔平選手を侍ジャパンに呼びたい!という思惑があるからではないかというのがこの記事の回答となります。
逆を言えば、そこまでして大谷選手に頼らなければならないほど日本野球が窮地に立っているということの現れなのかもしれません。
しかし栗山氏が侍ジャパン監督になったからと言って、大谷選手をWBCに参加させてくれるかどうかは彼の所属チーム次第。
しかも“ワールド”ベースボールクラシックと言えど実際に頂点を争う可能性があるのは数チームという、実はローカルな大会。
オリンピックもそうでしたね。↓
収益や人気取りのための人選ではなく、確実に勝利を掴むための選択が、最終的には野球というスポーツ全体のためになるのではないでしょうか。