7月4日投開票の東京都議選に、豊島区選挙区で立候補している井田恵介氏。
彼を公認しているのは「嵐の党」です。
「嵐」というワードのインパクトは強烈で、誰しもがあのアイドルグループ「嵐」を連想してしまいますよね。
この記事では
- 「嵐の党」とは何なのか
- アイドルグループ「嵐」と関係はあるのか
- なぜ「嵐の党」なのか
について解説していこうと思います。
もくじ
嵐の党とは
「嵐の党」は立花孝志氏が党首を務める国政政党です。
立花氏といえばNHK
立花氏と聞くとNHKをすぐに思い出してしまいます。
最も注目を集めたのは一昨年、国政政党として認められた「NHKから国民を守る党」でした。
改名を繰り返す
立花氏の政党はこれまでに何度も改名を繰り返しています。
- NHK受信料不払い党(2013年6月17日 – 2013年7月23日)
- NHKから国民を守る党(2013年7月23日 – 2020年12月21日)
- NHKから自国民を守る党(2020年12月21日 – 2021年2月5日)
- NHK受信料を支払わない方法を教える党(2021年2月5日 – 2021年5月17日)
- 古い政党から国民を守る党(2021年5月17日 – 2021年6月28日)
- 嵐の党(2021年6月28日 – )
これ以外の候補も多数…
この他にも”党名を変える”と言って実際には変えなかったり、状況に応じて変更すると述べるなど、党名に関してはまったく固定する気配がありません。
候補として挙がったものだけでも
- NHKとコロナの自粛から国民を守る党
- ゴルフ党(NHKから国民を守る党)
- NHK集金人が来たら内緒で録音する党
- NHKの弁護士法72条違反を追及する党
- NHKのスクランブルを実現する党
などがあります。
あれだけこだわっていた「NHK」の文字も、ここ2回の改名の際にはいとも容易く撤廃しており、一貫性の無さに呆れ返っている人もいるようです。
アイドルグループ「嵐」との関係性は?
ズバリ、これについてはまったくもって1ミリたりとも関係がありません。
嵐ファンの怒りを買っている
まったく関係ないのに「嵐」の名前を使っており、嵐ファンからは当然のことながら怒りを買っています。
こんなものは「嵐」でなく「荒らし」だ!と上手いツッコミまで食らう始末です。
確信犯
「嵐の党」という党名について立花氏は、昨年末に活動休止したジャニーズ事務所の人気アイドルグループ「嵐」の名前をモチーフにしたものだ、と公言しています。
そして嵐ファンからの批判は覚悟の上だとも…。
なぜ「嵐の党」?
ではなぜ批判があることを覚悟の上でそんな党名にしたのでしょうか。
政治に関心がない人へのアルゴリズム
立花氏はその理由について、
政治に関心がない人へのアルゴリズム
と説明しており、
嵐は、SMAPか嵐かというくらいジャニーズの中で成功したグループ。キャッチコピーとして使わせていただきたい。
僕の記事は政治に関心がある人のスマホには出てくるが、関心がない人には出てこない。ところが島田紳助さんとマリエさんの件をしゃべったら、芸能ネタを見ている人たちのところに記事が拡散された。
(党名変更で)芸能に関心のある人なら『嵐の党』って何と引っ掛かる。
と語っています。
無許可
「嵐の党」という党名にすることについて、ジャニーズ事務所に許可は得ていないとのこと。
もちろん政党名は基本自由なので許可が必要かと言うとそうではありませんが、ジャニーズの嵐を明らかにイメージしての命名であるならば、無許可というのは釈然としません。
しかも立花氏は、
(嵐の党と聞いたファンが)相葉くんとか櫻井翔くんとかが立候補するのかなとちょっと思ってしまう
と話しており、それを言ってしまうのはいかがなものかと思います。
V系バンドのメンバーを公認候補に
異質なのは党名だけでなく、議員候補として送り込む人間もかなりバラエティに富んでいます。
金髪ホスト風ギタリストを
冒頭で述べた東京都議選に豊島区選挙区で立候補している井田恵介氏は、嵐の党の公認候補であり、その経歴も異色です。
井田氏はビジュアル系ロックバンド「ジャックケイパー」のメンバーであり、見た目は金髪のホスト風、舞台上では激しいメイクをして演奏するミュージシャンです。
ジャックケイパー・オフィシャルウェブサイト↓
奇をてらう気概は買うが…
こうした人選もやはり“政治に関心がない人”を取り込むための戦略なのだと思いますが、党名にしてもそうですが少々「行き過ぎた」感があるのは否めません。
まとめ
「嵐の党」について解説してきました。
アイドルグループの「嵐」とはまったく関係がないばかりかジャニーズ事務所にも無許可、しかしその威光をまとう気は満々。
嵐ファンならずとも、あまり好意的に見られない部分が多いことが分かりました。
まずは政治に関心を持ってもらうこと―――これは素晴らしい理念ですが、その方法は賛否が分かれるところでしょう。
批判の声を吹き飛ばすような、国民が満足する政治活動に期待したいところです。