「夢ビジョン」とは、平成25年9月に東京オリンピック・パラリンピック担当大臣に任命された下村文部科学大臣が打ち出した、日本社会を元気にするための取組みです。
「2020年を単に五輪開催の年とするのではなく、新たな成長に向かうターゲットイヤーとして位置づけ、東京だけでなく日本社会を元気にするための取組を『夢ビジョン』として打ち出し、社会総掛かりで実現していく」と表明されました。
様々な具体案があるのですが、その中で注目すべき項目として「週休3日制」があります。そんなこと実現するはずがない!とお思いの方は多いでしょう。
ところが週休3日制を唱える人は意外と多く、週休2日制が非効率であるという実験結果もあります。週休3日を導入することで経済や社会構造そのものを変革することができるかもしれないのです。
休みが増えれば心身ともにリフレッシュした状態で仕事に打ち込めるため勤労意欲や労働生産性が向上します。可処分時間も増え、趣味に時間を費やしたりモノやサービスを消費するため、経済・社会活動の活性化につながるというメリットが考えられます。
この背景には「世界一長時間労働の日本人男性」と「世界一睡眠時間が短い日本人女性」という状況があります。
こんな不名誉な「世界一」の座を返上したい、という意図も週休3日制にはあるのです。実は既に週休3日が当たり前の国があります。それはオランダ。オランダでは週休3日が基本、人によっては週休4日ということもあります。オランダの多くの警察官は、パートタイムで勤務をしています。週4日、32時間の勤務が基本です。
また、パートタイムで弁護士の助手と、飛行機の客室乗務員の2つの仕事を掛け持ちしている人もいます。もちろん、オランダでは徹底したワークシェアリングが進んでおり、パートタイム労働者とフルタイム労働者の均等待遇が法で保障されているという社会的背景があってのことですが。
単純な経済効果ばかりが期待される2020年東京オリンピック。ですが、その瞬間だけの盛り上がりで終わらせないことが、本当のオリンピック効果になるのではないでしょうか。我々一般庶民も、もっとオリンピックに対して期待感とワクワク感を持っていいのかもしれません。(N)