見たい、聞きたい、話したい…
ここにはそれがある。
あした使えるはなしのたね
2016年発行

「Let it Bee」のはなし。2016.01.14.thu

遅ればせながら明けましておめでとうございます。

まだまだお正月気分が抜けない方もたくさんおられるのではないでしょうか。

さて、一年が始まると我々「働き蜂」は一生懸命、仕事に励むことになるわけですが、

一匹のミツバチが一生に集められる蜜の量というのをご存知でしょうか。

答えは4~6グラム。

これは小さめのスプーン一杯分ほどの量です。

ミツバチの働き蜂の寿命は30~40日程度。

産まれてから20日間ほどは巣の中で過ごすため、

外に出て蜜を集める期間は2週間ぐらいです。

一度の採蜜量は多くても0.5グラム程度なので、これを20日間集めたとすると10グラム。

ただし、集めたばかりの蜜は半分以上が水分のため、

巣の中で濃縮されます。

そして出来上がるのが先述の4~6グラム、というわけです。

市販されている300グラムの蜂蜜には60匹分のミツバチの一生が詰まっています。

これでもか!

と蜂蜜を舐める、どこぞのランドの黄色い熊にも教えてあげたいです。

「4~6グラムって、一生かけてたったそれだけ!?」と思う方が多いでしょう。

あれだけの小さな体なのですから当たり前と言えば当たり前ですが、

どうしても割に合わない気がしてしまいます。

しかし馬鹿にしてはいけません。

凄いのは集める蜜の量ではなく、蜜を集めるために飛ぶ飛行距離です。

彼らは蜜を集めるわずか2週間の間に、約1万kmを飛びます。

これは東京―サンフランシスコ間と同程度の距離で、

つまり太平洋を横断するほどの距離なのです。

我々人間はこんなわずかな成果のために、

一生をかけてとんでもない距離を移動するようなことなど、

果たしてできるでしょうか。

何かにつけて見返りやリターンを求める・・・

ミツバチとの比較で、自分は卑しい生き物なんだなぁということを思ったお正月でした。

そんな自分でも「はなしのたね」で、皆さんの心の隙間を例え5グラムでも1グラムでも埋められたら、

そんな決意を新たにした次第です。

どうぞ本年もよろしくお願い致します。(N)