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あした使えるはなしのたね
NewPost 2021年発行

「心優しき梶野くん」のはなし。2021.03.18

「強欲」とか「あくどい」という意味で使われるアコギという言葉は三重県の津市にある阿漕ヶ浦に由来します。

阿漕ヶ浦は伊勢神宮に供える魚を獲るための禁漁域でしたが、「阿漕の平次」と呼ばれる漁夫が繰り返し密漁を行い捕らえられたという伝説がアコギという言葉の語源となりました。

アコギな商売と言えばいろいろありますがその最たるものはギャンブルです。どこまで行っても運営側(胴元)が儲かるようにできています。そしてその中でも極悪なのは宝くじです。

ギャンブルには必ず控除率と還元率というものがあって、要は集まった全部のお金のどれだけを胴元が抜いてどれだけを配分するか、という割合です。宝くじの場合、この控除率が53.2%です。とどのつまりが半分以上、胴元が持っていくのです。我々購入者側は全体の半分以下の金額を取り合うのです。そりゃ確率からいって儲かるはずがありません。他にも競馬や競輪、競艇、パチンコ、totoなど、一般的なギャンブルはとにかく“アコギ”です。

その意味で最も良心的なのはカジノです。え?と思う方もみえるでしょう。カジノと言えば悪の巣窟、マフィアがウロついて麻薬の密売をしている・・・みたいなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。

まあそれはいわゆる映画の中の世界というか、闇カジノみたいな合法でない形で行われているカジノならあり得る話ですが、公に開かれているカジノはそんなダーティな場所ではありません。

例えばルーレットなら、先ほどの控除率が2~5%です。カジノの王様と言われる「バカラ」だとわずか1.2~1.36%。宝くじと比べたらカジノがいかに優しいかが分かります。

「梶野くん」は学校内では不良で有名です。たしかに見た目は派手な金髪、短ラン・ボンタンでまさにヤンキー。でも実は病弱な母と幼い妹のために朝から地道に新聞配達をして家計を支えるなど、とても心優しいヤツなんです。

対して優等生の「宝籤 億太郎」は学年トップの成績、人望も厚く生徒会長まで務めています。ところがこの億太郎、裏では不良の「馬田 馬三郎」や「二輪チャリ蔵」、中国人ヤンキーの「キョウ・テイ」らと手を組んで、カツアゲや脅迫といった方法で他の生徒たちから金を巻き上げているのです。

その悪事に気付いた梶野くんは生徒たちを救おうと立ち上がります。しかし生徒たちは億太郎がそんなことをするはずがない、と信じて疑いません。しかも億太郎らは梶野くんに関する悪いウワサを流しまくり、彼のイメージダウンを図ります。どうする・・・梶野くん。次回、『億太郎の闇』、絶対に見てくれよな!(続きません)

日本でカジノ法案がなかなか進まないのはカジノができてしまうと他のギャンブルの異常性がバレるからです。

そして各種ギャンブルと日本政府の結び付きは強く、宝くじ=総務省、競馬=農水省、競輪=経産省、競艇=国交省、パチンコ=警察庁、toto=文科省、という関係性があります。まーた先週までの内容と同じような流れですみません。

ただ結局のところそれらギャンブルに発生している利権を侵されたくない、という理由で梶野くんの正義は潰されてしまうのです。たしかにカジノの見た目はヤンキーです。

が、長く楽しむこと、当たる楽しさを味わうこと、大きく負けないこと、といった観点からは、他のギャンブルより優れていることは明白なのです。

果たして梶野くんは阿漕なギャンブルの海で泳がされている我々の窮地を救ってくれるのでしょうか。今後の活躍に期待しましょう。(N)