電車やバスの中の風景で、10年前と比べて最も顕著に変わった部分はどこだと思いますか?それは間違いなく「乗客の目線」でしょう。
9割、いやもう10割と言っていいぐらいの割合で、その目線はスマホの画面に向けられています。
外の景色を楽しんだり、読書や編み物をする人の姿など、もはや遠い過去の光景です。
私は趣味が悪いので、電車やバスの中でそうやってスマホを覗き込んでいる人が何をやっているか、それを逆に覗き込んで見てやります。
大体1割がインターネットで調べ物、1割がマンガアプリ、3割がtwitterやfacebookなどのSNS、
そして半分以上の確率でやっているのが携帯ゲームです。
それはそれは一生懸命やってます。どこに向かっているのか知らないけど家に帰ってからじゃダメなのかなぁ…といつも思います。
携帯ゲームは、パチンコに代表される「ギャンブル」と同じ構造でできています。
脳内物質「ドーパミン」が大量に分泌されるように、実に巧妙に作られているのです。
ドーパミンとは、簡単に言うと「快感や多幸感を得る」、「意欲を作ったり感じたりする」、「運動調節に関連する」といった機能を担う脳内ホルモンのひとつです。
ドーパミンは「生きる意欲を作るホルモン」とも言われます。
人間誰でも幸せに、意欲的に生きたいわけですから、極端な表現をしてしまえば「人間はドーパミンを分泌させることを目的に生きている」と言っても過言でないわけです。
それならばドーパミンが大量に分泌される携帯ゲームは人生において必要不可欠なもの、皆さん何をおいても携帯ゲームをガンガンやって幸せな人生を送りましょう!
―――って、コトはそんなに簡単ではありません。問題はドーパミンの分泌量。ドーパミンの過剰な分泌は依存症を引き起こします。
ゲームをプレイすると脳内のドーパミンが著しく増加します。ドーパミンの増加は快感を引き起こし、快感欲しさにもっとゲームがしたいと思うようになります。
しかし、ゲームを繰り返しやっていると徐々に感度が鈍くなり、快感が薄れていきます。すると脳は以前と同じ程度の快感を得ようとして、よりいっそうゲームにのめり込むように仕向けます。
そうすることによってドーパミンの放出がさらに増え、ゲーム無しではいられなくなっていくのです。
この辺の流れはパチンコどころの騒ぎじゃありません。麻薬や覚せい剤と同じです。この話、続きます。(N)
そのまま後編を読む↓
「ドーパミン大放出!」のはなし。~後編~2017.02.09.thu