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2021年発行

女子プロ野球が消滅・・・あの桑田真澄も唱え続ける野球界への女性進出の必要性とは?

女子プロ野球が事実上消滅したという悲しいニュースが報道されました。

7月21日までに岩谷美里(30)、西山小春(23)、柳理菜(24)が自身のSNSで退団を発表。これでついに所属選手が0となり、創設から12年目でその幕を一度下ろすこととなりました。

一時は大きな注目を集めましたが、これで「女子プロ野球」というカテゴリーは消滅してしまうことになります。

それでも女性の野球界への進出については、あの桑田真澄氏がかねてよりその必要性を唱え続けています。

桑田氏はどういった理由で女性が必要だと考えているのか・・・。この記事では、桑田さんが訴える女性の野球界進出について掘り下げていこうと思います。

女子プロ野球消滅の背景

まずは女子プロ野球消滅の背景について共有しておきましょう。

一企業のワンマン運営

女子プロ野球はサプリメント販売のわかさ生活(京都)が主体となって、2010年に関西2チームで始まったリーグでした。

この2チームとも、オーナー企業はわかさ生活。つまり言い方を変えれば「わかさ生活の社内対抗戦」でしかなかったのです。

チーム数増で他地区へ展開するも・・・

その後、一時は4チーム体制となり中部や関東、東北にも展開したが赤字経営が続きました。

19年オフにはリーグ所属の約半数にあたる36人が大量退団。その後も退団選手が相次いで、今年2月にはリーグが開催できる18人をも割り込み、3月には今季の公式戦不開催を正式発表していました。

そもそもが“道楽”との見方も・・・

わかさ生活の社長は熱烈な高校野球ファン。その社長が「女性にも野球ができる場を」と始まったのが女子プロ野球でした。

この背景から、かねてより女子プロ野球そのものがわかさ生活社長の道楽であるとの見方も強かったのです。

ただ、逆に言えば道楽であったからこそ12年もの間続けられたとも言えます。ビジネス目的ならばとっくの昔に手を引いていたでしょうから。

女性の野球界進出の必要性

結果的に消滅となってしまった女子プロ野球ですが、女性にも野球ができる場をというわかさ生活社長の理念は素晴らしいと思います。

そしてこれと同じ思想を持っているのが、あの桑田真澄氏なのです。

桑田氏の主張

桑田氏は上原浩治氏との対談で

「日本の野球界は誰に支えられているかって言うと、女子ですよ」

と語っています。

これは、小中高生時代はユニフォームの洗濯やお弁当作り、応援・・・といった「母親の手助け」から始まっているという主張です。

そして高校野球では毎年多くの女子マネージャーにも注目が集まるように、選手のサポート役として直接ではなくとも間接的に野球に関わる女性は思いのほか多いと言えます。

女性たちの影の頑張りなくして、日本の野球は成り立たないと桑田氏は考えているのです。

野球人口への好影響も

また桑田氏は

「高校、大学まで女子野球を続けてきた女性が母親になれば、小学校の間くらいは子どものキャッチボールできますからね」

とも話しています。

本格的に野球をプレーした女性は、わが子にも同じスポーツを経験させたいと思うでしょう。そして経験させるだけでなく、ちょっとした練習相手にもなることができれば一石二鳥です。

少子化の影響もあり、野球人口が減少していくのはもはや止められません。

そんな中で野球経験を持つ女性が増えることは、競技人口の減少に歯止めをかけることにつながると言えます。

ちなみに上原浩治氏も、小学校の頃は母親にキャッチボールの相手をしてもらっていたそうです。上原氏の母親はソフトボール経験者だったようです。

女性の指導力にも期待

小学校の低学年の担任教師は女性が多いです。

これは、その年代の子どもたちへの指導力は女性の方が圧倒的に高いからです。少年野球のコーチは男性というイメージが強いですが、小さい子ども相手ならば野球経験のある女性指導者の方が上手く育成できる可能性も十分あります。

女子プロ野球復活への道は?

わかさ生活の関係者によると、今後も選手募集など再開の可能性も視野に入れているとのこと。しかしながら実際のところは興行として行うには少々厳しいと言わざるを得ません。

ここはやはりNPBの力を借りる形で、西武ライオンズや阪神タイガースが下部組織として持っている「女子チーム」を進化させていくことが一番の近道ではないでしょうか。

実際に女子プロ野球の世界からこうしたチームへ移った選手も多数いますし、気持ちの面でも馴染みのある伝統のユニフォームで戦えることが大きなモチベーションになると思います。

まとめ

残念ながら女子プロ野球という形は消滅してしまいましたが、野球界への女性の進出というのは更なるレベル向上に大きく寄与しそうです。

それを唱えるのが野球界きっての理論派・桑田真澄氏であるという点も、その可能性を後押ししていると思います。

日本人と野球はもはや切っても切れない関係性。女性の力でさらにその結びつきを強固なものにできるのではないでしょうか。