プロ野球はペナントレースの全日程を終えクライマックスシリーズ(CS)へと突入しました。
11月7日、ファーストラウンドが終了しセ・リーグ3位の巨人が同2位の阪神を破りファイナルラウンドへ進出。
パ・リーグでは2位ロッテが3位楽天を下して同じくファイナルラウンドへ駒を進めています。
熱い戦いにさぞ盛り上がっているかと思いきや、毎年このクライマックスシリーズの時期になると叫ばれるのが「CS不要論」です。
ネット上では
- クライマックスシリーズは本当に不要!
- こんなものは早く無くすべき
- 何でCS毎年やるんだろう?
などの声が挙がっています。
この記事では、多くの不要論や反対の声を押しのけてまでなぜ毎年クライマックスシリーズが開催されるのか、その背景に迫っていこうと思います。
もくじ
クライマックスシリーズ不要に関する声
クライマックスシリーズは不要だ!という声はこんなにもたくさん聞こえてきます。
やはりペナントレース優勝チームが日本シリーズに行けない可能性がある点について大きな不満となっているようですね。
今年のクライマックスシリーズもなかなかの大問題
今年の夏クライマックスシリーズもなかなかの問題を抱えています。
特に気になるのはセ・リーグ。
先述の通り、そのファーストラウンドではシーズン3位の巨人が2位の阪神に連勝し、ファイナル進出を決めました。
巨人は借金生活、しかも…
ここで2021年のセ・リーグペナントレースの結果を振り返ってみます。
ご覧の通り、巨人は61勝62敗20分の負け越し…つまり借金を抱えてシーズンを終了しています。
さらに言うと、阪神は優勝したヤクルトとゲーム差なしの2位。
今年のセ・リーグは、結果から見ると明らかな2強4弱の体制だったと言えるでしょう。
にもかかわらず、巨人に敗れた阪神はCSファーストラウンドで終戦…。何のためのペナントレースだ!という意見が叫ばれるのもある種当然とも言えます。
クライマックスシリーズはなぜなくならない?理由を解説
それでは、そんな不要論が叫ばれるのも当然なクライマックスシリーズがなぜなくならないか、理由に迫っていこうと思います。
CSがなくならない理由その①興行としての旨味
我々に勇気や感動を与えてくれるプロ野球ですが、絶対に忘れてはいけないのは「興行」であること。
それが商売として成り立たなければ存在すらもできないのです。
その観点からいくと、クライマックスシリーズは興行としてものすごく大きな旨味を持っています。
日本シリーズは主催側のNPBが収益のうち決められた分配金を出場した2球団の選手らに分配されます。
一方、CSはファーストステージなら2位球団、ファイナルステージならばリーグ優勝球団のそれぞれ本拠地開催権を持つ側がそのまま試合ごとの収支を反映させることができる仕組みとなっています。
つまりその収益はNPBを通さず、丸々フトコロに入ってくることになります。
このシステムは2位球団、優勝球団側にとってかなり〝おいしい興行権〟となっているのです。
「特別な試合」による入場料や放映権料
しかもそれは特別な試合であることから観客動員も見込め、グッズ等の販売額も普段の試合より跳ね上がると言われます。
さらにさらに、1試合5000万円前後と目される放映権料も計算できます。
興行として見るならば、チームとしてはクライマックスシリーズをやらない手はないのです。
CSがなくならない理由その②消化試合の減少
もしクライマックスシリーズがない状態で、ある球団がブッチギリの強さで早々と優勝を決めてしまったら…
残りのペナントレースの試合はすべてが「消化試合」ということになります。
“もし”と仮定しましたが、クライマックスシリーズがない頃はそれが当たり前で、特にパ・リーグの優勝決定後の消化試合などは悲惨なものでした。
こんな状況では選手もやる気が出ませんし、腑抜けたプレーでさらにファン離れが加速するという悪循環を招きかねません。
消化試合の増加はプレーの質の低下に繋がる
消化試合であっても全力でプレーしようと思うのは、おそらく何らかのタイトルや記録がかかった選手ぐらいのものでしょう。
もちろんプロ野球選手全員が「どんな状況でも全力プレーで燃え尽きるぜ!」という人達ばかりの可能性はあります。
しかし消化試合でケガをしたり、疲労を蓄積させてしまうことほど勿体ないことはありません。
やはりどう考えても、消化試合が増えることはマイナス効果の方が高いと言えそうです。
プロ野球界も分かっている?
なぜクライマックスシリーズがなくならないか、理由を解説してきましたが、あまり触れてはいけない部分なのかもしれません。
クライマックスシリーズへの反対意見が出ることは、どうやらプロ野球界も承知の上のようで…
とある球団の幹部はこう話したといいます。
「あまり大きな声では言えないが…。はっきり言ってしまえば、CSというのは球団側のエゴから始まったもの。メジャーリーグのポストシーズンにならってスタートさせた形になってはいるが、そもそも球団数が圧倒的に違うのにそれは明らかな屁理屈だ。
だから、こうやってどれだけ議論してもCSを理想的に開催できるプランはなかなか出て来ない。要はやらないのが一番いいが、始めてしまった以上はいまさら後には引けない。しかもいろいろ毎年のように外野から文句を言われながらも結果として、多くのファンの人たちから大きな支持を得ているのだからね。
CSは球界にとって『パンドラの箱』だったのかもしれない」
もはやクライマックスシリーズはプロ野球界にとって「必要悪」となっているという見方もできます。
あの超大物政治家も反対!
クライマックスシリーズの存在についてはあの超大物政治家も反対意見を述べています。
その超大物政治家とは、つい先日総裁選で敗れた「河野太郎さん」です。
かなり熱っぽくその不要論を説いています。
総理大臣になってリベンジ?
もし河野太郎さんが総理大臣になって同じ発言をすれば…さすがのプロ野球界も考え直すかも?
冗談はさておき、クライマックスシリーズの存在は様々な業界の人が注目する、ある意味では「名物」と言っていいでしょう。
クライマックスシリーズはなぜなくならない?理由は興行的意味と消化試合減!
根強いクライマックスシリーズ不要論に対して、なぜなくならないかを解説してきました。
その理由は
- 興行的な旨味
- 消化試合の減少
の2つが大きな理由と言えそうです。
しかしその不要論や反対意見についてはプロ野球界も十分に理解をしていると思われます。
今後、クライマックスシリーズが無くなることはないかもしれませんが、時代やファンの声に応じてそのルール等は変わっていくことでしょう。
クライマックスシリーズは日本のプロ野球独自の文化として、また別角度から楽しめるように意識を変えていきたいですね。