演奏時間が世界一長い楽曲は何だと思いますか?
第13章まである、THE虎舞竜の「ロード」? はたまた18番まで歌詞があるBOROの「大阪で生まれた女」?
いやいや、世界レベルになるとそんなのはまだまだ序の口。
もはや「長い」という分類の仕方でいいのかどうかすらも分からなくなってくる次元です。
それでは「長い曲TOP3」を発表していきましょう!まず第3位。
第3位はアルネ・ノールヘイムの「スカンジナビア館のテーマ曲」で総演奏時間は102年。
ひゃ、102年!?
1970年の大阪万博のときに作られた曲で、テープによるループ音楽です。
演奏時間が「年」というよく分からない表記になっています。
ここまでくると、「全部聞けやしないのになぜにそんな曲を作った?」という非常に素朴な疑問が浮かびます。
でもこれでもまだ3位なんです。
第2位はカールハインツ・シュトックハウゼンの「336年」(仮題)。
演奏時間はお察しの通り、336年です。
ちなみにこのシュトックハウゼンが作った「光」という曲は、演奏時間の長い曲第5位(28時間)です。
シュトックハウゼンの曲がTOP5のうち2つを占めるという、相当なヒットメーカーぶり。
シュトックハウゼンは「長い曲」界の小室哲哉と言っても過言ではないでしょう。
そして栄えある第1位はジョン・ケージ「Organ2/ASLSP」です。
ASLSPは、As SLow aS Possible = 「可能な限りゆっくりと」という意味で、その名前に恥じぬ演奏時間は、なんと639年!
作曲者のケージ氏自身は80分以内でも演奏可能(通常演奏で20分)な楽曲として作ったそうですが。
作曲者が没した後、2001年9月5日からドイツ、ハルバーシュタットのブキャルディ廃教会で演奏が開始されました。
電気と機械のパイプによって演奏され、2001年から2640年まで続けられる予定です。
つまり現在も延々と演奏されています。
笑ってしまうのは、演奏開始が2001年9月でありながら、最初の音が奏でられるのが2003年2月、つまり1年半ほどはまったく無音パートなわけです。
どうして?って聞かれても、そういう楽譜なんだから仕方ないんです。
この曲の楽譜には、音符の下に5.02.2003とか5.07.2004といった表記があります。
要は音と音の間隔が数ヶ月単位のため、そういう表記をしないといけない。もう聞いてる方は「曲」として認識できないでしょう。
ASLSPの演奏のコンセプトは「変化の早い現代社会における平静と緩慢な時の流れの再発見」だそうです。
お、おぅ・・・という言葉しか出てきません。
まったく関係ありませんが、「ASLSP」と似たようなアルファベット表記の「ピコ太郎/PPAP」は、わずか1分10秒足らずの動画で世界を席巻しました。
長けりゃいいってもんじゃないという良い手本です。
ただ「変化の早い現代社会」なので、PPAPの方はあっと言う間に忘れ去られてしまうでしょうが・・・。(N)