見たい、聞きたい、話したい…
ここにはそれがある。
あした使えるはなしのたね
2018年発行

「たった一言の違い」のはなし。2018.11.29.thu

朝、携帯のアラームの音で目を覚ましiPhoneの画面を見るとこんな表示がされていることがあります。

「iPhoneのバックアップに失敗しました」

―――おい、俺はバックアップに挑戦していないのに失敗とは何事か!

と、こう思うわけです。

まるでバックアップをしなかったことが悪であるかのような、バックアップしないとヤバいよ!人生損してるよ!と言わんばかりの表示に、朝から気分を害されるのです。

何をもって「失敗」と断じているのか・・・たかだかスマホごときにそんな風に言われる覚えはありません。

また別の日には、Facebookアプリのポップアップ表示がポン!と出てきて「今日は◯◯さんの誕生日です」と知らされました。

あぁそうか、おめでたいなと思ったのも束の間、その表示のすぐ下に「スワイプして無視する」という文言が!

スワイプとは画面を指でスライドすることですが、要はこのポップアップをタップすればそのままFacebookのアプリが開きバースデーメッセージを送れまっせ!と言いたいわけです。

それはそれでやりたい人は勝手にやったらいいですが、やらないことを「無視」とは何事か!

SNS上でバースデーメッセージを送らないことは、その人の誕生日を無視したことになるのか?

その日に実際会う相手なら直接おめでとうと伝えるし、会えない相手でも心の中で祝福します。

それで十分。なのにこれまたやらない人を悪人扱い・・・何様のつもりなのかと思うのです。

そんな細かいことを気にして小さい奴だなぁと思われるかもしれませんが、言葉というのは何を言ったか、ではなくどう伝わったかが大事だ、という話です。

よく政治家が失言に対する釈明で「◯◯といった意味ではなく・・・」などともっともらしいことを喋っていますが、

いや、そう伝わっちゃった時点でその発言、その言葉はそういう意味になるんです。

そういう意味じゃないんなら、はじめから言いたいことが伝わるように、相手を不快にさせない言葉や表現をチョイスしなさいよという話です。

人と話すとき、どれだけ相手への「伝わり方」を意識できているでしょうか。

もちろん言葉の受け取り方は千差万別。

相手の年齢、性別、精神状態、健康状態などによってまったく異なります。

誰に対しても100点満点の表現なんて無いにしても、少しは意識して喋らないと本当に言いたいことが伝わらないばかりか、自分自身の価値や評価も下げてしまうことになります。

感情に任せて吠えるだけなら、そこら辺の野良犬と同じなんです。

私なんかはスマホの表現にすら腹をたてる人種ですからね、相手が人間ともなれば、あの時アイツこんなこと言いやがった!ってずっ・・・と覚えてますよ。

ずっ・・・・・・とね。世の中にはそういう奴もいるので気をつけましょう。「たった一言の違い」でとんでもない損をする前に。(N)