見たい、聞きたい、話したい…
ここにはそれがある。
あした使えるはなしのたね
NewPost 2021年発行

「功労語」のはなし。2021.7.15

今年4月に亡くなった、お笑いタレントで喜劇俳優のチャーリー浜さん。そのチャーリーさんの訃報を知らせるニュースの内容でとても気になったことがありました。

大抵の場合、チャーリーさんの経歴を交えながらの報道になるわけですが、『チャーリーさんは「じゃ、あ~りませんか」「君たちがいて、僕がいる」などのギャグで知られ・・・』と当然その代表ギャグにも触れることになります。

その中でこれはイカン!と思ったのは、私が見たニュース番組にはチャーリーさんの最も有名なギャグ、「ごめんくさい」を代表ギャグとして挙げた番組が一つもなかったことです。

チャーリーさんといえば「ごめんくさい」「あ、こりゃまたくさい」「あ~くさ」の三連発です。これが聞きたくて吉本新喜劇を見ていた人も大勢いると思います。

何でこの“国民的ギャグ”を代表作として挙げないのか不思議でなりませんが、まあおそらくは「くさい」という下ネタ寄りのワードがテレビ的にあまり好ましくなかったという、ただそれだけのことなのでしょう。

ただ「ごめんくさい」は世紀のギャグと言っても過言ではありません。有名なギャグはたくさんありますが、素晴らしいギャグの三大要素は「面白い」、「誰でも使える」、「日常生活でも使える」ことだと勝手に決めています。この3つすべてを満たすギャグって、探してみるとなかなかないんですよ。

志村けんさんの「アイ~ン」だって、3つ目の条件を満たしていない。まあそもそも日常生活で急にギャグをぶっ込むことなど頻繁にないと言ってしまえばそれまでですが、「ごめんください」という何てことない日常のワードから一文字削っただけで、空前絶後の破壊力と汎用性を持ったギャグになったことは奇跡と言っていいでしょう

。他に例を挙げるなら谷啓さんの「ガチョ~ン」ですね。日常生活の中で何かショックなことを告げられて、「ガチョ~ン」と言ったことのある人がほとんどではないでしょうか。

とにもかくにも「ごめんくさい」は私の中で、すべての条件を満たすパーフェクト・ギャグなのです。この「ごめんくさい」の偉大さに気付かず、下ネタっぽいからという理由だけで代表ギャグとして挙げなかったテレビ局のセンスを疑うわけですが、ここは改めて「ごめんくさい」を何らかの形で後世に残す方法を考えたいところです。

皆さんご存知の「流行語大賞」というものがありますね。これに倣って「功労語大賞」なるものを作ってみたらどうでしょう。

日本国民に元気や勇気を与えた“言葉”を表彰するのです。

もちろんギャグに限った話ではありません。名言と呼ぶには少々短く、しかしながらその言葉を口にすることで元気が出たり勇気が涌いたり、はたまた周囲を笑顔にしたり・・・そんな素晴らしい言葉が日本にはたくさんあるはずです。

そんな貢献をしてくれた言葉たちの、労をねぎらう機会があってもいいのではないかと思うのです。

チャーリーさんは1991年に「じゃ、あ~りませんか」で流行語大賞を獲得しています。

「ごめんくさい」も功労語大賞は確実なのでこれで2冠達成!M-1、R-1の2冠を達成している霜降り・粗品もマヂカル・野田クリスタルも、チャーリーさんのこの功績にはまだまだ遠く及ばないのです。(N)