遅ればせながら明けましておめでとうございます。
さて唐突ですが、2017年の流行語大賞は何だったでしょう。
え?もう忘れた?いや、それでいいと思います。
そもそも流行語なんて有象無象の存在であって、世の中に長く残るものであってはならないと思います。
昨年の流行語大賞は「インスタ映え」と「忖度」です。
この2語が、10年後の日本にも影響を及ぼすような言葉であるとは到底思えません。
お笑い芸人が日本中のお茶の間を笑顔にしたギャグというわけでもなく、
スポーツ選手が発した日本中を感動させる名言というわけでもなく、
ただ単に意味なく流行っただけの、実に、いや実に「流行語大賞」らしい「流行語」だったと思います。
新年1発目から話が大いに逸れていますが、
2017年末に安倍晋三内閣総理大臣が「地方活性化の鍵はインスタ映え」と発言し議論を呼んだのはご存知でしょうか。
時の総理に「鍵」とまで言わしめたインスタ映えを「意味なく流行った」だなんて思い違いも甚だしい認識でした。
が、実際インスタ映えする写真を撮るために若者が行う行動や、それに夢中になる彼らの意識に対して批判的な意見が多いのは事実です。
念のために「インスタ」についての解説をしますと、インスタとは「インスタグラム」という自分の撮った写真を投稿、
共有して他人と交流できるシステムの略称です。
自分が投稿した写真を他人が良いなと思えば「いいね」のボタンが押されるのですが、
この「いいね」獲得のための行動がしばしば問題視されます。代表的なものが――――
■見た目のカワイイ食べ物を購入し、撮影だけして食べずに捨てる
■一人で食事をしているのに二人でいるように見せるため食事や飲み物を2人分注文して残す(恋人とデートしている自分を演出するため等)
■立入禁止の場所や危険な場所に立ち、写真を撮る(実際に高所から落下して命を落としたケースも)
これだけ聞くと批判的になるのは当然です。
これぞまさしく「最近の若いモンは・・・」です。
ですが逆に考えてみてください。最近の若いモンは、インスタ映えする写真を撮るためならこんなことまでやっちゃうのです。
その行動力だけはスゴイと思いませんか?安倍首相も、
観光や町おこしのためにインスタ映えする風景や文化財をそれぞれの地方自治体がきちんと整備すれば、
沢山の若者たちがその場所を訪れ大きな経済効果になるという意味を込めての発言でした。
そしてそれは2020年の東京オリンピックで数多くの外国人観光客を招き入れた際にも強力な武器になります。
いつの世も、流行や文化を作り上げるのは若者です。
熟年世代はそのエネルギーが間違った方向へ行かないよう、そして未来の日本のためになるよう、
上手にコントロールしてあげる必要があるのです。
何でもかんでも批判的になるだけなら誰でもできます。
理解できないことをただただ否定するだけでは、そこに眠る可能性もすべて打ち消してしまうことになるのです。
インスタに夢中になる若者達にも「忖度」してあげられるぐらい、心に余裕のある大人になりたいなと思った2018年のお正月でした。
今年も1年間よろしくお願いします。(N)