見たい、聞きたい、話したい…
ここにはそれがある。
あした使えるはなしのたね
2020年発行

「私はジャワティー派」のはなし。 2020/10/01

「午後の紅茶はカレーに合う!」というCMが流れていました。

いかにも「新発見!」みたいな感じで。

ほんとに素直な感想として、え?今さら?と思いましたね。

いや、別にもうその組み合わせを試したから知ってる!ってことではなく、カレーってインド発祥の料理ですよね。

インド料理屋さんに行くと必ず「チャイティー」という飲み物があって、当たり前のようにカレーと一緒に出てきます。

このチャイティー、簡単に言うとミルクティーなんで要は紅茶なんです。

カレーという料理がインドで生まれたのなんて多分何千年も前の話ですよね。

と、いうことはどう少なく見積もってもカレーと紅茶との組み合わせが生まれたのだって何百年も前です。

カレーと紅茶が合うなんて、インド人はとうの昔に気づいていた。

だから「今さら何を言ってんだ」と思ったのです。

あと最近の生放送のテレビ番組は視聴者の参加意欲を煽りたいのか、やたらとその番組に関するTwitterでのつぶやきをリアルタイムで紹介してきます。

これも全然新しくない。

私が高校生の頃なのでもう20数年前です、高校野球県予選大会のテレビ放送で、母校への応援メッセージをメールで募集してそれをそれこそリアルタイムで画面に表示していました。

20年以上も前に片田舎の地方テレビ局がすでにやっていたことを、キー局の全国ネット番組で今さらこれ見よがしにやられてもねぇ…何も興味が湧きません。

「歴史は繰り返す」とは、ドイツの哲学者カール・マルクスの名言です。

誰もが知っている名言中の名言と言っていい。

ですがそんな「歴史は繰り返す」も、実はパクりだったというのはあまり知られていません。

まあパクりは言い過ぎですね…名言に付け足しをして世に知らしめたのがマルクスなだけです。

この名言を最初に言ったのは、ローマの歴史家クルチュウス・ルーフスです。(名前が言いにく過ぎて残らなかった可能性)

過去に起こったことは、後世になっても同じように繰り返されるという思想なのですが、これも実に面白い話。

だって「歴史は繰り返す」という名言自体が、古代ローマから長い長い年月を経ても繰り返し使用され現代でも万人が知るところになる…名は体を表す、をまさに証明しています。

こうして歴史は繰り返されるので、数百年後にまたキリンが「午後の紅茶カレー味」とか出すかもしれませんし、宇宙の彼方に浮かぶスペース甲子園に、脳内イメージした母校への応援メッセージを電気信号で飛ばしたりしているかもしれません。

いや、きっと似たようなことをしてるでしょう。

日常生活でふと「何で今さらこんなこと…」と思ったときは、そのルーツに思いを馳せると合点が行くかもしれません。

それは「今さら」なのではなく、ずっと昔から在り続けていたものなのだと。

それを改めて見つめ直すべき時が来たのだ、と。

つまり今回の午後の紅茶とカレーは、カレーの素晴らしさを改めて世に伝える絶好の機会であると我々インド人は認識し…何が言いたいかワケが分からなくなってついにインド人になってしまったのでこの辺で終わります。(N)