見たい、聞きたい、話したい…
ここにはそれがある。
あした使えるはなしのたね
2018年発行

「理念と目的」のはなし。2018.5.24

ランドセルを購入しました。娘が来年から小学生になるためです。ランドセルというと多分皆さん真っ先に思い浮かぶのが「天使のはね」ランドセルではないでしょうか。

CMソングが印象的で実に記憶に残りやすい。ですがもう一つ、イオングループが販売しているランドセルのCMソングにも是非ご注目ください。

イオンのランドセルのウリは「みらいポケット」。通常の収納部分の前にチャックが付いていて、そこを開くとさらに収納できるポケットが現れます。その幅、実に8㎝。子供でも何かと持ち物が増える現代、ランドセル以外の手提げカバンやら袋やらで両手が塞がってしまわないように配慮がされています。

そして私が感動したのはそのCMソングの歌詞の一部。みらいポケットの内容を歌に合わせて説明した後、最後に「空いた両手で夢を掴もう~♪」と歌っているのです。

いやぁ、いいですね。機能的な便利さを追求するだけでなく、子供たちに輝かしい未来を掴みとってほしい、いつかそのランドセルを降ろす日が来ても、その先にある夢に向かって頑張ってほしい、という素晴らしい理念が感じられます。

単にランドセルを売りたいだけなら、「この機能!どうですか!凄いでしょ!ね!ね!しかも!この機能!これがついて!この値段!ね!凄い!安い!でしょ!ね!ね!」というCMにするはずです。でもそうじゃない、本当に子供たちの未来を考えて作っているんだということがCMから伝わってきます。

ランドセルを買うお金が家計を圧迫するという話をよく聞きます。確かに高い!高級なものは平気で10万円とかします。最近では孫の入学祝いに祖父母が高級ランドセルを買うのが当たり前になってしまい、そんな余裕はないのに世間体や周りの目を気にして無理やり高いランドセルを買う家庭もあるようです。

でも先ほどのイオンランドセルの素敵な理念に比べたら、何と浅はかな思考回路でしょう。ランドセルは誰の為に買うのか?何の為に買うのか?その目的がブレているから、訳の分からないことで頭を悩ますのです。

子供たちがすくすくと成長してくれるなら、そのランドセルを背負って笑顔で学校に行ってくれるなら、金額なんて超どうでもいい話です。

ロールプレイングゲームの武器や防具じゃないんだから、高いものを装備させたからと言って子供の能力が上がるわけでも何でもない。ならば身の丈に合った、子供が喜んでくれるものを買えばいいんです。

何事もそうですが、「こうありたい」「こうであってほしい」という理念と、「何の為」「誰の為」という目的がしっかりしていれば、おかしな事で悩む必要はなくなりますよというお話でした。ただ「みらいポケット」付きランドセルは、嫁の「高い!」という一言で我が家での購入は却下となりました。娘、ごめん…。(N)