見たい、聞きたい、話したい…
ここにはそれがある。
あした使えるはなしのたね
2010年発行

「どこでも田んぼ」のはなし。2010.10.14.thu

秋と言えば思い浮かぶのは何でしょう。

スポーツ?読書?紅葉?いやいや、日本人なら有無を言わさず「稲刈り!」でしょう!!

ということで田んぼの話。

家庭菜園が人気の昨今ですが、個人で米を作ろうという発想はなかなかないのではないでしょうか。

そんな意外な試みに挑戦したのがシップレスインワールド株式会社。

世田谷アドベンチャークラブと共同で進める「どこでも田んぼ」は、

ベランダから屋上、さらには駐車場まで、

太陽が当たる場所であればその名の通りどこでも田んぼが作れてしまうそうです。

田んぼを作る場所を決めたら、登場するのは厚手のベニヤ板。

その場所の四方+床部分を厚手のベニヤ板で囲います。

そこへ土を広げれば小さな田んぼが完成。

ある程度育てた苗を「田植え」して収穫を待ちます。

もちろん収穫のためには草刈りや給水など、こまめな管理が必要ですが、

小さな田んぼなら収穫に機械も不要。

収穫後にベニヤを片づけてしまえば、地面も傷つきません。

気になるお値段は3×5メートルサイズで50万円ほどだとか。

この「どこでも田んぼ」、地球温暖化や食料自給率といった真面目な問題に対して…

という側面もある一方、単純に味も良いそうです。

通常スーパーなどで売られている米は、

いくつかの田んぼで作られた米が混ざった言わばブレンド米。

ところが単一の田んぼで作られた米は他の味が入らないので、

純粋にお米の味を楽しめるんだそうですよ。

お茶碗一杯のお米、稲にすると実に3束分。

1束の稲を育てるのに約20リットルの土と水が必要と言われているので、

60リットルの土と水を使って育てられた稲が、

ようやくお茶碗一杯のご飯になるのです。

そんなお米の大切さ、自分で作ったものなら余計に痛切に感じるのではないでしょうか。(N)